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「爆光が、闇を圧して夜に閃く。」

とりあえずスレイヤーズを挟まないと死んじゃう病です。
一文目を書いていて思いましたが、スレイヤーズのほとんどの巻て、突然の襲撃からはじまってる……?
もしかするとそうかもしれない。
いきなり緊張感のある文章からはじめる、というのは、読者の気持ちを一気に物語に引き込むテクニックのようにも思えます。
スレイヤーズの場合、それが雑魚によるものか強敵によるものか、はたまたリナ自身によるものか。
それでだいぶその後の展開が変わってくるのですが。

神坂一著『魔竜王の挑戦(スレイヤーズ7)』(富士見書房、2008)

で、今回の襲撃は、強敵によるものです。
スレイヤーズ長編は、基本的に各巻で物語が完結してはいますが、7巻は6巻の尾をかなり長く引きずっており、第一部のラストとなる7巻8巻は連続した物語です。

ついに動き出した魔族の陰謀。
リナの命を狙う勢力と、守ろうとするゼロス。
わたしはねえ、このゼロスのえげつない強さが大好きなんですよ。
飄々としているくせに実は強いことはこれまでの話で度々示されてはきましたが、リナが想定していた以上に強い。
口ではいろいろ言いながらも、実に合理的に敵を追い詰め人を騙し、最小の力で最大の効果をあげようとするところ。
これでこそCV石田彰。

竜たちの峰に住まう黄金竜の長を務めるミルガズィアさんがあっさりゼロスの要求に応えるのも、1000年前の降魔戦争で、ゼロスひとりに竜族がほぼ壊滅されられたから、という理由があったりします。
めっちゃ強いじゃん、ゼロス。
好きすぎる。
そのゼロスが、魔竜王ガーヴに一撃で倒されているのが最高にたまらない。
強くて余裕そうな奴が苦しむ姿、嫌いじゃないです。

んで、異界黙示録によって「金色の魔王(ロード・オブ・ナイトメア)」の正体に気がついたリナは、自分が以前使った「重破斬(ギガ・スレイブ)」の呪文の恐ろしさと、それが世界を滅ぼす可能性のこと、そしてそれこそが魔族の目的であることに気が付きます。
いいねいいね。
世界を壊す力を手に入れてしまった主人公いいね。
そして、リナに呪文を使わせる人質として選ばれたのが、自称保護者のガウリイでした、と。

ガウリイが攫われてしまった!
敵の本拠地は、かつての死闘の場所、サイラーグシティ。

と言うところで7巻が終わり。
8巻に続きます。

スレイヤーズ長編の底辺を流れ続ける、
「大切なものを失ったとき、人はどうするのか」
という問いが、ここでリナに突きつけられることになります。
これまで、大切な人を止めるために自ら手をかけた人、大切な思いのために人を殺した人、人を殺すことでしか生きられなかった人、色々な人が出てきました。
そしてこのテーマは、第二部にもっと重い形で引き継がれていきます。

リナがその決断をするのは次の8巻。
いやあ、好きですねえ。

わたしはちょっとアニメ先行のイメージが残っているので、この辺りのアニオリも嫌いじゃなかったんですが、最近過去作の原作準拠再アニメ化も流行っていますし、スレイヤーズも再アニメ化してくれないかな。
キャストそのままで。


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