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高尾山縦走、ちょっとなめてた【カミーノへ行こう:準備編3】

わたしが歩く巡礼路の入り口は、フランスから入る「フランス人の道」である。
まずはピレネー山脈超えからはじまる。
初日が1番の山場、と言っていいくらいの行程である。

よし、山歩きの練習をしよう。

そんな感じでお手軽な山でお馴染み、高尾山に行ってみた。

今回の荷物

今回は基本の持ち物は前回とほぼ同じ。
ネックピローを新しいものに取り替えたけど、これは嵩張るので本番ではなしだな、と思った。
とりあえず嵩ましで持っていく。
そして登山では基本水分の途中補給ができないので(高尾山はできる。ただし高い)、計2リットルの水を詰めた。

出発時の荷物は、だいたい8キロくらい。
これに途中のコンビニでおにぎりを追加したので、8キロちょいになったと思う。
想定される本番の荷物と同じくらいである。
よしよし。

今回のルート

高尾山自体は、グループでもソロでも行ったことのある山。
そして高尾山だけなら、行き帰りで3時間くらいの本当にお手軽な山である。
ただ、高尾山から奥高尾にかけて、いくつもの山を縦走できるので、今回は縦走チャレンジである。
こちらも、以前途中まで縦走したことがあるので、結構いけるだろうと予想。
本当は陣馬山まで行く19キロくらいの行程にしようと思ったのだが、8キロの荷物を背負って歩くには長すぎるだろうな、と思い、10キロくらいの景信山までのルートにすることにした。

さて、出発である。

ねえ、どこから人が湧いてくるの?

こういうことを言うと、あまりにもおまゆうなのだけれど、平日始発の電車でなんでこんなに人がいるのか。
中央線に乗る頃には、半分以上が登山客である。
定年ぽい人はともかく、若い人も結構いる。
仕事はないんか。
わたしはない。

そんなわけで、高尾山口駅につくと、それなりの人がいた。
とはいえその時点で6時40分。
人がいると言ったって、たかが知れている。
それぞれ歩くコースも違うわけだし、混雑と呼ぶには程遠い。
それにしても、高尾山口駅周辺、年々おしゃれになっていくよなぁ……

登山開始!

稲荷台コースでスタート。
はじめはとにかく階段地獄である。
今回もトレッキングポールを練習のために持って行ったのだが、階段でポールって意味あるのかな……?
というかさ、階段てまじでキツイんだけど。
ぜいぜい。
階段のバカ。
ぜいぜい。

ザックの肩口に水のボトルを入れるところがついているので、歩きながら水分補給ができるのが唯一の救いかも知れない。

階段でぜいぜいし、階段じゃなくなるとすいすい歩き、また階段でぜいぜいする。

その繰り返しで、とりあえず1時間くらいで稲荷台到着。
一方向に視界が開けていて、なかなかに見晴らしがいい。
ここで水ボトルに荷物のペットボトルから水を移し、すこしおやつを食べて再出発。

ず、、、頭痛が、、、いたい、、、

ひたすら階段の繰り返しである。
過去の経験から、「あと3階段くらいで高尾山山頂だったはず」と思いながら、ひたすら歩く。
なんでこんなに苦しい思いをしているんだろう。
山登りなんて別に好きでもないのに。
いや訓練だから、訓練のためだから。
でもピレネー越えってこういう山道じゃないっぽいんだけどな。
長いスロープじゃなかったか?
それもきつそうだけどさ。

ぜいぜい。
あたまが…… いたい……
これは……(ペロっ)脱水症状!!(テロリン!)

いや、汗の量が尋常じゃないのよ。
これまでの2回の歩きは、ほぼずっとユニクロのエアリズムパーカーを着ていられるくらいだったし、汗もじんわりかく程度だった。
んだけど、山ってすごいんだね。
パーカーは初手15分くらいで脱いだし、汗はダラッダラだし。
一応塩飴は持ってきて、すでに何個かなめていたし、羊羹も食べたし、水分もそれなりにとっているんだが。

頭、痛い、階段、ぜい、水、頭、ぜい、階段、痛い、水。

そんなんになりながら、いかにも
「わたしが最後の階段です」
と言わんばかりの長いまっすぐな階段が目の前に聳え立った。
お前がラスボスか。
長い。
とにかく長い。

でも比較的最近整備されたみたいで、登りやすいは登りやすい。
でも坂道のほうがなんぼよかったことか。

高尾山山頂、到着

ついたーーーーー!!!
景色やらなんやらはあとまわし。
真っ先に自販機ダッシュして、麦茶をかって半分一気飲みした。
頭痛はそれでだいぶ治った。
やっぱり脱水症状だったか……

あらためてベンチに座り、今日1個目のおにぎりを食べる。
うまし。
もぐもぐもぐ、ごっくん。
ついでに羊羹ももぐもぐごっくん。

ボトルに水を足し、残った麦茶を再度ポケットに入れ、20分くらいの休憩で再出発である。
いやもっと休めよ、と思わなくもないんだけど、なんといっても「できるだけ暑くなる前に歩きたい」が最優先になる。
栄養補給もしたことだし、いざ出発。

おや?脚のようすが……?

山頂から、次は城山、そして小仏峠に向かう。
初めはひたすら階段の下りである。
とにかく下る。
登っただけ下る。
なんのために登ったのかと思うくらい下る。

そしてこのころから、なんだか様子がおかしくなってきた。

左膝が…… 痛い?

階段をおりるときに曲げると痛い。
左膝が下になるようにすると痛くない。
一定以上曲げると痛い。

おや?
これはやばいやつか?
それとも治るやつか??

様子を見つつつ、だましだまし進む。
途中平坦な道は問題なくサクサクあるけるのでありがたい。
あとこういうところでだけストックが役立つ。
うーん、日本の山登りでストック、必要ないかなぁ?

城山到着

城山山頂に到着する。
ここはお店がガッツリ出ているところで、かき氷も食べられれば名物のおでんもある。
あるけどわたしは2個目のおにぎり。
そして水をがぶ飲み。
膝の痛みに加えて、脱水症状がぶり返しているのだ。
でもさあ、あんまり飲んでもお腹タプタプになるんだよ。
どうしろっていうのさ。

ここで残りの水が1リットルになったので、念の為売店でペットボトルを1本追加する。
水はとにかく生命線だ。
下山時にせめてペットボトルが1本残っている状態がベスト、だと思っている。
特に一人登山だし。
下りきるまで何があるかわからないし。

んで、おにぎりを食べたし再出発。

決断の時

やっぱり痛いって、膝。
ここから小仏峠も基本下り道。
痛い。
やっぱり痛い。
地図を確認すると、わたしが当初目標にしていた景信山を通っての下山コースだと、この時点で半分くらいである。
どうする。
このまま歩き続けるか、それともリタイアするか。


……
………

よし、リタイアしよう。

まだ登山客が少ない時間帯であること。
ギリギリまで歩いて、歩けなくなったときに助けがないこと。
特に山道の途中で歩けなくなっても、誰も助けてくれないこと。
自分で自分の体を運べるうちに、できるだけ下山しなくてはならない。

そんなわけでリタイアを決心。
次の分かれ道で下山決行である。

ようやく小仏峠の底までくると、相模湖にでる下りルートがある。
ここは以前友人と通ったことがある。
ここから下山ルートに入ることとした。

相模湖を目指せ

下山ルート、最寄りのバス停まで3.5キロ。
階段のない坂道で助かったが、登りも下りも人がいない。
ここで歩けなくなったら詰みだなーと思いながら歩く。
頭がいたい。
ひたすら山道をおりつづけること、2キロ弱。
ようやく車道にでた。
あとはアスファルトの緩やかな坂道を、バス停まで歩くだけである。

バス停についた。
次のバスまで20分。
相模湖駅まで徒歩26分。

歩いちゃえ。

脱水症状でまともな決断ができず、歩く。
平地なので別にどうと言うことはないのだけども。

そしてようやく、相模湖駅到着ーーー!!!

やったーーーー終わったーーーーー!
あつい!!

相模湖駅の更衣室で着替え、痛む左膝を庇いながら近くの喫茶店へ。
時間はちょうど12時ごろ。
ばっちこいお昼ご飯!

痛恨の極み

入った喫茶店は、昔ながらの「喫茶店」で「洋食屋」さんだった。

メニュー

ハンバーグ
チーズハンバーグ
きのこハンバーグ

ほうほう

オムライス
チキンライス
チャーハン

…… 米縛り?

ナポリタン
ミートソーススパゲッティ
ヤキソバ

………… 麺縛り??

とりあえずきのこハンバーグとライス、アイスコーヒーを頼む。

頼んでお手洗いにいって、戻ってくる時に見てしまった。

「相模湖ダムカレー」!!!!!

あーーーーダムカレー!
ダムカレーがよかった!
ちくしょうっ負けた!!!!

でもきのこハンバーグはうまうまだった。
添えられた「スープ」が味噌汁で、古き良き昭和の香りを感じた。

今回の成果

そんなわけで今回は、重い荷物を背負っての山行ということで、距離は大したことがない。

歩行距離:13.4キロ
歩行時間:6時間50分
症状:左膝の痛み、脱水症状

家帰って水風呂入ってポカリがぶ飲みして薬飲んで寝ました。
夜には治りました。

膝の痛みはね、あれです。
上りの階段でやられたなと思う。
だって大変だったもの。

あと、最大の理由ですが、

「重い」

重力の負荷に耐えられなかったってだけ。
だって次の日はもう平気だったもん。
解決策は一つ。

痩せる。

なんだけど、なんで全然体重落ちないのーーー!!
4月5月と結構気をつけてるんだけど!?
なんで!!??

次の山はもうちょっと体重落としてからにしようね。
膝が死んじゃうからね。
こればかりはどうしようもないね。

さて、次はどこを歩こうか。

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