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テニスというスポーツ。ジョコビッチを追い詰めた19歳。

今は全仏オープン2021の真っ最中。

昨日のジョコビッチの試合が…まぁもう、トレンドで「ジョコビッチ」が上がってくるわけで、いやいや、優勝してませんよ?まだ4回戦。


大阪なおみ選手の「鬱告白」に始まった今年の全仏オープン。

その是非はともあれ、テニスというスポーツは全て1人で行わなければならない。

錦織選手が

「人ってずっと誰とも話せずに1人でいると、おかしくなるじゃないですか?テニスってコート上では全部1人でやらないといけない。おかしくなりそうな時もあります。」

というようなことを言っていたことが思い出される。



という話を念頭に、読み進めていただきたい。


昨日のジョコビッチ対ムゼッティ。

世界1位のジョコビッチ相手に、今大会ノリに乗っている19歳のムゼッティが圧巻のプレイでなんと2セット連取!


これには驚きました。


(はーい。そもそもテニスってどうやったら勝ちなの?)

ん?そうですか。それでは簡単にご説明します。

[1ゲーム4点先取]を6ゲーム取ることが1セットを取ることとなる。
3セットマッチの大会なら、2セット先に取ったら勝ち。
5セットマッチの大会なら、3セット先に取ったら勝ち。

グランドスラム大会(USオープン、全豪オープン、全仏オープン、ウィンブルドン)だと5セットマッチになる。ちなみに優勝賞金は約2億。試合に出る資格を得て、出場するだけでも数百万もらえます。

1セットだけでも競り合う(6−6になるとタイブレークになる。交互にサーブを打って7ポイント先取)と1時間を超える戦いになる。

つまり、5セットマッチのグランドスラムでは、5時間を超える試合や、次の日に持ち越しなど、近年ではウインブルドンでイズナー対ケビンは確か12時間くらい戦っている汗。とんでもねぇ!!


で、先の19歳・本大会のワンダーボーイ「ムゼッティ」

ジョコビッチも観ている我々も、彼のプレイが素晴らしすぎて、こりゃ無理だわ、と納得。ジョコビッチは少し本調子ではなかったが、とにかくムゼッティが全開ギュパー!!状態…汗


(はい、ここ大文字で!)
【あと、1セット取れば世界1位のジョコビッチに勝てる!!!!!】



漂うざわざわ感のなか、静かなジョコビッチがただただ不気味…。


そして、ジョコビッチを知る多くの世界中のファンが、期待、はたまた人によっては懸念していたことが発揮される。



牙を剥く。


ムゼッティは若干、プレイの質が落ちる。
(そりゃだって“あと1セット取ればジョコビッチに勝てる!!”という状況で同じプレイが続けられたら大したもんだ。)

その若干に比べて、ジョコビッチは徐々に、徐々に、ムゼッティをわかってくるとともに、彼に合わせたゲームプランに変え、さらに、自分の調子を上げていく。右肩上がり。



そこからは、怒涛の反撃。表情を変えずに、淡々とポイントを取っていく。冷酷なアナコンダのような、、

これまでの1セット目(6−7)、2セット目(6−7)というスコアが嘘のよう…

3セット目 6−1 ジョコビッチが取る。


3セットの途中から、見ているこちらも会場の雰囲気も 「ムゼッティの方が現時点のスコアでは勝っているのに…」

ムゼッティも「あと1セット。スコアで勝っているのは俺の方なのに…」という山王対湘北戦のゾーンプレスで絶望の時の顔をしていた。


3セット目の後半から4セット目にかけては、ほとんどのポイントがジョコビッチ。完全ゲームしちゃうんじゃないの?ってなくらい…。


1セット、2セットを取るのにムゼッティは2時間近くかかったというのに、3セット、4セットを40分そこらでジョコビッチが取った汗

4セット目 6−0
5セット目 4−0  ※ムゼッティ途中リタイア



3セットマッチの大会であれば、ムゼッティに2セット取られた時点でジョコビッチは負けている。

ただ、彼は王者だ。

5セットマッチの戦い方を知っている。

一方、19歳のムゼッティは5セットマッチのグランドスラム大会は初。



3セット目以降も、もしムゼッティが同じ質のプレイを続けられるならば、おそらくジョコビッチも「仕方ない。彼を讃えよう」となったことだろう。我々も納得。ジョコビッチを始め、ナダル、フェデラー、BIG3にはプレイの波幅が少ない。


世界1位の実力とメンタルとプレッシャー。
いくら相手が強かったとはいえ、19歳の新星に負けたとなると、格好のネタになる。ニュースター誕生!!とも湧くだろう。


テニスは全部ひとりでやらなくてはいけない。


以上、ジョコビッチのとんでもない試合レポートでした。

とんでもねぇ…怖




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