見出し画像

あなたはどんなデザイナーですか?

グラフィックデザイナーです。
UIデザイナーです。
UXデザイナーです。
CGデザイナーです。

などいろんな答えがあると思います。
私は自分はどんなデザイナーなんだろうと悩んでいました。
そこで得た答えは、デザインの分類に囚われないということです。


全てのデザインは通じる

「すべての道はローマに通ず」という言葉の通り、全てのデザインは通用します。現在UI、UX、GUI、Product、Web、Appなど、デザインはとても細かい分野として分けられました。目的と環境により専門性が求められ、細分化されたためです。

しかし、このようなデザインの分類はユーザーにメッセージを効果的で明確に伝えるための環境の変化であり、デザインの本質が分けられた訳ではありません。デザイン分野によって伝える方法や媒体が違っても、概念や論理が異なったり、通じないことはありません。すべては積集合です。


デザインはメッセージを伝えること

デザインでの環境は大きくオンラインとオフラインで分けられます。従って環境に対しての理解が必要なだけです。昔も今もデザインの根本的意味は「メッセージを伝えること」であります。


伝達環境によって伝え方も変わる

伝達環境は媒体を指します。オンラインとオフライン、Webとモバイル、プリントアウトとスクリーン、物理的な製品とオンラインサービス。いろんな環境によってメッセージの伝え方を変えなくてはいけません。

オフラインでは五感を活用できるため、体験、試食、視聴、試香などいろんな方法の活用ができます。オンラインは視覚と聴覚しか活用できないので、主にスクリーン基盤の媒体が多いです。そのため、オフラインはBXの概念がオンラインはUIUXの概念が一般的になりました。


環境の理解はデザインではない

データを使った分析や色んな方法論が新しくでき、それによってデザインの環境も細分化されました。つまり、メッセージをより明確に伝える方法ができたという意味です。

しかし、デザインの根本的意味はメッセージを伝えることであります。環境に対しての理解や専門性はデザイナーに欠かせない知識ではありますが、それをデザインと勘違いする場合があります。環境の理解に囚われてしまい、デザインの本質を見逃してはいけないのです。


環境の理解をデザインと勘違いする場合

サービスを一つ作ると仮定しましょう。一般的なプロセスはBX(Brand Experience)デザイナーがロゴやビジュアルを作ったら、それを活用してUXデザイナーがWebやモバイルプラットフォームのデザインを製作します。広告する時は、オフラインでのポスターや印刷物はBXデザイナーが、Web広告バナーはUXデザイナーが製作します。

しかし、BXデザイナーに簡単なWebデザインを依頼したり、UXデザイナーに印刷物のデザインを依頼すると、本人たちの担当じゃないと依頼を断ります。デザイン組織の構造上、当然なことです。

しかし、これをより適切な伝え方でデザインを製作するためだと思う場合と、BXとUXは違う分野だからと思うことには大きな差があります。前者の場合はデザイナーとしての伸び代があって、後者はデザイナーとして成長するには限界があります。

このような現象はBXデザイナーはオフラインデザイナー、UXデザイナーはオンラインデザイナーという固定観念が原因です。デザインで伝えたいメッセージはオンラインとオフラインの区別がありません。より効率的に伝えられる環境があるだけです。BXやUXなどデザインの分類に関する知識は学習で学べますが、メッセージを伝えるというデザインの根本的なマインドや理解は自分で気づく前には学べません。デザイナーはメッセージをデザインの分類に縛れずに伝えられる時に成長します。


つまり求める価値は一緒

全てのデザインはメッセージを伝えることに意味があります。そのため、全てのデザインが求める、求められる価値は一緒です。環境や分野に関する理解はメッセージを伝えるための過程の理解で、デザイナーの強みがそれになってはいけないのです。デザイナーが成長するためには狭い考えにとらわれてはいけないからです。

BX、UIUX、GUIなどに囚われてしまうとデザインの視野が狭くなります。視野が狭くなると、デザイナーとして成長するのに限界があります。デザイナーが成長するためには、一部ではなく全体を見るべきです。


だから囚われないことにした

私は主にWebデザインを製作していますが、最近は色んな分野のデザインにチャレンジしています。どんな依頼が来ても「自分の担当分野じゃないので」と断ることはないようにしています。そのため、プロダクト、印刷物、キャラクターなど色んなデザインにチャレンジできました。

初めて製作したポスター
初めて製作したキャラクター
初めて製作したアプリ
初めて製作したサポートページ

色んな分野のデザインを経験して気付いたことはデザイン知識は通用できるということと、自分の担当分野ではないからこそ学べることがあるということです。私にそれができるかなという不安も、どうやって伝えるかに重点を置いて考えると意外と細かい知識はそんなに大した問題ではなかったです。

最初の質問に戻ってあなたはどんなデザイナーですかと聞かれると、これからはこう答えようと思っています。
「Webをメインで色んなデザインにチャレンジしているデザイナーです。」


この記事が参加している募集

仕事について話そう

仕事のコツ

with 日本経済新聞

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?