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【エフゴマグ】の道行「轆轤と星のまわり方」(読み切り)

こんにちは。柴田鑑三です。

このnoteを購読されている方はもうご存知の方ばかりと思いますが、上出長右衛門窯で轆轤(ろくろ)や原形制作などの成形業務を主に担当しています。今回は先日発売されたエフゴマグの道行について僕柴田がお送りしたいと思います。既に忘れてしまっていることも多く、簡単な内容になりますが、どうぞ宜しくお願いします。

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エフゴマグ 湯浴/上出長右衛門窯
口が窄まった形のマグカップです。一見シンプルですが、高台裏には湯浴(ゆあみ)をする日本髪の女性を描いています。マグを口に運ぶと艶っぽい絵が相手側に見えるようになっています。
リアルやオンライン、「会う」ことの価値や意味が変わったこの時代をポジティブに捉えた誰かに見せたくなるデザイン。「エフゴ(餌畚・餌袋)」とは江戸時代の鷹匠が使うエサを入れて持ち歩いた袋のことで、これに似た形の茶道具の名称としても知られています。
http://www.choemonshop.com/choemon/f501.html

僕が長右衛門窯に入社して5年目になります。これまでちょうえもん招猫、桃染の雛、お茶碗武者、干支水滴フルーツ皿(百果刻文皿)などの原形を作って来ましたが、彫刻科出身ということもあり、入社するまでは食器について触れることがあまりありませんでした。食器屋さんに生まれた上出(惠悟)に比べるとまだまだ知らないことも多く、勉強不足を感じています。長右衛門窯に入るまでは轆轤(ろくろ)に触ったこともありませんでしたが、この5年の間にある程度はできるようになりました。湯呑や五寸平皿など定番品の製作は普段から行っていますが、実は轆轤による新作作りは今回のエフゴマグが初めてのことでした。

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上出長右衛門窯の道行

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現在進行中の新作開発の紆余曲折するストーリーを、テキスト、写真でお伝えしています。旅は道連れ世は情け。これまで秘密にしていた新作とそのアイ…

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