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私がチョコっと学んだこと~note5日目~

つい先日、株式会社明治主催のチョコレート検定中級に合格した。この検定を受けようとしたきっかけは、『TOEICの抽選に漏れたから。』なんていう不純極まりない動機であったが、それでも、いつか機会があれば受けたいと思っていたから、ある意味絶好の機会だったのかもしれないと思う。そしてチョコレート検定を受ける中で分かったことは、私の中ではあまりに意外なことだった。

今思えば、チョコレート検定なんて相当マニアックな人が受ける検定だなとも思うが、実は私は相当なチョコレートオタクである。プロフィールにもチョコレート研究をしていると記載している通り、私はチョコレートが大好きで毎日欠かさず、食べている。高校生の頃は、毎日のようにコンビニに行っては、チョコレートの新作をチェックして、義務のように何かしらチョコレートを手に取ってレジに向かうというのが日課であった。事実、当時のお小遣いのほとんどがチョコレートに代わっていた。『今考えるとチョコレートのおばけにでもとりつかれていた。』そう信じたほうが、よっぽど説明がつくと言えるほどまでに、チョコレートに執着していた時期があった。

大学に入ってから、毎日コンビニに通いつめなくはなったものの、未だにチョコレートは毎日食べているし、1年365日の中で最も好きな行事はバレンタインである。都内の催事に行っては、期間限定で来日するチョコレートを買い漁っていた。だから、周りも私のことをチョコレート好きとして認めているし、実際にチョコレート検定の本も友人からの誕生日プレゼントで頂いた本を教材に勉強していた。自他共に認めるチョコレート好きだと信じていた。

しかし、チョコレート検定を勉強する中で気が付いたことは、『私、そこまでチョコレート好きじゃない。』というなんとも受け入れがたい事実であった。最初は、まさか!と思った。どれだけ、チョコレート検定の勉強がはかどらなくても、『そっか、今日は疲れているんだ。』そんな風に自分に言い聞かせていた。しかし、段々と嫌な予感は確信に変わった。

『私はチョコレートがそんなに好きじゃない。』

認めたくなかった。他の人からしたらどうでもいいことかもしれないが、これと特出した趣味がない私が唯一好きであるものがチョコレートだった。チョコレートならずっと飽きずにいられると思ったし、そのための勉強なら頑張れるのではないかとも考えていたし、製菓会社の職に就こうとまでも考えていたのだ。そんなはずはない。絶対に違う。

それでも私はやっぱり、『チョコレートを勉強するほど好きではなかった。』そう、私はただのチョコレートのファンだった。食べることは今も変わらず、大好きだ。チョコレートは美味しいし、チョコレート以上に美味し食べ物を私は知らない。それでも、私にとってチョコレートは"おいし食べ物"以上の何物でもないと思い知らされた。私はチョコレートの産地にも、作り方の工程にも、国ごとに有名なチョコレートの店舗もさほどの興味は湧かなかった。美味しければ、それが全てだった。

就職活動をしていて食品業界を見ていたはじめの頃、『好き、という気持ちだけでは仕事は務まらない。』と言われたことがある。『こんなに好きなのに、好きな気持ちをそんなに否定的にとらえなくてもいいじゃんか。』その時は確かにそう思ったのだが、今思い返すと、『なるほど、好きだけでは仕事にはできない。』と思った。私はチョコレートが大好きではあるが、そのために学び続けたいとは思えなかった。ショックではあったが、同時にこう思ったのだ。『今のタイミングで、気が付けて良かった』と。

今回のチョコレート検定事件を通じて私が学んだことは、『想像する大切さ』であると言えると思う。私は、チョコレートが好きというだけでチョコレートに関わる仕事に就きたいと考えていたが、実際にチョコレートに関与する仕事をするとはどういうことであるか、自分の想像力が欠如していたことを痛感した。これは、何もチョコレートに限った話ではない。これから先、私は仕事をする上で、必ず『好き』だけでは”乗り越えられないこと”、そして『やりたい』ことを実現する中でやらなくてはいけない”やりたくないこと”、つまり『やりたい』だけでは乗り越えられないことが出てくるだろう。その時に大事なことは、今のうちから如何に、それらのイメージを持っておくかということなんだと思う。出会ってから嫌だとわかるより、出会う前であれば避けられるし、出会うにしても覚悟を持てていれば、難易度は変わってくる。だから今のうちにできるだけ『具体的にイメージを持つこと』、そしてやったことはないことを『イメージしようとすること』が大事なのだと学ぶことができた。

そんな大事なことを学ばせてくれたチョコレートはやっぱり、偉大である。今日もチョコレートを口に頬張りながら、そう思った。

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