見出し画像

同志募集~note9日目~

『お店で出会う店員さんを笑顔にすること』

これが私の日課である。お店はなんでもいい。スーパーやコンビニ、飲食店でもどこでも、その日に出会う初対面の店員さんを笑顔にするのだ。それも別に特別なことをする訳ではない。ただ普通に物を買う、食べ物を食べる、その一連の動作の中で店員さんを笑顔にして店を出るのだ。

そもそも、なんでこんなことを始めたのか。それは、大学1年生の時に経験したコンビニバイトが大きく影響している。

コンビニは私の人生初のバイト先であった。一般にコンビニのバイトは難しいと言われていたけれど、私の周りの友人の中にはなぜかコンビニバイトをしている友人が多くて、そのせいか私にとってはコンビニでバイトを始める方が他のバイトを始めるよりもハードルが低かった。

コンビニでのバイトは意外なほど学びが多かった印象がある。それはイメージ通りに、覚える事が多かったという理由も確かにある。宅急便の配送業務や公共料金の支払い、揚げ物の揚げる時間など、慣れるまでには3か月丸々かかった。しかし、それ以上に何よりコンビニバイトの学びは、人の『素』を観察できる事だった。

コンビニは日本全国至る所にあって、大体駅の周りに少なくても1つ、多いときは10m歩けばまたある!なんて思うほど身近な存在である。皆さんはコンビニに入る時、何を考えて入るだろうか?その日の昼食か?公共料金を払い忘れないことか?

『少なくとも、自分がどうみられるかを気にしてコンビニに入店する人は滅多にいない』というのが私の持論である。高級なレストランでもなければ、行きつけのカフェでもない、所詮ただの『コンビニ』なのだ。お客さんの意識は大抵、コンビニでの用事を忘れることなく実行することか、早く出ること、出てからすることに向いている。だからこそ、人の素を良く観察することが出来たのだ。そしてその中で私が衝撃を受けたことは、あまりに『店員を対等に見てくれる人が少ない』という事実であった。

話しかけても目が合わない。お客さんが落としたものを拾っても、当然のようにお礼を言わない。作業を急かされる。舌打ちされる。ポイントカードを投げられる。お箸の本数など質問をしても、平然と無視される。

もちろん、全員が全員そうだった訳じゃない。しかし、決して数少ない事例を挙げた訳でもない。これが本当に現実だった。私は半年間働いて、声を大にして言いたかった。『私も人間です』と。働いているうちに、自分を自動レジのロボット人間だと感じるようになった。段々と心が麻痺していった感覚を良く覚えている。

サービスを提供している側なんだから、そんなことを言う権利はない。そう思った方もいらっしゃるかもしれない。確かに『お客様至上主義』をとってきた日本であれば、そういう考え方もできるのかもしれない。しかし、お客様は本当にそんなに偉いのか?お客様への最高のサービスは、店員とお客様が対等な関係性の中では実現できないことなのか?そう思ったのである。

別に、消費者の行動に正解があるわけではない。どちらが良い、悪いでもないのかもしれない。しかし、私が消費者になったときにどういう行動をとりたいかは、コンビニを辞めるときに決めていた。『お客様への最高のサービスは、店員とお客様が対等な関係性の中でも実現できる。』これを証明したいと思った。そのために、まず根本として消費者としての自分の行動を意識的に変える必要性があると感じた。

だから、私は『お店で出会う店員さんを笑顔にすること』に取り組み始めた。本当に特別なことはしない。『ただ、相手の目を見て、相手の店員さんとして気配りに対して、そのお礼をきちんと伝える。』ただそれだけである。

本当にただそれだけではあるけれど、店員さんの表情が前のお客さんと接して居た時とはまるで違くなる。営業スマイルではなく、本当の笑顔を向けてくれるし、営業の『ありがとうございます』ではなく、自分の言葉でもう一度『ありがとう』と言い直してくれたりもする。正直、嬉しい。この日課を続けている理由として、感情的な部分の理由が大きいのも事実である。

この取り組みを始めてから分かったことは、スタッフと顧客、立場は違えど同じ人間であり、買い物や外食での一連のやり取りは人間同士のコミュニケーションだということだ。だからこそ、お客さんとしての自分の振る舞いは、お店側の店員さんにも大きく影響する。店員さんのお客様への最高のサービスを造っていくのは、私たち、消費者自身なのではないか。そう強く実感した。

私は、これからもこの日課を毎日継続していくつもりである。そして継続する中で願わくば、同じように『お店で出会う店員さんを笑顔にすること』を日課にしてくれる同志の方が増えてほしいと思っている。その方が幸せな店員さんも増えるし、また、消費者である私達もお客さんとして受けるサービスの質が上がると信じている。そしていつの日か、店員さんとお客さんが対等な関係の社会を日本で実現できればいいなと心から思う。だから今日このnoteの場を借りて、私は自分の日課を紹介させてもらった。

少しでも共感してくれる方がいらっしゃるなら、私は自分の年も忘れて飛びはねて喜ぶほど、幸せな気分になれると思う。

皆さんも『お店で出会う店員さんを笑顔にするプロジェクト』始めてみませんか?

この記事が参加している募集

スキしてみて

習慣にしていること

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?