結構使える!プログラム学習の理論。
プログラム学習って知っていますか?
プログラム学習とは、アメリカの心理学者、バラス・フレデリック・スキナーによって開発された学習法のことです。
スキナーは、「オペラント条件付け」で有名で、動物の調教に使われていますが、これを、人間の教育に応用したものがプログラム学習です。
プログラム学習では、5つの原理があります。
1:スモール・ステップの原理
学習ステップを細かく設定し、ゆるやかに難易度が上がっていく教材をこなしていくことで、最終目標を達成できるようにします。
学習者の負担を減らし、「できた!」という成功体験を重ねることで、学習への意欲を高めることができます。
2:即時確認(フィードバック)の原理
学習者が問題を解いたら、すぐに正誤を判定します。
即座にフィードバックを行うことで、行動が強化・維持されやすくなります。
3:学習者の積極的反応の原理
プログラム学習においては、常に学習者の積極性が求められます。
必ず何らかの問題や質問が提示され、学習者が解答をすることで、次の単元に進めるのです。
4:学習者の自己ペースの原理
プログラム学習では、学習者それぞれに合ったペースで学習を進めることを重視しています。
それぞれの学習進度に適した進度で学習を進めます。
5:学習者検証の原理
プログラム学習において、学習教材の良し悪しを決めるのは、教材の作成者ではなく学習者自身です。
これも、公認心理師の国家試験にでてきたのですが、日々の学校での指導を振り返ってみると、今でも、十分にその理論は通用すると感じました。
できることから取り入れてみませんか。
私は、支援学級の担任なので、自分で教材を作ったりペースを決められるため、すぐに活用できますが、通常の学級でも、この考え方は有効だと思います。
1のスモールステップの原則では、授業を前時の復習から入り、思い出してきたところで少しずつ進めていくとかはどうでしょう。
2の即時フィードバックでは、ノートチェックやプリントチェックを溜めてからするのではく、できるだけ早く(出来たらその日中にチェックして返却する)するだけでも、内容の定着が促進されるのではないかと思います。
3は、何かの研修で聞いたことがあるのですが、最後に「振り返り」を書くことが多いけど、そこに、ミニテストも入れたらどうかということです。インプットの最後に少しでもアウトプットって結構負荷がありますけど、記憶の定着にはすごく効果があると思います。記憶もエビングハウスの忘却曲線で、最初と最後に聞いたことがよく覚えられるっていうのがあり、授業の最後にクイズでアウトプットしながらもう1回思い出すっていいのではないかなと思います。今は、タブレットとかで、事前に問題を作っておいて、最後にパッと配布してやってもらい、自己採点できるようにしておくといいのかなと思います。
4,5は通常の学級ではちょっとやりにくいところもあるかもしれませんが、1,2,3だけでも、結構効果があるのではないかと思います。
2学期に少し意識して取り入れていきたいと思っています。