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【雑感】"未経験中途が使えない”問題に終止符を打ちたい話

どうも、外資系うさぎのちょこさんです。

定期的に質問箱が賑わうトピックに「未経験からコンサル転職するのですがうまくやっていけるか心配です」、「同じ案件にいる未経験中途が使えません…」って系統のやつ、ありますよね。

こういうのを目にすると、入る側に対しても受け入れる側に対しても、ちょこさんは「なんで未経験がいきなり現場で活躍できる前提で考えてんの?」って思っちゃうわけですよ。
要は期待値調整を根本的なところから失敗してる、ってお話ですね。

いいですか、未知の世界にチャレンジしていきなり大活躍できるのはなろう系小説の世界だけです。
みんなもっと現実を見ましょう。

じゃあ未経験中途は採用する側も入社する側もメリットがないの?っていうとそんなことは全くなく、最初はコンサルとしてのパフォーマンスが低いのはもう当たり前のこととして、じゃあそれ以外のところでどうやってバリューを出していくかって視点を持てれば意外と活躍できたりするんですよね。

でも、そこに気づかないとなかなか茨の道を歩むことになります。
特に高いタイトルで入ればその分だけ高い期待値で見られてしまうので、高いタイトルで入るのであればこの手の生存戦略を理解してうまく立ち回るのがもうマストです。

あ、そうそう、ちょこさん、フォロワッサン各位には今更だと思いますが、コンサルになりたかったらできるだけ早いうちに低いタイトルから入れ、というスタンスを強く持っています。

そのあたりも踏まえてこの後の解説を読んでいっていただければと思います。





というわけで、今回は
・いきなり活躍できる未経験中途はいない(ただし伝説の超サイヤ人みたいなのはたまに本当にいる)
・未経験中途本人もその周囲も、「未経験のキャッチアップをサポートする」
という、ちゃんと論点を分解すると当たり前体操すぎてびっくりするレベルのお話です。

一人前のコンサル各位は自分がまだうまく立ち上がれてなかった頃の姿をイメージしながら読むとよいんじゃないでしょうか。


さて、本編入る前にいつものコピペです。
この記事も有料設定していますが、全文無料で読むことができます。もしいいねと思っていただけた場合は、ちょこさんの大好物のおいしいチョコレートを一粒調達するための費用としてカンパいただけると大変うれしいです。

では、本編をどうぞ。


あ、やっぱその前に今回のキースライドだけ先にぺたりとしておきますね。
先にこのスライドの雰囲気を頭に入れてから本編読むとより良いかと思います。

では改めて、本編どうぞ!

◆なんで"未経験中途が使えない"問題がよく話題になるの?

これ、本当にいろんなところで話題になってますよね。
何で?って思ったことありますよね。
何ででしょうか。

きっと理由はいくつかあるはずですが、ひとつ確実な理由を挙げるとしたら、既に一人前の戦力となることが期待されてしまうタイトルで入って来ざるをえないから、だと思います。
言い換えると、パフォーマンスの期待値と実力が見合っていない状態で入社するから、ということですね。

これがアナリストやコンサルタントといったスタッフの中でもジュニアなタイトルのうちはまだそのギャップが目立たないのですが、これがシニアコンサルタントやマネージャとなってくると話が一気に変わってくるんですよね。

コンサルの各位、いままで見聞きした"未経験中途が使えない"問題ってシニコンかマネージャについての話が中心だったんじゃないでしょうか。

例えばアナリストくらいだとファーム側としてもまだまだ育成枠としての扱いだったり、作業品質も上につくシニコンやマネージャがしっかり担保するって前提のアサインだったりするんですよね。

これがシニコン以上だといきなり品質を担保する側のロールからスタート、になっちゃいますからね。

そりゃ最初は期待値に届かなくて当然です。


◆じゃあなんでそんな状態で中途採用するのよって疑問

ここでひとつ浮かんでくる当然の疑問がありますよね。
「なんでわざわざそんな状態で採用するのよ…」と。
そして「未経験は全員アナリストからスタートでいいじゃん」とも。

まぁ、そう思いますよね。
でも世の中そうは行かないもんなんです。

コンサルファームに転職してくるのは大手事業会社やSIer出身の方が多いので、一定以上経験を積んだ社会人をアナリストとして採用するとしたら給与テーブルが合わないですし、今どこのファームでも足りないのはシニコン、マネージャクラスの即戦力なので、低いタイトルで取ってじっくり育てるというよりも、活躍できそうな余地があれば高いタイトルで入ってもらいたい、というのがファーム側の思惑だったりもします。

そして、高いタイトルのコンサルタントの方がクライアントから頂けるフィーも高くなるので、売上という面からもアナリストが大量にいてもどうしようもないってのもあるんですよね。

で、ここからが本題で、未経験というか中途採用者には中途採用者なりにファームから期待されていることもあるというのは忘れていはいけないポイントです
なので、ここをしっかり見極めていきましょう、ってのが今回のテーマになりますね。


◆中途採用者は自分の武器は何かを理解できてるかがカギ

ファームが中途採用社に期待していること、なんだと思いますか?
例えば、一刻も早く成長してプロパーコンサルと同じレベルのスキルを身につけること?

それはそれでそうなのですが、たとえスタッフクラスでもコンサルとして数年やってきたプロパー組に中途組がコンサルスキルそのもので太刀打ちできるようになるにはかなり時間が必要です。

ちょっとここでゲーム的に考えてみましょう。
まずひとつの例えとして、コンサルというお仕事はRPGでいうところの戦士系の職業だとしましょう。
そう、ロジカルさで真正面からぶん殴るような職業です。
プロパーコンサルなんか純粋培養の戦士ですね。
アタッカーもタンクもきっとバッチリです。
え、ローグとかバーサーカーじゃないの?って各位、気持ちはわかりますが一旦戦士系ってことにしておいてください。

次に、事業会社から魔法使いがこの戦士の職場に転職してきたとしましょう。
まさに未経験中途ですね。
そしてこの未経験中途の魔法使いが戦士の横でいきなり打撃で前線に出ようとしたらどうなるか。
結果は火を見るよりも明らかです。

戦士の世界に転職してきた以上、ゆくゆくは魔法使いも打撃を極める必要があるものの、最初の戦い方として打撃は得策ではないですよね。
じゃあなにをするか。
そう、魔法をぶっ放せば良いんですよ。
バフやデバフをかけまくるのも良いですね。

考えてみてください、戦士の集団に打撃はまだイマイチだけど魔法が使えるアタッカーが混じってたらそのパーティはなかなか強いと思いませんか?


ちなみに、ちょこさんみたいにジョブチェンジを繰り返した末にこの世界に流れ着いたようなコンサルは、全部中途半端だけど打撃も攻撃魔法も回復魔法も全部そこそこ行けます、ってタイプが多いように思います。

もしかしたら逆にそういうタイプじゃないと生き残れないだけなのかもしれないですけども。

- じゃあ具体的にどうするのよ、という話

未経験中途の各位はコンサルになったんだから打撃極めなきゃ!って焦るのもいいのですが、プロパーコンサルにはできないけど特定の業種・職種出身の自分ならできること、そういうのを見つけて、どうやってデリバリーの現場でそれを活かしていくか、を考えましょう。

事業会社出身社は自分の出身業界向けのインダストリーユニットに業務コンサルとして入るケースが多いと思いますけど、クライアントが抱える課題を自分の実体験をベースに理解することができるとか、クライアントの実務の現場に入り込んで強力な関係性を構築するとか、実務経験をベースにした立ち回り、実はものすごく有効だったりするんですよ。

それから、特定の業界特有のコミュニケーションのしきたりを理解したうえでプロジェクトを進めることができるとか、事業会社の管理職経験者(=未経験中途マネージャのパターン)であれば、チームマネジメントの経験が実は豊富にあるとか、そういうのも活かしやすい強みだったりしますね。

自分ができることに意外と意識を向けるのが難しかったりしますけど、自分がどういう武器を持っているのか考えてみると意外なところに活路が見えてくるものです。

プロパーコンサルがどうしても得られないもの、それは実体験としての事業会社での実務経験ですからね。

ディレクターとかパートナークラスにもなるとそういうのなくてもコンサルとしての経験だけでやっていけるようになるんですが、さすがにスタッフクラス~マネージャなりたてくらいのコンサルはそういうところまだまだ弱いです。

そういうところで、プロパー組と未経験組がお互いの強みを重ね合わせたデリバリーができるととても良い感じのバリューが出るというか、そういう動き方できないとわざわざ高いタイトル/お給料で未経験者を採用するメリットなんて皆無だったりします。


◆今日からできる心構え

これからコンサル転職にチャレンジしようとしてる各位、未経験から転職したはいいけどなんだかうまくいかなくて悩んでしまってる各位。

- 今日からできることその1

コンサルスキルゼロで入る以上、先輩同僚と比べて仕事できなくて当たり前、下手すると新卒2年目スタッフとかの方が仕事できるとかもあるのでそういうのはもう仕方ないとして受け入れる。

- 今日からできることその2

足りないコンサルスキルは急いで伸ばすのは大前提として、現職/前職での経験からコンサルプロジェクトのデリバリーに活かせるスキルを見出し、それらをもってバリューを出すスタイルを徹底する。

これをもう徹底しましょう。


◆未経験者を受け入れる側の心構えも大事

そして、未経験者を受け入れる側も、「未経験中途使えないんだけど!?」なんて当たり前体操すぎることをいちいち得意げに宣ってないで、
・"コンサル未経験"ではなく"事業会社経験者"として独自のバリューを出してもらうことができないか
・その独自のバリューを出してもらってる間に、どうやってコンサルスキルを叩き込むか

を考えてください。

これ意外と忘れがちな観点ですけど、"使えない未経験コンサル"を"事業会社の知見も備えたそこそこ使えるコンサル"に育て上げるのも我々の仕事ですからね。

ただ、叩き上げシニコンvs未経験マネージャみたいな組み合わせが発生してしまうとお互いかなりやりづらかったり双方不満が溜まったりとあまり良いことがないのですが、お仕事である以上こういう組み合わせはどうしても避けられないものなんですよね。

そういう場合は、周囲のベテラン同僚や、更に上のシニマネ/ディレクタークラスもうまく活用して、チーム全体として適材適所をしつつ、双方の成長機会を無駄に潰してしまわないように細心の注意を払うようにしましょう。

当事者同士でコミュニケーションが閉じてしまうと良くないので、周囲がしっかりサポートすることが大切です。

コンサルはチーム戦ですからね。
みんなで替えの効く有能を目指していきましょう。


◆オススメの1冊

本文が思ったよりボリューミーになってしまったのでここから先は軽めに行きます。


さっき書いたように、経験の長い部下と未経験上司の組み合わせ、結構あるあるです。
そういうときは、「もういっそ自分が上司をリードしてやる」くらいの気概をもって自分の実績の積み増しの全力を注ぐってやり方が一番健全かもしれません。

そんなときには、上司をうまく動かすスキルが大切です。
色んな方面から「動けない上司が悪いんじゃないの?」って言葉も聞こえて来そうですが、そんなことを言っていても1ミリもバリューは生まれないですからね。
一旦現実は受け入れて、じゃあどうやってチームとしてバリューを出していくかって考えた方が5,000兆倍は有益ですからね。

前向きに生きていればいつかきっと良いことがありますよ。
具体的にはプロモーションに近づきます。
上司がまだうまく動けない分、自分が裁量を持って動くことができそうなボーナスステージみたいなものですからね。
チャンスですよ!チャンス!


というわけで、"未経験中途が使えない"問題にまつわるアレコレなnoteでした!
これも意外と知られてないことですが、誰しも最初は未経験からスタートですからね。
誰一人例外なくみんなその未経験の状態から成長してきたんだってのは忘れちゃいけませんよ。


ではまた次回!
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