今日からコンサルタントになった君たちへ
どうも、外資系うさぎのちょこさんです。
いよいよ今日から新年度の始まりですね。
DEKAPAIと呼ばれるファーム群を中心とした大手コンサル界隈の募集要項などを見ている限り、今年も1,000人を超える新卒採用者が"大手ファーム所属のコンサルタント"としてキャリアをスタートさせることになるようです。
規模的にはだいたいメガバンク3社の新卒採用数と同程度でしょうか。
大手総コン以外にもコンサルファームはたくさんあるので、総勢で言うと2,000人とか3,000人とかになるんでしょうね、きっと。
ものすごい数です。
ちょこさんは去年のいつ頃かまでは某大手グローバル系ファームのシニアマネージャ職として日々の提案やデリバリーに勤しんでおり、今は某日系ブティックファームの経営層メンバーとして、これまでとは一味も二味も違う壁を日々乗り越え続けるというなかなか楽しい生活を送っています。
コンサル業界、いままさにワークスやバリューの出し方など価値観の変遷真っ只中にあり、これまで以上に変化への柔軟な対応が求められる時代になってきています。
そんな時代にこのコンサル業界に身を投じる決意をした各位へ向けた、ちょこさんなりの応援のメッセージ的なものでも書いていこうと思います。
万人におすすめするような無難な仕事ではないですが、うまく折り合い付けてやっていければ、意外と生きていきやすい世界だったりもしますからね。
せっかくこの世界に来たんですから、体を壊さない範囲で、やれるだけのことはやってみましょう。
きっとその方が楽しいですよ。
◆武器を持たない新人が出来る差別化はマインドセットから
一昔前の超絶理不尽極まりないような超ハードワークとそれに耐える根性…なんてのはさすがにもう古いですが、いくらホワイト化が進んでいるとはいえプロフェッショナルと呼ばれるこの仕事、やっぱり一定以上の高いマインドセットは必要です。
- 考え続けること、が成長の第一歩と心得よう
最初からプロジェクトの現場で通用するレベルのスキルや知識を持っていない新人にできることは、可能な限り高速にPDCAを回して経験値効率を最大化し、1日でも早く戦力として認められるパフォーマンスを出せるようにすること、もう本当にこれだけです。
世の中、特にSNSの世界では日々様々なHow Toや覚えておくべきビジネススキル〇選、みたいなのが飛び交っていますが、そういうのも大事なことですけど、How ToやビジネススキルはあくまでHowの話に過ぎないです。
あ、Howの話をすんな、って言いたいわけではないのでそのあたりは誤解のなきよう。
そして、根本的なところとして「高速にPDCAを回して良い経験値を大量に稼ぐには何をすべきか」という大きな論点をまず常に頭におくようにし、その一環としてフレームワークや特定のスキルにフォーカスする、という心がけを忘れないように生きていきましょう。
お、「じゃあその良い経験値とやらはどういうもの?」と疑問が湧いた各位、いいですね、成長に繋がる新しい論点に気づくことができました。
その場しのぎの付け焼き刃ではなく、真に自分の力になる経験は何か、ぜひこのnoteを読みながら考えてみてください。
我々の仕事、最初にやるべきことは「とにかく考え続けること」です。
実践あれ。
誰が言ったか定かではないようですが、思考は言葉に、言葉は行動に、行動は習慣に、習慣は正確に、性格は運命になる、という格言もあります。
本当に毎日の思考の積み重ねってバカにできないですからね。
質に辿りつくにはまずは量をこなす必要があります。
この量のこなし方にもコツはあるので、新卒入社であれば最初はメンター的な先輩社員が担当についてくれるはずですので、早めにメンターの方に「経験値に繋がる考え方のコツ」を聞いてみるとかしてください。
せっかくなので、効率よく成長していきましょう。
- 自信も不安も、適度にバランスよく付き合っていこう
最初から意識高めの概念的な話になってしまいましたので、ここからはもうちょっとしみじみ感のある話でもしていきましょうか。
これを読んでいる各位の大半は新卒コンサルタントとして社会に放たれる方々かと思います。
採用数的に、大手と呼ばれるファームの方がきっと中心でしょう。
採用の間口が広がり入社のハードルが下がった、とはよく言われますし、それはもう事実としてそうだとしても、でも大手ファームに入社できるって相当なことですからね。
そこはこれまでの頑張りを誇っていいところだと思います。
周囲の上司先輩、クライアントもなんだかすごい奴らに見えると思いますけど、自分だって十分すごい、それくらいは思っていてもバチは当たりません。
とはいえ、ちょっと前までは若手ベテラン問わず毎日日付が変わるころまで働くのが普通だったり、超有名大卒や超有名企業出身者が当たり前のようにそこらへんにいたり、新卒でも人月200万300万400万の超高コストのプロとしてクライアントから見られたり、となんだかんだ心理的なプレッシャーも引き続き多い世界ではあります
加えて、最初は「何もできないド新人である自分」という事実とも正面から向き合わないといけないですからね。
そりゃ不安ってもんですよ。
でもそれはどうしようもないことです。
なので、大事なのはその不安を受け入れてうまく付き合っていくこと、になります。
コンサルタントという仕事を続ける限り、まず新卒の壁を乗り越えて一人前のスタッフになったとしても、次はシニアスタッフの壁、マネージャの壁、シニアマネージャの壁、パートナーの壁、と次々と目の前に新しい壁が現れて、そのたびにその壁の高さに目の前が真っ暗になり、現実を受け入れ、乗り越え方を考えるというサイクルからは逃れられません。
だったら、それをもう当たり前にそばにあるものとして受け入れて、どううまく付き合っていくかを考えるって方に頭を切り替えた方が健全ですからね。
自分の力では変えられないもののために悩んでる時価は勿体ないですよ。
何事も多すぎても少なすぎてもうまくいかないので、自信と不安、そのどちらも大事にしていきましょう。
- 上司は味方、大丈夫、怖くないよ
もうひとつ同じような話になりますが、あなたがよほどヤバい奴じゃない限りは上司は基本的にあなたの味方です。
ここで言う「よほどヤバい」とは、アサインを拒否するとか、作業指示を全く守らないとか、リモートワークなのにチャットがいつもオフラインとか、そういうレベルなので、普通に頑張ろうとしている皆さんは問題ないはずです。
自社の若手を育て一人前にし、その次の代の若手を育ててもらい…という人材開発のサイクルを回していくことも上司の重要な役割のひとつです。
特にコンサル業界においては、若手育成の場が基本的にプロジェクトの現場でのOJTや実戦しかないので、上司の育成力がものすごく問われます。
かつでほどUp or Outの風潮もなくなり、多少パフォーマンスが悪くとも真面目に頑張ろうとしている若手はしっかり育てる、スタイルのファームが増えてきています。
もしかしたらここ10年くらいで一番変わったのは「多少パフォーマンスが悪いくらいのスタッフへの対応」なんじゃないかって思うくらいです。
最初からハイパフォーマーなコンサルタントなんてなかなかいないので、高い成長意欲と主体性は忘れずに持ちつつ、上司や先輩の力を借りて成長速度を更に高める、くらいの意識でいましょう。
そういうスタンスを持てている限り、上司はあなたの味方です。
- 「できるかな?」じゃなくて「やるんだよ」、そしてときには「なんとかなれーッ!!」
SNS上でよくみかける画像ですね。
これは別に無理難題をやれということではなくて、当たり前にできるようなことであれば、わざわざ高いお金を払ってコンサルに仕事を発注しないよね、って話なんですよね。
できるかどうかわからないことを、少しでも成功確率を高めて「やりきる」ために、ロジカルシンキングやフレームワークなどのビジネススキルというものが存在します。
つまり、そういったビジネススキルを駆使して、クライアントが自力でやるのが困難なプロジェクトを確実に成功させること、が我々の仕事です。
このnoteでは具体的なスキルの解説などは割愛しますが、本や解説記事などで知識の補強は図りつつ、実際のプロジェクトの場で、上司や先輩の振る舞いを直接見つつ、「こういうシチュエーションではこういう考え方をするといいのか」と実体験しながら学ぶようにしてくださいね。
そうそう、この時期になると、背景やストーリーをガン無視して「このショートカットやフレームワークを覚えれば仕事ができるとみなされます!」みたなことを宣う怪しいSNSアカウントがどこからともなく出現しますが、それを真に受けて単なる「フレームワークバカ」(by高松さん)になってしまわないようには十分注意が必要です。
そしてもうひとつ、「ここまで準備すれば確実にできるだろう」といった確証を得ようとすると時間やお金が無限に必要になります。
仮説ベースで動くときは常にある程度まで調査や準備を進めたら、100%の確証が持てなくとも進むべき方向性を決める、「スタンスを取る」という行動が必ずセットで求められます。
最初のうちは仮説やその検証が大外れで、スタンスをとってもそれが全て裏目に出た、なんてことも多くあると思います。
でもそういうのを繰り返しながら、仮説検証の精度を上げていくしかないので、どこかの段階で「なんとかなれーッ!!」と腹を括って前に進む覚悟、常に持っておきたいものですね。
自分なりの仮説をもとにスタンスを取った結果うまくいかなかったとしても、それはあなたのキャリアに傷がつくとかそういうのは全くなく、「この仮説は違ったから次の仮説を検証しよう」というPDCAのサイクルが1回周った、と捉える方が健全です。
このあたり、「失敗を恐れるあまりスタンスを取れない」なんて若手が結構いたりするように思うので、若手のうちに「誇れる失敗」をたくさんしよう、ってマインドセットを早めに習得するようにしてくださいね。
- やっぱりコミュニケーションやチャームは徹底的に意識した方がいい
そして最後に、「出来ることが少ない若手はとにかくチャームを発揮するしかない」って事実とも向き合っておきましょう。
日々の挨拶、ビジネスマナー、会議設定などのロジ回り、あと飲み会あたり。
SNSを眺めてると「昭和かよ!」みたいな反応がそれなりに見られる一方、コロナ禍なども経て「令和の時代でもそういうのって大事だよね」って発言が飛び交うことも少なくないので、おもしろいなって思っています。
一部界隈では「仕事は結果だけで評価してほしい」という言説も根強いようですが、コンサルの仕事の基礎の基礎はコミュニケーションなので、この領域でチャームを発揮しておくことのメリットは計り知れないです。
結局、どんな課題解決も、クライアントが何を思い何を考え何を目標としたを理解したうえでないと「〇〇が課題/論点である」って結論なんて出せないですからね。
コンサルのチーム内でも、大事なのは「何を言ったか」ではなく「誰が(どんな視点でどんな根拠を持って何を)言ったか」であり、コミュニケーションやチャームを軽視していると、「背景やらなにやらよく分からないけど、表面だけ見るとそれらしいことを言っているようなやつ」という扱いをされてしまいますからね。
これもスタンスの取り方と一緒で、明確な正解があるわけでもない世界では「何を言ったか」そのものには価値なんてないんです。
そのスタンスは、その意思決定は、どんな経験を持っている誰が何をもとにして言ったか、そこまで含めてようやく意味があるものになります。
コミュニケーション、本当に馬鹿にしてはいけないのと、それを大事にしたときのリターンの大きさもちゃんと理解しておきましょう。
最近はプロジェクトのキックオフや打ち上げ、部門内の定期懇親会なんかも再開されてきていると聞きます。
そういうのも面倒くさがらずに、コミュニケーションの総量を簡単に増やせるボーナスイベントだと思っておくくらいでちょうどいいと思います。
◆不安になっても変な情報に惑わされない、そして変な情報を発信する誘惑に負けない
さっき少し触れましたが、SNSには怪しい情報をばらまいたり、いたずらに不安を煽って怪しいサービスや情報商材に誘導するような怪しいアカウントがたくさんいます。
ちょこさんのnoteやTwitterも含めて「これを読めば全て解決!バリューも絶好調!」みたいな万能情報なんて世の中にはないので、そういうのを見かけたら霊感商法の一形態とでも思って、スルーできる強さを身に着けましょう。
ちなみに、これは有益な情報なのですが、スキルアップ系の情報発信をしているアカウントが怪しい輩かどうかは、TwitterであればTLを遡って、どれだけ経験の裏付けがありそうな具体的な情報発信やアドバイスをしているか、noteや質問箱などで、同様の情報を長期間継続的に発信しているか、などを見るとある程度は振り分けることが可能です。
表面的には格好良さそうなことを言っていても、よくよく注意してみると裏に何も積み重なってないペラッペラのハリボテだったりしますからね、そういうアカウントって。
ちょこさんもお悩み相談室をやっていたり、noteの有料記事を作っていたりもしますが、ご利用いただくのはちょこさんの日ごろの発言をちゃんと追って、どういうスタンスで何を発信しているのかちゃんと理解いただいている方々ばかりだと思っています。
双方向的な情報発信がとてもしやすくなったこのご時世なので、情報の発信者のスタンスや発信している情報そのものの質にも注意を払うことを忘れずに。
そしてもうひとつ、楽に小銭を稼げたり承認欲求を満たせそうだからという誘惑に負けて、自分自身がその手の怪しいアカウントになってしまわないよう、SNSに依存しすぎず社内外いろんなところで会話ができる相手やコミュニティを作って、道を踏み外してしまわないように心がける、というのも大事ですからね。
特に就活生向けに「内定指南します!」とかやっている内定者や入社1,2年目、「面接攻略法教えます!」みたいなツイートしかしない面接官以外何をしたことがあるのか全く分からない人事っぽいアカウントになってしまわないように、本当に気を付けましょう。
情報の非対称性に付け込んで学生相手にマウントを取るの、一度その味を知ってしまうときっともう元に戻れないんでしょうね…。
自信と不安をうまくコントロールしつつ、プロジェクトのアウトプットや自身の成長をもとに自分の承認欲求を満たしていく、という健全な道をあなたが方は進んでください。
もし道を踏み外しそうなくらい不安になることがあればちょこさんの質問箱を活用いただいたり、本当にヤバければ軽くDMで相談に乗るくらいはしますので、SNSとの向き合い方、どうかくれぐれもご安全に…。
◆次のキャリアを考えるのは、マネージャへの昇進が見えてから
今回のnote、書こうと思えばいろんな観点で本当に色んなことを書けてしまうので、一旦このセクションで区切りとします。
今日、コンサルティングという世界に飛び込んできたあなた方が見る未来の世界がどうなっているかはちょこさんにも分かりませんが、昔から言われている「コンサルファームに入ったならまずはマネージャを目指しておけ」ってのは今後も変わらないんじゃないかと思います。
またまたSNSの負の側面ですが、あの手この手で転職を進めてきたり、目標もなく独立することを煽ってきたり、過剰な実績アピールでマウントを取ってきたり、とったお行儀の悪いアカウントも少なくないので、そういうのに惑わされて、スキルや経験が十分でないのに軽い気持ちで安易な転職や独立を考えてしまわないようにもしましょうね。
ちょこさんも転職回数はかなり多いですが、各職場でそれなり以上のアウトプットや昇進の実績を残してきているので、「転職するな!」とまでは言いませんが、「その転職に必然性はあるのか?」という批判的観点からの自己問答だけは忘れずにしてほしいと思っています。
昨今の大手総合系ファーム、よほどのことがない限りは入社後真面目にやっていればマネージャになるくらいは行けるはずです。
その先になるとさすがに適性や実績も必要なのでそう簡単にはいかないですが、コンサル経験者という立場を活かして次のキャリアを目指そうと思った場合は、プロジェクトの立ち上げから終了までの一通りをPMとして関与した、くらいの経験は持っておきたいですからね。
もっと言えば「提案も一通りできること」が理想ですが、そこまで行くとシニマネ~ディレクタークラスくらいの経験値は必要となってくるので、やはりマネージャになってプロジェクトをいくつか回した、くらいの段階を最初のキャリア上のマイルストーンにするくらいがちょうど良いと思います。
◆さいごに
と、いう感じで、なんだかメンタルのセルフコントロールのコツと、SNS利用に関する注意喚起、みたいなnoteになってしまいましたが、世の中の新人向けアドバイス、ビジネススキルや各種テクニックに関するものの方が多そうなので、こういうテイストの応援メッセージがあってもバランス取れてよいんじゃないかとも思うんですよね。
最近のちょこさんの動向とかやってる仕事がどれくらい変わったかはまた別のnoteで書きますが、やっぱりこの仕事、非定型的なアウトプットが必要でどうしても生存バイアスに頼る部分が多くあるとは言え、良い感じにうまく長く働いていくための知恵袋的なものもあることにはありますからね。
自分ができることできないこと、得意なこと苦手なこと、自分の周囲ができることできないこと、得意なこと苦手なこと、自他両方ともよく観察しよく考え、自分がどう振る舞うことで最適な場が形成されるのか、また自分の成長に繋がるのか、そこにフォーカスして具体的な動き方を調節できるようになるとアウトプットも安定しますし、アウトプットが安定することでストレスもかなり緩和されます。
新人のうちは振られたタスクとをとにかく高速高精度で打ち返す、という千本ノックみたいな鍛えられ方も必要ではあるので、それはそれでやりつつ、自分なりの動き方をぜひ考えていってみてください。
そして、最後の最後に精神論的な〆になりますが、何事もやってみて始めて楽しさが分かる、適性が分かるものです。
ぜひ、振られたタスクは変に選り好みせず、色々試行錯誤してみてください。
それでは、よいバリューを!
◆オススメの1冊
この流れでビジネススキルやマインドセットの本を貼ってもなんだかしっくりこないので、最近話題のビジネス会食のコレ、オススメしておきます。
さすがに新人がいきなりクライアントとの会食の手配をするとかはないですが、プロジェクト内のキックオフや打ち上げの手配は若手の仕事なので、この本を片手に全力でチャームを発揮しにかかってください。
◆もし本当に困ったときは
ちょこさんの質問箱もご活用ください。
公開回答が前提なので、自分のことや所属先やクライアントに関する直接的な情報は避けつつ、できるだけ細かく今自分がおかれている状況を書いていただけると回答しやすいです。
有料機能ですが、非公開で質問&回答を済ませる機能もあるので、内容によりご利用をご検討くださいまし。
そして、初めてご質問いただく際は、お互い気持ちよくコミュニケーションを取れるよう、ぜひ下記noteもご一読ください。
まさかとは思われるかもしれませんが、ここに書いてあるNG例、本当に多いんですよ…。
では、せっかくコンサル業界に身を投じる決断をされたんですから、できるだけ楽しんで成長していきましょう。
業界の片隅から、数多いる先達の一匹として、ちょこさんもあなたのことを応援していますからね。
それでは、改めて、お互い良いバリューを!
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