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猫といふ生き物

我が家には、2匹の猫が居る。

ノルウェージャンと、スコティッシュ。少し歳の差はあるけれど、どちらも男の子だ。


ノルウェージャンは長毛で、立派な胸元の毛と、鼻筋の通ったキリッと凛々しい顔が特徴。

スコティッシュというと折れ耳のイメージだけれど、我が家は立ち耳。スコティッシュの魅力はむしろ、特徴的な丸顔と頬袋(?)だと、私個人は思っている。ほっぺたのたるみが絶妙に可愛いのだ。

同じ猫とはいえ、種類が違うと見た目も性格もまるで違う。それはそうだ。人間だって日本人同士でも、見た目も性格も人それぞれ。猫だってそれぞれ。

我が家のノルウェージャン(以下『ノル』)は、とにかく人懐っこい。

猫というと気まぐれで、呼んでも来ないイメージを持つ人も居るかも知れないが、我が家のノルはまったく違う。むしろ自分から来る。

ピンポーン、と玄関のチャイムが鳴れば、まるで自分のお客さんかという勢いで、出迎えにいく。抱っこもせがむ。家庭訪問のとき、初めて来た息子の担任の先生に「抱っこー!」と突然飛びついたのには、その場に居た皆が驚いた。

家族以外にもそんな感じなので、家族(特に長男)にはべったりだ。1日数回は抱っこしてもらわないと満足しない。私は実家でも2匹の猫を飼っていたけれど、どちらもあまり抱っこは好きではなかったので、自分から抱っこ抱っことくるノルが、もう可愛くて堪らないのは言うまでもない。


一方のスコティッシュ(以下『スコ』)はというと、この子はまあ怖がりだ。

本来ノルは大型種、スコは中型種なのだけれど、我が家の場合はこれが逆転していて、歳下のスコの方が体格が良い。

物凄く良い言い方をしたけれど、要はちょっと…いや、割と太っている。体重は軽く6kgを超えているし、歩く姿は猫というよりトラみたいだ。

なのに見た目に反してとても臆病。でも寂しがり屋という、なかなか面倒臭い性格の子だ。

ノルと違って、スコの方は抱っこが大嫌い。子猫の時からそうだった。抱っこされているときの顔ときたら、もうこの世の終わりみたいな表情。虚無だ。もう3年も一緒に暮らしてるんだから、いい加減慣れてよ!って訴えても、抱いている間は目も合わせてくれない。

ところが、私が部屋を出ていくと、戻ってくるまで扉の前でずっと座って待っているのだ。すりガラス越しに、大きな体が寂しそうに座っているのが見えていて、親馬鹿な私はその様子にいつもデレデレしてしまう。


見た目も性格もまるで違うこの2匹だけれど、共に暮らしてもう3年半。すっかり仲良し……となれば良かったのだが、実は物凄く仲が悪い。7歳離れていることもあってか、スコがノルをとにかく毎日追いかけ回すのだ。

臆病なくせに、何故か先輩猫にだけは大きく出るスコ。態度だけでなく体も大きいので、そりゃあ追い回されるノルは堪ったもんじゃない。お陰で3年半経った今も、毎日スコはノルにシャーシャー怒られている。

多頭飼いしている家庭で、猫たちがくっついて眠る光景をよく見かけるけれど、我が家ではお目にかかれそうにない…。


けれど、この2匹が絶対に喧嘩をしない時間がある。ご飯のときだ。

ご飯の時間だけは、2匹仲良く並んで私の後をついてきて、おねだりする。それぞれのお皿にカリカリを入れてあげると、これまた仲良く並んでご飯を食べる。このときばかりは、ノルも食後にスコの顔を舐めてあげたりする。…単にカリカリの匂いがついているからかも知れないけれど、毛繕いしてあげているのだと思っておこう。

ご飯が終われば、2匹はそれぞれお気に入りの寝床へ向かう。

ノルはこの時期風が吹き込んできて涼しい窓際。スコはダイニングチェアの上。

この記事を書いている今も、2匹は正にその場所で気持ち良さそうに眠っている。時々いびきが聞こえてきたりもする。

今日は少し風もあって、天気も良い。こういう日は、2匹とも次第に寝相が悪くなって、気づけばお腹がゴロンと上を向いている。猫にとって、仰向けは苦しくないんだろうか?、と思うのだけれど、彼らはスヤスヤ眠っているので、どうやら心配無用らしい。

私も食後のコーヒーを飲みながら、愛猫たちの寝姿を眺めるこの時間が、とても至福のひとときなのである。








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