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難しい提案の通し方

テクニックを使っても難しいのですけどね。

自分の提案が通らなくて困ってしまう、という経験は誰にでもあるものです。提案を通すことは当然難しいのです。様々な思惑も入りますので。

とは言え、どうしたい提案も時にはありますよね。やっぱり自分の考えが具体化していくと嬉しいものです。

この話題だとよく交渉テクニックで、ドアインザフェイス、フットインザドア、 ローボールなどが説明されます。確かに、有効かなと感じることもあったり。

ただテクニックは、一時的にしか通用しないものだったりします。長期的には、課題は認識合わせというコミュニケーションで解決されるものです。

ということで、今日はそんな、提案の通し方についてのお話です。

すぐには変わらない

大前提として、人の気持ちはすぐには変わらないことを認識する必要があります。心を変えるには時間が掛かるのです。

まずは、相手が提案に対してどう思ってるかを確認してみましょう。

恋愛でも、いきなり告白しないですよね。なのに仕事になると、いきなりのプレゼンテーションで解決すると考えてしまいがちです。

毎回出てくるお話ではありますが、最初は期待値の認識合わせです。相手が自分の提案に対してどのような期待値を持ってるかということを確認することは、提案を通す第一歩です。

この時に、ポジティブではなかった人を、すぐにポジティブにするということは、やはり時間が掛かるというのを認識しないといけません。

そして、ポジティブかネガティブかというのは、その人の価値判断に基づいているものです。その価値判断はその人のそれまでの経験から作られるものです。

なので、判断を一朝一夕に変えることは難しいのです。その場合、少しずつ長い時間をかけて、調整を図るという考え方が必要になります。

まずは、提案を通すことは、長期戦を覚悟するということから始める必要があるのです。

目標は刷り込むこと

では、具体的にどのように考え方を変えていけば良いか。それは、徐々に徐々に考え方を調整していくということです。

そしてそのゴールは、相手に自発的に自分と同じ考えを持ってもらう、ということです。

つまり、元々は自分の考えだったのですけれども、相手がそれを自身の意見であるように言ってくれるようにすることが目標になります。

このゴールを達成できると、相手が自分事として考えてくれますので、ものすごくスムーズに物事が進むようになります。

そのため、徐々に考え方を変えていくこととして、様々な会社で刷り込むと呼ばれることが多いですね。

少し玉に瑕なのが、相手に自身の考えだと思ってもらってしまうので、誰が最初に言ったことか、覚えてもらえていない可能性もあるのです。

ただまあ、そこは甘んじて受け入れる必要があるかなと。物事が先に進む方が大事ですものね。

囁きの威力

そして刷り込むための手段として有効なのが、囁き続けるという方法です。目立たずに、相手に対して徐々にその考えを持ってもらうのです。

具体的には、何か関連するトピックがあった時に、いつもその話題を少しだけ挟み込むのです。この少しだけということが大切です。

例えば、最近市場の動きが速いという話が出たときに、「そういえば、先日ご相談させて頂いたあのプロジェクトって変化に強いんですよね…」と一言。

ただ、それ以降は具体的な話に入らないという感じです。これを繰り返す事によって、段々とその課題にはこの打ち手が解決策になるんだと思い出してもらえるようになります。

すると、そのうちに相手から「あのプロジェクトの内容をやってみたいんだけどどう思う」と逆に聞かれるようになるんですね。

このように少しずつ考え方を変えて、自分の得たい結果を考えてもらうようにします。そのためには、相手との接触頻度が高いことが必要になります。

なので、普段からのコミュニケーションというのは大切なのです。相手の考え方を理解するという意味でも、囁きのチャンスを得るという意味でも。

ということで、頑張って長い時間をかけて囁き続けてみてください。いつか本当に、こう思ってるんだけれどもどう思うと聞かれる時が来ます。

めげずに、目立たずに、確実に。忍者のような手段ですが、とても有効な方法です。少しずつ良いと思われるようにしていきましょう。

ただ、恋愛と同じで、ダメな時はダメなので、諦めも肝心です…苦笑

まとめ

ということで、難しい提案を通したいと思ったら、ある程度時間をかけて少しずつ刷り込んでいくことが有効だよというお話でした。

やっぱり社会は人とのコミュニケーションで成り立っていますので、上手く提案できる人はとても強いです。

自分のやりたいことを上手く通せると、仕事はぐっと面白くなります。何でもすぐに変えられる訳ではないですが、長期的に目標を達成できるようなコミュニケーションを重ねたいですね。

ちなみに、今回のお話のように、価値観は大きく人の判断に影響を及ぼします。それを研究するのが行動経済学という分野です。

行動心理学は名前は難しそうですが、とっても面白いものだったりすします。昔から人の心の扱いの難しさには多くの人が困っているということかもしれません。

ぜひ、そんな知恵を上手く使って、自分の求める結果を出していきましょう。

皆さまのコミュニケーションのご参考になれば幸いです。

ではでは。


<関連する本かも>

行動経済学のお話を面白く紹介してくれる本です。いつの間にか意思決定が様々なものに引っ張られてしまっていることを教えてくれます。実は過去の経験や環境に影響されているのですよね。

交渉術の定番です。交渉はお互いがゴールに辿り着くために、協力し合うことであることを教えてくれます。一番興味があることはお互い実は違うことであったりもしますからね。

<このnoteを書いたしょこらはこんな人です>



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