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本はピラミッド - 伝わる目次の作り方

ちゃんと目次を読む会、推進委員長に就任。

本編前の目次。読まれていらっしゃるでしょうか。だいたい飛ばされてしまうものですが、私はここを読むのが大スキだったりします。

実用書は、目次が上手いと思う本の内容にハズレ無し。小説は…目次読んでも分からないです。むしろ分かったらダメなのですが笑

ただ、小説の目次でも、明るい単語から、暗い単語にタイトルが変わったあたりで、物語が動くのだろうなぁと思ったりします。

とは言え、やっぱり小説は全体観などいいので文章で惹きつけて欲しい派でして。と言うことで、今回は実用書前提のお話です。

本はピラミッド

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タイトルがメインメッセージになっている本は分かりやすいものです。『筋トレが最強のソリューションである』的な。

これは、タイトルで一番言いたいことを言ってしまい、その裏付けを本文で説明していくスタイルです。実用書に多いですね。

本は、その主張をピラミッド構造で説明する情報の集まりです。伝えたいメッセージがあって、それを説明するために各部があります。

そして、各部でも、伝えたいことがあって、それを説明するためにより細かい章があって、さらに、節・項が続きます。

この構造が上手に作られている本は、本当に頭に入ってきやすいものです。そんな本は、本屋さんで買って、と自分から呼んでくれます。

同じトピックの本が複数ありましたら、ピラミッドを想像できる方の本を選ぶと良いのではないでしょうか。

2つの型 - 帰納型と演繹型

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部や章の説明の仕方には、大きく分けて2つの方法があります。帰納型と演繹型です。よく聞く2つですね。

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帰納型は、多くの例を並べてひとつのメッセージを支える構造です。冒頭の『筋トレが~』はこの構造ですね。多くの例を出して、だから筋トレって良いでしょと説明します。

一方で、演繹型は順追って、Aが言える、ということはBも言える、と言うことは、Cも言える、だからメインメッセージも言える、という構造です。

帰納型は、それぞれの例が独立していますので、ひとつの例に?があっても、メインメッセージが納得出ればOKだったりします。

一方で演繹型は、AでBでCと順を追って説明しているので、どこかにひとつ?があると、全体として大丈夫かとなってしまうのですね。

そんな説明の難しさや、書きやすさもあって、基本的に本は帰納型のものが多いですね。その中で、演繹型のものを見るとワクワクしてしまいます

どこまで細かく説明を砕くんだ問題

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この章立ての上手さを分けるのが、どこまで説明を細かく砕くんだ問題です。これが上手いかどうかで、全体の上手さも決まると思っています。

このどこまで細かくというのは「粒度」(りゅうど)と呼ばれます。粒の大きさですね。説明の細かさを指します。

この粒度が粗すぎると、納得感を得がたい説明になってしまいますし、粒度が細かすぎるとまどろっこしい説明になってしまいます。

この説明の細かさを上手く調節できるかどうかが、書き手の力量なわけです。これは、想定読者にも大きく関わってきます。

多くの人に読んで貰うためには、説明が荒いと伝わりません。そのため、少し細かめに書いて、文章力で惹きつけることが次善策かなと思っています。

ここまで頭の整理が上手い人の本は面白い

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ということで、本の目次を見ると、以下の3つが分かります。

1. メッセージ。本の中で一番伝えたいこと
2. 説明の構造。演繹型か帰納型か
3. 説明の粒度。説明の細かさ

この3つは、本当に力の差が出ます。頭の中がそのまま出てしまうと言っても過言ではないのです。

おそらく、この3つはその作者の方の生き方、人生観をそのまま映したものになっているのではないでしょうか。

説明が細かい方はやはり繊細な感じを受けますし、勢いで説明される方はやはり大胆な方です。

文章ってその人の性格が出ますから面白いですよね。口を介さずに、頭の中がそのまま反映されているものなので、それはそうなのかもしれませんが。

ということで、本屋さんでもネットでも、ぜひ目次に着目して頂きたいなと思います。目次って、面白いですよ。

皆さまの、良い本との出会いの一助になりましたら幸いです。

ではでは。


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目次を見て人生一番で驚いた本です。とてつもなく分かりやすい章立てで、なんだこれは!となりました。勝間和代さんの一冊目で、読者層も結構絞られていたはずなのですよね。それでも、マスを狙いに行った後期の本より多くの人に読まれたということが、本の難しさを語っている気がします。

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