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『一億総発信時代』によってマーケティングのレベルはまた一つ上がってしまった

なんだかね。どんどん難しくなってると思いますよ。

前の会社で、新しくマーケティングアシスタントの方に来て頂いた時のお話です。

ブランドマネジャーの方が育休を取られるということになりまして、その間サポートして下さる方を募集したんですね。

そこで来てくださったのが、まだ20代前半と若いその方だったんです。

採用する時には全然知らなかったのですが、ふとお話ししていると「私、実はインフルエンサーやってるんですよ!」とのこと。

へー、どんなことやってるのって聞いてみたら、フォロワー数が一万人弱もいるインスタグラマーさんだったんです(会社の事業内容とは全く関係ないカテゴリのだったのでセーフ…)。

フォロワー数が一万人って、インスタグラマーのレベルで言うと、上から3番目の『マイクロインフルエンサー』というレベルです。

いやもう、普通に個人事業としてやっていけるレベルのインフルエンサーの方だったんですね。

で、やっぱり、その方から出てくる提案がものすごく消費者の方のことを理解しているもので、うわーこれはすごいー、、と感心してしまいました。自分では全く思いもしなかったことを、結構インプット頂いてしまった。

そんなこともあって、最近のマーケターは大変だなぁとは薄々思ってはいたのです。

そこに、今回noteを結構ちゃんとやってみて、うわーこれからはより大変になるだろうと確信。

ということで今日は、そんなマーケティングに関するお話です。

頻度の高まるフレームワークの更新

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マーケティングにおける消費者行動のフレームワークで一番有名なものは、AIDMAではないでしょうか。

Attention:注目する
Interest:興味を持つ
Desire:欲しいと思う
Memory:記憶する
Action:購入する

このフレームワークは1920年代に開発されて以降、非常に長く使われているものです。

その後、2000年に入ってからインターネットが普及したことから、電通さんが立て続けにフレームワークを出されていらっしゃるんですね。有名どころが、AISAS(2005年)とDECAX(2015年)です。

内容をお話しするのが目的ではないので簡単なご紹介でご容赦下さい。

Attention:注目する
Interest:興味を持つ
Search:検索する
Action:購入する
Share:シェアする

Discovery: 発見する
Engage: 関係性を持つ
Check: 確認する
Action: 購入する
Experience: 体験・発信する

ここで言いたいのは、 フレームワークの更新の頻度が、圧倒的に早まっているということです。

AIDMAからAISASまでは、80年かかったフレームワークの更新も、AISASからDECAXまでには10年しか経っていません

もちろん、フレームワークの更新はご商売が半分ということはあるのですけれども、それでも一定普及するということは、ニーズがあるということです。

それぐらい時代は急激に変わっているのです。

無意識に使いこなされるフレームワーク

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整理する側は追い付かないものの、一億総発信時代において、発信する側の立場からしてみれば、このようなフレームワークは無意識で使いこなしているレベルだったりします。

例えば、AISASで考えると、皆さんnoteを書くときにこんなことを考えますよね。

・タイトルで興味を引かなきゃ(Attention)
・更新頻度上げてプレゼンス出そう(Interest)
・みんなが引っかかりやすい言葉をタイトルに使おうかな(Search)
・読んでもらえるように内容面白くしなきゃ(Action)
・最後にスキやフォローお願いします入れてみよう(Share)

といった具合で、ほぼ無意識のうちに、完全にフレームワークを使いこなしてしまっているのです。

そして、さらに「noteの話題を絞ってより自分とはどういう人なのかを印象付けよう(ドメイン定義)」だったり「このnoteでの成功を講演の事業に結びつけよう(Online to Offline)」ということを考えたりします。

発信する側は、既に無意識に、マーケターになっているのです。

マーケティングのレベルは上がってしまった

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このように、一億人が総じて無意識にマーケティング活動を経験してくるのですから、本業のマーケターとしてはたまったものではありません。

特定の領域では、発信に慣れている消費者の方が、マーケティングスキルで上回ってしまうということが、平然と起こり得てしまう世の中なのです。

消費者のレベルが上がるということは、マーケティングに求められる要求水準も当然上がるということでして。

こうして、 AIDMAで済んでいた平和な80年間は過ぎ去り、高いレベルの消費者が、それでも自分の気持ちを理解してくれて、かつ、自分の想像を超えるてくれることをマーケターへと期待する、というような世の中になってしまったのでした。

でも逆に言えば、全員がマーケターということで、消費者と本業マーケターが同じステージに立っているという、歴史上でも類を見ない時代でもあるのかなとも思います。

それはそれで、なんだかとってもワクワクしませんか。

まとめ

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と、いうことで、マーケティングをされる側のレベルアップに伴って、マーケティング全体のレベルアップが起こっているというお話でした。

結局、時代が変わったら、自分も変わらないといけないんですよね。

ちなみに、コンサルティングファームは、昔は戦略を売っていましたが、今では実行を売っています。

戦略論自体が広く普及してしまったため、クライアントが自身で戦略を立てることが出来るようになってしまったのです。

一方で、立てた戦略を実現していくというのは、これまた非常に難しいことでして、今はその支援をするというプロジェクトが大半なのではないかなと思います。

なんかもう、本当に乱世な時代ですね。

でもだからこそ、下克上なんかも平然と起こり得る、逆に言えばチャンスにも溢れた時代になったのではないかなとも思います。

誰もが正解がわからないって良いものです。私は大スキです。

ぜひ、この乱世を上手に切り抜けていきましょう。

ではでは。


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最後まで読んで頂きまして、ありがとうございます!頂いたサポートは、noteを書きながら飲む缶コーヒーになっています。甘くて素敵な時間を頂きまして、とっても幸せです。