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「未来人材ビジョン」を読む | 個人(と経営者)の生存戦略について

こんにちは、エルモです。

経産省から「未来人材ビジョン」というオモシロレポートが出ていたので、このデータをみて感じたことを書いていきます。

人に投資はされずエンゲージは最低、従業員が「自助努力」で成長する気もない

会社にとっても、従業員にとっても、非常によろしくない調査結果になっています。

従業員の会社へのエンゲージメント率、「個人と組織の成長性の方向性が合致し、互いに貢献し合える関係性である」と答えたのははなんと5%。

裏返すと、残りの95%は従業員側からすると「会社が嫌い」「会社に搾取されている」のような感情を抱きながら仕事をしているということになります。

その一端には、会社の人材投資の少なさがあるかもしれません。

人材投資のGDPに占める割合は、米国と比べると20分の1、欧州各国とも10倍以上の差が開いている状況。

個人的に、雇用の流動性が高い米国で人材投資が盛んに行われているのは意外なデータだと感じます。

「すぐに人が出ていくのに、それでも人に投資をする」というのは、企業側からしたらリスクデカそうに見えます。

ただ見方を変えると、

雇用の流動性が高い国ほど人材を呼び寄せる必要がある

ウチの会社に来たらあなたに投資をしますよ

各社の人材争奪戦が勃発

トータルの人材投資額が増える

社会全体も成長する

という好循環が発生しているのかもしれません。

逆に日本の人材投資の低さは、「どうせ社員に投資をしなくてもここに居続けてくれる。終身雇用だし」という心理が働き、起きている事象かもしれません。

ここからはオモシロ話ですが、「現在の勤務先で働き続けたい人は世界最低レベルなのに、他の会社に出ていく気持ち世界最低」という、なんともワガママな人が社員ばかりという結果になっています。

僕のツイートのリプライには、「社会が悪い、会社が悪い」というコメントが多数集まっていました。しかし会社の立場に立つと、雇っても扱いづらい社員がたくさんいて、しかもクビにできないなんて、成長できる事業も成長できないなと同情したくなるレベルです......

この人材環境をどういかしていくべきなのか?

ということで、ここからが本題。

まず大前提として、経営者と従業員はともに特定の目標・ゴールを目指すチームである(ゆえにエンゲージが生まれる)と同時に、「時間・労力⇔お金」を取引する顧客関係にあります。

経営者が従業員をうまく扱って良い取引(悪い言い方をすれば搾取)をすることもあれば、逆に従業員が経営者と良い取引(会社を使い倒す)をすることもある。このような側面が「経営者-従業員」関係にはあるわけです。

ではでは、利害が必ずしも一致するわけではない、経営者-従業員の両者がどう立ち振る舞ったらいいのか、私なりの考えを残しておきます

(※企業のパワー、個人のパワーによって、経営者、従業員の振る舞い方に違いがあるはずなので、ここで書いていることが必ずしも正解でないことだけは先に書いておきます)

①従業員の立場編

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