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『君のクイズ』読書感想文

そろそろエンタメ作品が読みたい気分。

小川哲さんの新作『君のクイズ』を本屋で見かけて早速拝読。

これはミステリーなのだろうか?
殺人事件は起きない、平和なミステリー小説。

クイズ番組決勝に出場した三島は、対戦相手の本庄が、まだ一文字も問題が読まれぬうちに、ボタンを押して正解し、優勝を果たす事態をいぶかしむ。

彼はなぜ正解できたのか?

敗者三島は、真相を解明しようと、彼について調べ、決勝を出題を振り返りながら、真実を紐解いていく。


クイズオタクが主人公の、クイズばかりのマニアックな内容です。

目まぐるしい思考の展開と、小川先生らしいウンチクからのウンチクは、面白くて、ノンストップでグイグイ読ませてくれる。

一気に読んでしまった。

クイズの正解すると鳴る『ピンポン』が、生きてきた積み重ねの『肯定』へと結び付けてゆく発想は、本当にスキ💛だわ。

生活していて、実際はっきりした正解なんてないけど、人は正解を探したい生き物だし、誰かに『ブー』より『ピンポン』と言ってほしい。

明日からの判断が、クイズの出題のように見えてきちゃうな。

マニアックですけど、さっくり読めるゆるーいエンタメ作品でした。

【好きな部分の抜粋】
世界は知っていることと、知らないことの二つで構成される
~中略~
『地球は青かった』というガガーリンの言葉を知っていたとしても、ガガーリンが見た地球の青さがわかるわけでもない。
~中略~
実際に彼が言ったのは、『空はとても暗かった一方で、地球は青みがかっていた』僕たちが空だと思っているものが、実は太陽の見せる幻影で、それでも地球は青いのだ

いつも読んでくださり
ありがとうごさいます。٩(๑❛ᴗ❛๑)۶





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