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猫にマタタビ お女郎に小判

『ネコにマタタビ、おじょろうに小判』とは、
「とても好きなもののたとえ」とか、「それを与えれば効果てきめんのたとえ」だが、なぜ猫はそんなにマタタビが好きなのか?

マタタビは日本や中国に分布し、欧米では「キャットニップ」という、シソ科のハーブに同じような作用がある。

猫がマタタビを嗅いで、葉や枝に体を擦り付けてごろごろ転がることを「マタタビ反応」と呼ぶ。

この反応は、猫に限らずヒョウ、ライオンなどのネコ科動物にも見られ、テレビでも、ライオンがクネクネ転がっている姿を見ることがある。

世界中のネコ科の動物がマタタビ反応を示すのだ。


ネコがマタタビ反応する理由

「ネコがマタタビに反応するのは、蚊から身をまもるため」

という、猫好きが驚くニュースが流れたのは今年1月だった。

岩手大学や京都大学そしてイギリスリバプール大学による最新の共同研究によって、まずわかったのが、マタタビに含まれる「ネペタラクトール」という物質がマタタビ反応を強力に起こすということ。

「化学」はまるで専門外のため、成分の説明は省くが、ネペタラクトールをかいだ猫を調べると、多幸感や鎮痛に関わる神経(μオピオイド系)が活性化していることがわかった。

さらに研究で、床以外に、壁や天井にネペタラクトールをつけておくと、ゴロゴロ転がらずに、顔や頭を何度も擦りつける、つまり一番重要な行動は、転がることよりも、ネペタラクトールを身体に付着させること、が判明。

しかも、ネペタラクトールは「蚊」を寄せ付けないこと、また実際、ネペタラクトールが頭に塗られた猫や、マタタビの葉に擦り付けをした猫は、蚊に刺されにくくなることを確認した。

「マタタビ反応」とは、猫がマタタビを身体に擦り付けて、フィラリアなど寄生虫やウイルスなどを媒介する蚊から身を守る行動だったのだ。


ところで、マタタビって大丈夫?

今のところ、マタタビで猫が重篤な状態に陥ったとか、逆にいくらマタタビを摂取しても安心だ、という研究結果や報告はまだない。

そのため、どれくらい与えていいのか?などさっぱりわからない。

ただ、経験的に、猫にマタタビを与えても、永遠に恍惚状態が続くということはなく、あるところでふと我にかえったように興味を失う。

こちらから、強制的に与え続けない限り、問題になるようなことはないのだろう。

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考え方は人それぞれで、マタタビでストレスなくしつけができるという人もいるが、研究結果で脳に影響することがわかっていて、しかも安全性が保証されていない以上は、少なくとも与えすぎには注意すべきだろうと思う。

我が家では、病中病後の元気のないときに、ほんの僅かだけ与えるようにしている。

回数でいうと、年に1回あるかないか程度だ。


マタタビとキウイの関係?

キウイ好きな猫がいる。

ご存知の人も多いかもしれないが、キウイはマタタビ科で、マタタビを与えた時と同じ反応をする猫もいるらしい。

ただ、「キウイを与えてみた」動画を見ても、普通においしそうに食べる猫はいるが、「マタタビ反応」している猫を見たことがない。

少なくともうちの猫たちは、キウイを見てもまるで興味なし。

猫の味覚は、甘味を感じることができないものの、酸味は感じられるので、たまにある、『超絶酸っぱいキウイ』に当たってしまった猫は、果たしてどんな反応をするのか?

キウイが苦手な私なら、間違いなく、床に頭をこすりつけて悶絶してしまうのだが……


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