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子どものことを話せる相手って、誰だろう



「お母さん、これからはお子さんのこと、一緒に考えていきましょう。」



久しく”嬉し泣き”をしていなかった私が、涙を流した瞬間だった。

9月からの私の本格的な仕事復帰に伴い、子どもたちは託児所に通い始めた。
我が子は、3才になったばかりの娘と1才の息子の2人。

仕事を始めて良かったと、子どもたちを託児所に通わせて良かったと、心から思った話。




仕事が終わり、いつも通り私が託児所にお迎えに行ったとき。

子どもたちの汚れた衣類などをカバンにしまっていると、ふいに保育士さん(いつもの呼び方で、これからは”先生”ということにする)に「お母さん・・・」と小さな声で話しかけられた。

「娘ちゃん、お友達からおもちゃを奪っちゃったり、頑なに貸さなかったり、最近そういう姿が見られるんです。家ではどうですか?」

先生は園での娘の様子を聞かせてくれた。


託児所の先生によると、どうやら「娘ちゃんは頑張りすぎている」ようだ。

「もっとできなくて、良いんです。」

先生はそう言っていた。


思い返せば、私は娘に全然手をかけてあげられなかったのかもしれない。
1才8ヵ月のときに下の子が生まれたし、最近は何でも自分で「やる!」って言うからやらせてた。

けど、もっともっと私に側で見ていてほしかったのかもしれない。

その気持ちをうまく消化できなくて、おもちゃを奪ったり、ネガティブな行為をしちゃっていたのかもしれない。



娘は私の知らないところで、1人で頑張っていた。



それに気づいたとき、娘の小さな頭と心の中で感じていた気持ちを想像したとき、涙が出た。


ごめん。ごめんね。一人で頑張らせちゃって。


そして冒頭の言葉だ。私の涙を見てか、先生も目も赤くなっていた。

「お母さん、今まで誰も頼る人がいなくて、1人で頑張っていたんですね。すごいです。これからはお子さんのこと、一緒に考えていきましょう」

もっと私の涙が赤くなったのは言うまでもない。






子どものことを話せる人って、私にはいなかった。

ママ友は、何人かいる。

ママ友だから子どもの話が中心になるんだけど、ママ友のそれは方向性が違うというか。

私の感覚では、ママ友とする「子どもの話」は「子どものできないことを話す」という感じ。

「うちの子全然食べないのよねー」
「うちは夜全然寝なくてさ!」
「ママじゃないとダメみたいでさー」

ママ友と話していて「わかるわかる!うちも!」という話題を、無意識に探している。

それに、人の子どもってそんなに興味がないでしょう。
「これ以上話すのはやめよう」って、私は思ってしまう。


一方、私が思う「子どもの話ができる相手」というのは、「子どものできたことを言える人」

それは私たち夫婦の場合、両親&義両親。

「娘が字を書けるようになったんだー!」
「息子が走れるようになったよ!」

どんなことを言っても、「すごいね!」って喜んでくれる。

私も子どもたちも、そして家族もみんなハッピーになる。


ただ、うちは両実家が遠くて頻繁に会える距離ではないし、連絡の頻度もLINEでたまにという感じ。

だから、あまり日常的に、子どものことを両親に話すことはなかった。
結局、私は夫以外に子どものことを話せる人はいなかった。
そんな夫も以前は帰りが遅かったから、本当に一人だったと、今は思う。


でも託児所に通って、先生に出会って、「子どもたちのこと一緒に考えましょう」って言ってもらえて。

それを聞いて私、一番に思ったのが”子どものこと、そんなに話して良いの?”ってこと。

子どものこと話して迷惑じゃないの?
自慢だって思われない?
うちの子どもに興味ある?


でも、そっか。先生は、先生なんだ。

1人1人の子どもを、責任をもってみてくれてる。

だからむしろ、子どものことは積極的に話した方が良いんだ。

託児所に通って約1ヵ月、ようやく私はそのことが分かった。


毎朝、「今日は先生に〇〇のことを伝えよう」って自然に考える。

その時間が楽しい。

ああ、私、子どものことを誰かに話したかったんだ。



目の前にいる2人の子どものことを、何でも話せる相手


私が仕事を始めるまでの数ヵ月、毎日がとても辛く感じていたのは、それができない環境に限界を感じていたからだ。


仕事を始めて、保育士さんと出会って、本当に良かった。

私の選択は間違っていなかった。




同じように、育児が辛いと悩む方がいるかもしれない。

私みたいに、核家族で、専業主婦/夫で、両実家が遠方だったり頻繁に連絡をするわけでもなかったり、夫/妻の帰りが遅くてほぼワンオペ状態で育児をしていたり、
そういう人って多分、いるんじゃないかな。

私の体験談だが、それで育児が辛いと感じるのなら、「子どものことを一緒に考えてくれる人」を見つけるのが、解決の1つになると思う。


今、子どもたちと一緒にいる時間がとても愛おしく感じている。






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