奇々怪々だらけの魅力 〜カムカムミニキーナ『両面睨み節』
カムカムミニキーナの本公演『両面睨み節 〜相四つで水入り〜』を観に行ってきた。場所は『座・高円寺』
昨年12月に浅草で行われた『偽顔虫47』以来なので、約1年ぶりのカムカム(カムカムミニキーナは長いので、略してカムカム)。
映像の世界でもご活躍中の八嶋智人さんが所属する劇団で、演出・脚本は主宰の松村武さんが手がける。
主に神話や伝説をモチーフに描かれるカムカムの作品はすべてオリジナル。
松村さんの織りなす世界は独特なので、観る前はもちろん、観終わった後も説明するのが難しい。
だから、人に勧めたり友人を誘ったりするのも難しい。
だが、難しいのは“説明しようとするから”であって、作品が難解というわけではない。
無理に分かろうとする必要のないものなのである。
たくさんの言葉遊びを含んだ台詞、自在に動き回る時空、速いテンポでの場面展開、歴史を共有する登場人物と相関関係。。。 そしてそれは現在につながっていく。。。
この独特な魅力は、観たままをただ感じれば良いものなのだろう。
結果、「演劇を観た」という感想になる。
そう。
カムカムミニキーナは“演劇”を愛し実践し、チャレンジし続ける集団なのだ。
今回の『両面睨み節』は、日本書紀にちらっと登場する飛騨の両面宿儺が元となっているそうだ。
八嶋智人さんの軽妙洒脱さ、松村武さんの重厚さに加え、今回はゲストにラサール石井さんを迎えて、ある種破茶滅茶なカムカムの世界におとなの落ち着きがもたらされている。
異世界と通じる扉を持っている(と思われる)長谷部洋子さんと、どこまでも突き抜けた可笑しみのある藤田記子さんに、つい目がいってしまうのは毎度のこと。
「面白かったー」とつぶやいて会場を後にする。
響いたキーワードは「判定」「土俵」「龍神」、そして「當麻町」
何のことか分かりたい人がいたら、ヒントを探しに公式サイトを訪ねてほしい。
まだ席は残っているそうである。
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