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昼下がりのバラ園

5月、6月はバラの季節

天気の良い日、大きなバラ園で撮影をしていた。

沢山の来園者たちが思い思いにバラ鑑賞を楽しんでいた。

私はあるバラの花の前で、さっきからずっとカメラのファインダーをのぞいていた。

カメラのファインダー、というものは不思議なメガネで、それを覗くと今まで見えなかった風景を見ることが出来る。さらに意識が集中しているせいか、ターゲットの構図を思案したり・・と、周囲の雑踏が霧消していく・・

霧消していく、ハズだった・・・

心の平安と集中をブチ破る大きな声が耳に届いた。

ファインダーを覗いてはいるが、残念ながら意識は、その声の主達の会話に向き・・要するに、耳がダンボ状態。

耳だけから判断だが・・・

高齢のご婦人A 「ねぇ、このバラの名前なんだっけ?」

高齢のご婦人B  「えーと、シャルル 何とか・・」

高齢のご婦人A  「そーだ、フランスの空港の名前よぉ~」

高齢のご婦人B 「そうそう、シャルル・ド・ゴール だわ」


お二人は、納得して立ち去っていった。


「バラの花を見ただけで名前が出てくるのはスゴイ」とキータンは感動した。
キータンなんぞ、「シャルル・・」さえも出てこない。その意味では、お二人のご高齢のご婦人に敬意を感じた。

でも、、でも、まぁ、いいんだけど・・空港の名前 かぁ~

とため息をついてから撮影に集中した昼下がり。
 

ちなみに キータンが撮影していたのは、「ファンファーレ」という名前です。


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