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地域で子供を育てる ~アフターコロナの今 考える~

 私の勤務する学校は、昨年度、隣の学校と統合となり、一つの小学校が地域からなくなりました。日本創世会議の資料によると、「2040年に49.8%の市区町村で 20~39歳の女性の数が5割以上減り、推計対象の全国約1800市町村中、 896が消滅するおそれ」と出ていました。今後も、加速度的に人口減少が進み、特に地方部では、学校が消滅することは避けられない現実だと思います。
 その一方で、文部科学省は、「地域に開かれた教育課程」の実現に向けたコミュニティ・スクールの実現を進めています。そのためには地域の方々との協働・連携が不可欠ですが、今回のコロナ禍での教育活動において、すっかり足踏みしている感は否めません。

 少し固い内容から今回の投稿を始めましたが、今日は、私の身の回りでの地域連携の再開状況と今後の繋がりのあり方を考えてみます。

1, 地域の町会との交通安全の繋がり

 先日、4年ぶりに学区内の町会長さんたちが組織する交通安全協会の総会が開かれました。毎日の登下校で見守りをして下さっている町内の方々に状況をお聞きしたり、お礼を言ったりしながら、学校の子供の様子について情報交換ができました。参加された方々から、
「子供たちのおはようの挨拶が元気で良い。」
「黄色い帽子を被っている子供たちを見ると、春になったなあと思う。」
「以前のように学校と町会との交流を再開したい。」
などなど、対面でしか聞けないお話をうかがえました。

2, 中学校区の防犯協会の繋がり

 別の日には、中学校区の防犯協会の総会がありました。コロナ禍においても防犯のぼり旗を作成して地域の安全に努めてきたこと、地域の事件・事故の情報、万引きや補導・問題行動の実際、危険箇所の共通理解等々、災害時の避難所開設等々、貴重な情報を得ることができました。恒例だった懇親会は、今回も中止となり、1時間弱の総会となりましたが、高齢者がほとんどの集まりでは仕方のないことかも知れませんが地域と学校の繋がりを確かに感じることができ、力が湧きました。

3, 運動会での来賓の方々との繋がり

 先週、開催した運動会には、4年ぶりに地域の方々を来賓としてお招きしました。テントのパイプ椅子に座って子供たちの徒競走や綱引き、玉入れなどをご覧になりながら、
「子供たちの笑顔が何よりかわいい。」
「六年生になると走る様子も迫力があってさすがだ。」
「本当に久しぶりだったが運動会を見に来てよかった。」
などと話して下さいました。保育園の園長先生は、発走順名簿で卒園児を見つけては、さかんに声援を送って下さいました。

4, 幼稚園・保育園、中学校との繋がり

 今回の運動会には、学校の近隣の幼稚園・保育園のうち4つの園の年長児が来校し、ブルーシートに座って見学しました。来年度入学する園児にとっては、小学校をイメージしたり、園児の兄や姉を見つけて声を出して応援したり、楽しく貴重な時間となりました。小学校の子供たちも園児を見つけてとても喜んでいました。
また、中学校の校長先生も来賓として来て下さり、小・中連携の観点から運動会の今後のあり方について相談することもできました。こういった交流や連携も大切だと感じています。

5, 子供たちへの絵本読み聞かせ

 本校では、月に2回程度、朝読書の時間に絵本の読み聞かせを行っていま す。地域の絵本ボランティアの方々が来校して下さいます。コロナ禍で中止していましたが再開しました。校内に地域の方が来て下さると子供たちは本当に喜びます。また、ボランティアの方々も子供たちと接する場面があると喜んで下さいます。大切な取組だと感じています。

6, おわりに

 コロナ禍で、地域と学校の繋がりが分断されてきましたが、やっと再開できるようになりました。ここで考えるべきは「地域とともにある学校づくり」だと感じています。「学校にも地域にも、WIN WIN」となることが大切で、地域で子供を育てていくという共通目標に向かうことで、地域の方々も子供を育てる当事者意識をもつことができます。
 どちらが上とか下でなく、対等の立場であること、そして、今回のコロナ禍を経て、改めて、0から考え直していくことが不可欠だと感じています。

大賀重樹

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