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「現代思想入門」

なかなかおもしろかった。
現代という時代はきれいに整理されてしまい、他者から批判されるようなことは避けるようになった。よくわからないものや、無駄なものは排除されてしまう。

著者が主張するのは、哲学を学ぶことで、グレーゾーンにあるものに目を向けるようになろうということ。現実にはさまざまなものがあるのだから、そういったものを解像度高く見られるようになろう、というものだ。

これは確かにそうで、コミュニティ内ではみだすような言動は抑圧されたり、追放されたりする。変わったことをする人は敬遠される。人間関係だけでなく、世の中はみんな抗菌だし、都市は無機質になってきた。映画やドラマもわかりやすさが求められる。

理解できないものに対して理解できないなりに触れることによって、徐々に理解していくという姿勢は大切だと思う。それを手助けしてくれるのが哲学だというわけだ。
個人的には哲学を読むのは、ある種の時期というか、タイミングが訪れたときからだと思うが、読んでみると、哲学というものは世界を見るさまざまな視線があるということを教えてくれる。
本書で紹介されているデリダ、ドゥルーズ、フーコーに着手するのはまだ先になりそうだが、哲学は読み続けていこうと感じた。

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