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2022年12月の記事一覧
「シェルタリング・スカイ」(1949年)
北アフリカを旅する三人の男女が物語の中心になる。
主人公はポートという男で、妻がキット。他にタナーという男がいる。
三人がなんのために北アフリカを旅しているのかは、明確には明かされない。ポートが望んだから、という程度の説明しかなされない。
迷宮のような街をさまようシーンが多く、読みながら、人生そのものと重ね合わせているのは、この小説の読み方としては安直すぎるのかもしれない。
人間の心情と、風景描
ヴィトゲンシュタイン「論考」
ヴィトゲンシュタインの「論考」。
理解できたとはとても言えないのだが、世界を論理で分解していく過程がとてもいい。研ぎ澄まされ、洗練された文章にほれぼれする。
「1 世界は、そうであることのすべてである。」から、「7 語ることができないことについては、沈黙するしかない。」まで、ヴィトゲンシュタインは言葉を用いて、世界の在り方を証明していく。
「1.1 世界は、事実の総体である。事物の総体ではない。