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『歌壇』2021年8月号(1)

画面に上手く入らなかったが、今月号の表紙の花がとてもきれい。何という花なのかなあ。岨菜(そばな)?岩桔梗?ツリガネニンジン?ネットで調べてみたけど、どれもちょっと違うんだよね。(クレマチス ロウグチと教えてもらいました。)

①「ことば見聞録」川野里子とゲストが語る。今回はサンキュータツオ。気になった部分を引いてみる。

②「ことば見聞録」タツオ〈(落語番組ですごくセットを組む。)でも単純に情報が増えてそれだけ目障りなんです。想像の妨げになっちゃう。情報をプラスするのは邪魔なんです。〉短歌も同じだろう。想像する部分が大切なのだ。最近テレビや映画を見ても説明し過ぎと思うことが多い。

③「ことば見聞録」タツオ〈形式って何気ないことすら詩にしてしまう。(…)〉川野〈定型に切り取ると、それで次元が違うところに行っちゃうんですよね。〉タツオ〈額縁がひとつ作れるというか。ただ野放しにされてる風景じゃなくて額縁に入れてみると全然違った風景に見える。〉落語から短歌俳句の「型」の話に。こういう視点は持っていたい。あらゆる芸能に通じる話だと思うのだが、短歌だけやってたら見失いがち。

④「ことば見聞録」川野〈そうすると文法であれ、言葉は生き物なんだ。〉タツオ〈言葉は生き物です。だからしばらく形態を変えていなくても百年後くらいにまた成長するかもしれない言葉もある。それこそ「忖度」はしばらく良い意味で固定されてましたが昨今悪い意味で使われるように〉新しい言葉が出来たり、使われなくなる言葉がある。一方、同じ言葉がニュアンスを変えていくというのもある。それは、言葉の歴史を辿らなくても個人の体験でも感じられる。「微妙」と「ビミョー」、「普通」と「フツー」とか。こうした言葉は10年後20年後どうなっているのだろう。

⑤「ことば見聞録」タツオ〈同じものを見ていてもこの人はなんて言うかなと期待させる何か。そういう切り取り方あるんだというマジックを僕は見たい。(…)それってテクニック論じゃない。その人が世界をどう見てるかを見たい、知りたい。その人の眼鏡で世界を見るとこう見えるんだというのを知りたいので。ユーモアとか笑いってまずそこだと思いますね。〉川野〈それを伺いたかった。いいお話を伺ったな。〉同感。世界をどう見るか。取り換えのきかない、その人ならではの感性。ユーモアまで辿り着けないこともあるだろうが、そこに至るまででもいい。

2021.8.28.Twitterより編集再掲