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下手くそな私がバンドをやめない理由


「絶対にバンドだけはやめない」

この言葉が頭の中をぐるぐるとしていた。
不思議なくらいにしつこく、もう一人の自分がこれだけはやめちゃダメだと言ってきた。


「みんなが待ってる」

これは根拠のない自信だったし、
わざわざ待ってるっていう表現もなんとなく押し付けがましい感じがするし、
なんだかくすぐったい感じ。

でも本気でそう信じていました。
みんなは私の存在を認めてくれていて、受け止めてくれるんだと。


みんなが待ってる
というより、私がみんなのところに早く行きたかったのかもしれません。
早くみんなのところに逃げ込んで、胸に飛び込みたかったんだと思います。



うつ状態で病院に通ってる
仕事も休んでる

少し距離が遠いバンドメンバーに打ち明けたとき、
「なんでもっと早く言わなかったんだ!」
と怒られました。


「みんな、ただヘラヘラ笑ってバンドやってるんじゃない。
みんな、それぞれいろんな経験してきて、ツラい思いもたくさんしてきて、だから今笑っていられるし、みんな音楽に助けられてきたんだから。
バンドメンバーって、家族みたいなもんだから、そういうことは遠慮しないで言った方がいいよ。
だからバンドってやめられないんだよね~」


拍子抜けでした。
この人にこんなことを言われるなんて思ってもみませんでした。


思えば、言われたとおりで、
メンバーみんな、何かの危機を乗り越えてきたんだと分かる人たちでした。


だから今思いっきり笑っていられるんだよな。

だから今笑って、みんなで作り上げるステージが心地好くて、
あ~今日も楽しかった!
って心から思えるんだよな。

だからバンドってやめられないんだよな。


音楽が大好きだし、
それ以上にメンバーのことが大好きです。


だから、
その和を乱す人が許せないし、
メンバーのことを悪く言われるのが一番嫌。

自分のことは、
下手くそだとか言われても平気だけど、
仲間のことを悪く言われるのは気に障る。


まぁでも下手くそって言われるのも嫌だから練習がんばります。笑
もっと上手になってメンバーに恩返ししたい。
もっと伝えたい。



大学生のときには、バンドに対してこういった絶対的な強い思いがなかったんだろうな。

ただ、音楽を聴くのが好きで、歌ってギターが弾けたらかっこいいなぁくらいにしか思ってませんでした。
だからバンドサークルの仲間となんとなく世界が違うことを感じて、1年ちょっとで辞めてしまったんだと思います。



でも、一人でもギターを手放さないで続けてきて本当に良かった。

社会人になってからバンドを組んで、
こんなに大好きになって続けてるなんて、
大学時代のバンドサークルの人たちは絶対に予想してなかったと思います。

私が一番長くバンドやってる。たぶん。

果てはラジオパーソナリティーとして、音楽についておしゃべりしてるなんて、誰も想像してなかっただろうな。



そんな私がバンドをやめたり、
バンドメンバーから外れるときってのは、
自分が和を乱すと判断したときか、
なんらかの理由でギターが持てなくなったり声が出なくなったりしたとき。



元々音痴だった私が、ここまで音楽を続けてこられたのは、まぎれもなく仲間のおかげ。


私は天才型じゃない。
間違いなく努力型だから、楽しく続けるためにも練習がんばりたい。

下手くそは下手くそなりに。
苦にならない程度に。
義務感が大きくなってくると楽しくなくなってくる。



これからもきっと
バンドをやり続けるだろうし、
やめても音楽は聴き続けるだろうな。



余談だけど、

私が音楽を『きく』というときに、
『聞く』ではなく『聴く』を使うのは、
自然に耳に入ってくるのを流して聞くのではなくて、
自ら好きこのんで進んで聴きにいってて、
こちらを使うのが好きだから。
好きだから集中して聴く。

でも、自然に耳に入ってくる音楽も、
そこから新しく出会う音楽もかけがえないものだから、
漢字は別にどちらを使ってもいい。

余談は余談。

とにかく音楽が大好きだ。
仲間が大好きだ。


今日も明日も
音楽を聴いて、音楽を演って、
1日1回でも笑える毎日にしていきたい。

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