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充実した浮世絵展を涙目で駆け抜けて、リベンジを誓った話

すごく充実した浮世絵展だった。だからこんなことになってしまったんだ~。

タイトルの内容を先に書きます。
展覧会レビューは後半に。レビューを読みたい方は前半は飛ばしてください。

じっくり見すぎて、後半すっ飛ばす!

終わってみたら茫然、涙目。ばかみたい。
準備不足はだめ!の典型。

美術展を見にいったのに、半分も見られなかった、というだけなんだけど。

夏休みをとった平日、家事やら息子のお昼やらであっという間に午後。
美術館に行くつもりで予約を取ろうと思ったら、そこはいっぱい。では、と都美術館の浮世絵展に急遽変更。
15時半に行った。
これが第一の敗因。出足が遅かった。

東京都美術館の「日本三大浮世絵コレクション」はすごいらしいぞと聞いていた。
しかし予定変更をしたので、心の準備ができていない。いつも何もしないけれど、気持ちが浮世絵じゃなかったから、浮世絵方向に修正しつつ、入る。これも敗因かも。

よし、ちゃんと見よう、とイヤホンガイドまで借りちゃった。
でもあれ? 作品リストがない。聞くと「今回は作っておりません」。
え、そんなの初めてだよ。これが第二の敗因。全体を把握できず。

で、見始めたらおもしろい、美しい。毎度ながら知らないことがいっぱいあるし、イヤホンガイドも勉強になるしで、じっくり見ていた。
メモまで取っちゃって。
これが第三の、最大の敗因。

はっとに気がつくとすでに17時。
何時までだっけ…と急に焦る。
閉館時間をチェックし損ねたのも大きな敗因、第四。

いやな予感がしてイヤホンガイドのリストを見ると、まだ半分も行っていない。
うそ!
そして追い打ちをかけるように「17時半で閉館です」。
う、そりゃそうだよね。

でもまだ半分も見ていないんだよ!
どうするの!
どんだけあるの!
この時点でまだ全貌を把握できていない。

これから写楽も歌麿も北斎も広重も国芳もあるんだよ~~~~~。

チーン。

私の中で終了の鐘。

ガガガガガ…とスピードアップして見まくるけど、すごい作品ばっかり。
刷りが違うとか、肉筆とか言われても、じっくりなんて眺められませんから!

30分で残り半分を駆け抜けながら、もう涙。
何を見たか、残らない。
すごいものがいっぱいあったけど、新幹線の車窓のように流れていった。

イヤホンガイドを返しながら、敗北感にうちひしがれた。

もったいないことをした・・・。劇の最終幕を見損ねた気分。

しょうがない。
また来る。来るしかない。
だってこれじゃ見たって言えないもん、自分に。

9月22日までに、また来ます。リベンジします。
そんな大したことのないリベンジですけどね。
誓いました。

大充実の日本三大浮世絵コレクション

いや、もうだから、すばらしかった。逸品ぞろい。

知らなかったけれど、太田美術館(東京・原宿)、日本浮世絵博物館(長野・松本 東京・浅草に分館が開館予定)、平木浮世絵財団(現在閉館中)という浮世絵の三大コレクションを集めた展覧会。私は太田美術館に2回行ったことがあるだけ。ほかの2館は存じ上げませんでした。

全体は5つに分かれていて、

第1章 初期浮世絵
第2章 錦絵の誕生
第3章 美人画・役者絵の展開
第4章 多様化する表現
第5章 自然描写と物語の世界

特に第2章の鈴木晴信が圧巻。こんなに繊細で美しかったのか!と優美な線、可憐な姿に見ほれた(ら、時間がどんどん過ぎた)。作品数も豊富で、いかに当時周囲が晴信に強い影響を受けたかがよく分かった。
浮世絵界のスーパースター、という言葉に納得。
でもその周囲の浮世絵師も精緻で見事。

第3章の美人画・役者絵も、その変化が見て取れた。可憐さから、厚みのあるすっと伸びた女性像へ。鳥居清長の八頭身美人。着物や道具などの風俗も、細かく描かれ、見入ってしまう。
歌麿のなんという色っぽさ、肌がすうっときれいに見える…あたりでもう急ぎ足。

以下は元気があったら追伸します。

とにかく見ごたえありの浮世絵展。写楽でも北斎でも、だれか一人だけを見たいのだとしても、行く価値あり。流れの中の作者も見えてくる。
北斎と広重の違いとか、次回はじっくり見たい!

全体は450点もあるそうです。
コロナだからあまり長居をしないようにと言われるけれど、でもある程度のお時間をとることをお勧め、せざるを得ません。

日本三大浮世絵コレクション 東京都美術館

日時指定制 9月22日まで(8月25日より展示替え) 9:30~17:30


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