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どうやってどん底から這い上がったか④人生をあきらめ、運命を受け入れる

約12年前に、重度のうつ病、PTSD、双極性障害(そう鬱病)と診断され、2度に渡って精神病の閉鎖病棟に入院し、絶望の中で生きていた私。

私は一生このまま地を這うように生きるか、もしくは死を選ぶか。それしか選択肢はないと強く思っていたが、初めにうつ病がやってきてから13年経った今、幸せに暮らしている私がいる。

どうやって、どん底を抜け出し、そして浮上し、幸せな毎日を暮らしているかについて、思い出せる限りのことを書いてみることにします。

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精神が崩壊してからの私はいつも自分の運命を羨み、自分自身を責め続けていた。

事故に遭ったこと、双極性障害という診断を受けたこと、30半ばにして無職、独身であること。どれも受け入れたくないが事実だった。

事故に遭ってさえいなければ、私の精神の弱さがここまで露呈されることもなかったのに…

こんな忌まわしい診断を受けることもなかったのに…

元いた会社で今も楽しく働いていたはずなのに…

なんで、あんな事故に遭ってしまったんだろう…

いや、単に事故はきっかけで、これは私自身の問題だ、やっぱり悪いのは私。

ずっとこんなセルフトークを繰り返し、頭の中は常に

ネガティブな言葉で溢れかえっていた。

頭の中はずっとそんな調子だから、何をしていようが生きているだけで苦しかった。


さて、ここをどう乗り越えたか。

ひとまず、責めたければとことん責めてもいいから、とにかく内にあるものを抑えこんだり、蓋をしてなかったことにしないこと。

水面でもがくのではなく、自ら海底へと深く深く潜っていくのだ。

そして、どん底の底まで一旦沈み切ってみる。(苦しいし、沈み切るまでには少し時間がかかるかもしれない)

なぜなら、そのタイミングは沈み切った後にようやくやってくるから。

「人生をあきらめ、運命を受け入れる」タイミングだ。

④人生をあきらめ、運命を受け入れる

こんなはずじゃなかったと、自分ではない何者かになろうとしてた人生を諦め、ただただ自分の運命を受け入れる。

これまで苦しんできた自分自身を自らの手で救うために。


私の場合、

「一生懸命努力してきたつもりだったけど、34歳、無職で実家暮らしの独り身。精神疾患を患って日常生活もズタボロ!でもそんなこと、もうどうだっていい。自分に期待するのやーめた。人と比べるのもやーめた。もう、自分の人生全部あきらめたー」

そして、1番肝心なこと。ずっと心の中で思ってたこと。

「あの事故は100%私は悪くないのに、あんな事故が起きたから。なんであんな事故が起きたのよ!」と心のどこかで、事故を否定し続けていた自分を捨てた。

事故に遭ったことを、ただそのままに運命として受け入れることにした。

すべてをあきらめ、自分の運命を引き受けた時

自分自身が「空(くう)」になるのをはっきりと感じた。

その時の解放感は今でもはっきりと覚えている。

過去に起きた出来事が私を苦しめているのではなく、私は自らの手で重荷を背負い、その重荷をさらに重くしていただけだったことに、ようやく深いレベルで気づくことができたからだ。

重荷を全部下ろした私の眼に映る世界は、なーんにもないまっさらな世界だった。

あきらめるということは、これまでの自分(過去)と、これからの自分(未来)を捨てること。

思い通りにならなかった過去も、思い通りにならない未来も捨ててしまうのだ。

過去と未来を捨てることで見えるのは、「今」

そう、人生をあきらめ、運命を受け入れることで、手に入るのは

かけがえのない「今この瞬間」

人生をあきらめ、運命を受け入れることができると、

誰かと比べることなく、等身大の自分のままで、日々の行動を起こせるようになる。


私なら

「そうだ、まずはもう一度社会と接点を持とう。アルバイトからはじめてみるか。」

「会社に就職するのはハードルが高いけど、学生にならなれる!よし前から学んでみたかった理学療法を学ぶため、専門学校に行こう」

「そろそろピラティスの指導を再開してみるか!」

そこには、これまで自分が必要以上に恐れてきた他人の目や、世間の常識など、全く気にする
必要はない。

34歳にしてドキドキしながらアルバイトの面接に行き、18歳の子たちに混ざって理学療法の専門学校に通い始め、そののちピラティスの指導を再開した。

社会のお荷物だと思っていた自分が、アルバイト先が決まった時の喜びは今もハッキリと覚えている。

勢いづいた私は、その後「よし、婚活でもしてみるか」と言い出し、猛烈な勢いで婚活をはじめた。

そこにはまた紆余曲折があるのだけど

2年後についに結婚し、今では2人の子供に囲まれてワイワイと暮らしている。

「あきらめてなかったんかい!」とつっこまれそうだけど、決してそうじゃない。あきらめたからこそ、今があるのだ。

受け入れたくない事実ほど、それを心から受け入れたとき自分自身が軽く、そして楽になれる。

これまでずっと苦しんできた自分を自らの手で救う。ほんの少し勇気をだして。

人生をあきらめ、運命を受け入れる。

この事は、決して避けることのできない大切なプロセスかな。


どうやってどん底から這い上がったか①〜③はこちらから

①大波に抗わない②ありのままの自分を受け入れる

③ほんの少し勇気を出して小さな行動を起こす


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