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大学研究室から優れた「知」を流通させる。【卒論 OPEN AWARD 2021】

こんにちは、知財図鑑 代表の出村です。もうすっかり年度末ですね。世間では受験の話題も佳境ですが、今日は卒論について。


日本には、これまであまり触れられなかった「未開の社会課題」があります。それは大学卒業生の「知」が埋没している問題です。

この課題は、最近私が企業のコンサルティングを行うときに、自分の卒論で得た検証結果を引き合いに出して説明することが何度か連続したことで気づきました。

2007年度に私が書き上げた卒論は「B to B市場におけるキャズム現象への対応性の有効性検証」という長ったらしいタイトルでした。

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キャズムというマーケティング上の普及の「溝」を超えるためにはどんな施策が有効なのかを検証するために、エージェントベースシミュレーションというプログラミング手法によってマクロな現象を観察し、考察を提言した研究です。

22歳の1年を費やして、教授や博士、先輩のアドバイスを受けながら書き上げた論文の結論は至ってシンプルでした。

B to B市場においては新製品はテレビCMのような大型認知獲得策よりも、小さいドメインでTOPを獲り、口コミや紹介などを経て次のドメインを攻めることが有効だ。

という結論です。

大学を卒業して10年以上経ちますが、実ビジネスの体感としてもこの結論には一定の説得力があると感じたので、コンサルティングプロジェクトでも参考情報として使う機会ができたのでした。しかし、私の卒論はネット上に掲載もされていないため、とても共有がしにくかった。

この体験が大きな気づきになりました。

私の卒論がすごいでしょ?という話ではありません。

私の卒論よりも世の中に貢献できそうな研究がきっとたくさんあるはずで、それらも同じく研究室の書庫以外から参照できない状態になっているのでは?

ということが主題です。

一部の優秀な学生の論文は、学会誌や専門誌に投稿されるなど、世の中からアクセスできる状態にあるかもしれませんが、大半は私の卒論と同様ではないか。

1年間に卒業する大学生の数は、約56万8,000人(平成29年度 文部科学省統計)。仮にそのうち1/3の大学生が研究をしていたとして、約19万もの論文がアクセスしにくい状態に陥っているのでは。
これは、社会にとって大きな損失であり、研究をがんばってきた優秀な人材にとっても機会損失です。

知財図鑑では、この問題について、風向きを変えるために一歩踏み出してみられないかと考え、卒論を募集するアワード、「卒論 OPEN AWARD 2021」を実施することにしました。

本アワードが大学から実社会に仮説のバトンをつないでいくきっかけとなればと思います。

《協賛を受け付けています》

この取り組みに共感をいただける企業・団体・学校関係者様から、協賛を受け付けます。
広報活動への協力、運営資金のサポート、審査への関与など、コラボレーションを行うことで、社会への影響をともに作っていくパートナーからのご連絡をお待ちしております。
詳しくは以下のお問い合わせ先までご連絡ください。

株式会社知財図鑑「卒論 OPEN AWARD」担当者宛
info@chizaizukan.com

《卒論 OPEN AWARD 2021 応募概要》

1. 募集内容 
学生による論文。学部・研究ジャンルは問いません。
大学生だけではなく、高校生・専門学生・修士・博士も応募可。
論文の要約を応募フォームに沿って記入し、元となる論文データもアップロードしてください。

2. 応募資格
在学中の学生・もしくは今春に卒業予定の学生。
※国籍・年齢は問いません。
※グループでの応募も可(代表者名を記載の上応募をお願いします)。
※過去に発表した内容も可。

3. 審査
「知財図鑑」編集部

4. 審査基準
「世界の進化に貢献する可能性の高い研究かどうか」を中心に、以下の各項目をもって厳正な審査を行います。
【新規性】固定観念にとらわれず、新たな切り口で仮説を立てているか
【社会性】解決が望まれる社会課題との関連性が強いか
【応用性】多様な企業や団体・研究者が関わり、新たなプロジェクトにつながりやすいか

5. 応募締切
2021年4月11日(日)PM23:59
発表 2021年4月下旬に「知財図鑑」ウェブサイト内特設ページにて発表予定です。

6. 表彰
表彰内容および副賞は以下の通り。
※審査内容や選考結果についてのお問い合わせにはお答えできません。
●最優秀賞(1名)
研究費5万円(アマゾンギフトカード)贈呈/知財図鑑への卒論・研究内容の掲載
●優秀賞(3名)
知財図鑑への卒論・研究内容の掲載※入賞者のみなさんには知財図鑑から研究内容についてオンラインインタビューをさせていただく予定です。
表彰内容および副賞は以下の通り。
※審査内容や選考結果についてのお問い合わせにはお答えできません。

7. 応募方法
以下のフォームより応募ください。
応募者プロフィールと論文の要約を応募フォームに沿って記入し、元となる論文データ(PDF推奨、仕様・ページ制限なし、100MB以内)もアップロードしてください。
▼卒論オープンアワード応募フォーム
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeqlQt3cy_h7in-7gfEoYxiIzsl4Ocbn6j3pcq2i7-IhnAUcg/viewform

<知財図鑑内特設ページはこちら>
https://chizaizukan.com/sotsuron

<お問い合わせ>
株式会社知財図鑑「卒論 OPEN AWARD」担当者宛
info@chizaizukan.com

※注意点:応募いただいた論文はすべてウェブサイト等で公開される可能性がございます。論文の著作権の管理について弊社では一切責任を負いませんので、共同研究者や研究室等の承認など、権利処理を行った上でご応募いただくようお願い致します。その他の不明点についてはメールにてお問い合わせください。(頂いた個人情報については、審査の目的以外には使用致しません。)


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