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日本商工会議所が公開している知的財産活用事例集に掲載の経営者の声から見えてきたこと

こんにちは、知財コーディネート広場です。


今年の4月に日本商工会議所WEBサイトにて知的財産活用事例集が公開されました。


日本商工会議所のWEBサイトでは、事例公開の理由として以下の記載がされております。

新型コロナウイルスの影響による需要停滞や、物価高騰、人手不足など、様々な経営課題の解決には、知的財産等を活用した付加価値拡大による原資の確保・拡大が重要です。そこで、「知財の活用=稼ぐ力」であることに気付いていただき、皆様が「知財経営(知的財産を活用した経営)」に取り組むきっかけとなるよう、積極的に知財経営を実施する企業等の事例を取材し、公表します。

出典元:日本商工会議所WEBサイト(https://www.jcci.or.jp/support/information/chizai_backstage/index.html



事例の一覧を見ると製造業が多いものの、それでも実際に知財と向き合った経営者の生の声を知ることはとても勉強になります。


2024年5月17日時点で公開されている事例から見えてきた知財経営へ踏み切った2つの決断理由を、ざっとですがまとめました。何か1つでも参考になることがありましたら幸いです。




1:守りのために知財経営を決断している

前述の通り事例には製造業が多いため、自分のノウハウを模倣されないために知財経営を考えた経営者が多い傾向にありました。


「新規性の高い技術だからパクられないように特許を取った方がいい」
「こちらの了承を得ずに他社に勝手に製造されていた経験があった」
「商品の反響が大きくなっていくなか模倣されないか心配になった」


守るために知財経営を決断されていましたね。


これについては、以前直接経営者にインタビューさせていただいた時にも同じような話が出ていたのを思い出しました。



2:ブランディング強化のために知財経営を決断している

「独自性のある強みを活用し、他社と差別化をはかる」
「自社の歴史的な価値を維持しながら、他社との価格競争に巻き込まれないようにする」

これらを理由に知財経営に踏み切ったという経営者もいらっしゃいました。


つまりはブランディングのためとも言い換えられるのかなと思います。前述の経営者インタビューで1名の方も仰っていましたね。


今回拝見した事例でも同じような話をされている経営者の方が結構いらっしゃった点からも、VUCA時代を生き残るために自分らしさを追求している経営者が増えてきているなと感じました。



その他共通するのは「諦めないこと」

これも以前の経営者インタビューと共通するのですが、


「なかなか理想とする弁理士と出会えない」
「類似品の登場により特許の侵害について争った」
「却下・拒絶されたことも少なくない」
「国際特許が難しかった」
「すぐに売上に繋がらない」


など、様々なハードルがあり苦悩したという声も紹介されていました。
おそらく、上記に関連することやそれ以外のことが理由で断念されるかともいらっしゃるのではないかと思います。


ただ、こういった事例に掲載されるわけですから当たり前と言っては当たり前なのですが、諦めずにやり抜かれているなと感じました。


諦めないことは今回の知財に関することでなないですね。
経営の神様松下幸之助さんや、元プロ野球選手のイチローさんも
諦めない大切さは仰っていますし。


また、事例に掲載されていらっしゃる方のほとんどは、弁理士をはじめ知財に詳しい方に相談したり、大変なときに相談するなど、一人でやろうとせずに必要な方々に協力してもらっています。


1つの目標を目指しそこに共感してくれる人を巻き込み、そして何があっても諦めずに挑戦し続けることが大切なのだということを学ばせていただきました。


このような素晴らしいコンテンツを公開してくださったことに心から感謝申し上げます。




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