知財に関して経営者に聞いて何となくで見えた3つの共通項
こんにちは、知財コーディネート広場です。
この度ご縁あって、特許や商標などを複数取得されている会社の経営者に
リアル&オンラインで取材することができました。お忙しいなか、貴重なお時間をいただきまして改めて心から感謝申し上げます。
生の声を通じて、知財における様々な考えを知ることができたのですが、そのなかでいくつかの共通項に気づきました。
あくまで、私たちがお伺いした経営者の声を通じてですので、決してこの共通項が答えではないのですが、少しでも参考になれば幸いです。
1:自力で理想の弁理士と出会うのは難しい
ここでいう理想の弁理士とは、一言で「コミュニケーションが良好であるか」を意味します。一部、初めて相談した弁理士と40年以上のお付き合いができている話もあったのですが、理想の弁理士と出会うまで3人目…時間を要したと話されてた経営者が多かった印象です。
今なお、理想の弁理士に出会えていないケースもいれば、経営者仲間からの紹介で出会うことができて長きに渡ってお付き合いが続いているケースもありましたね。
特に専門的な技術を有する会社の経営者からこのような話があったかなと。この場合より密なコミュニケーションが必要とされる故に、相性はもちろんですが、技術を理解しあえる力も大切なのだと思いました。
2:知財ですぐに売上は上がらない
いくら特許や商標を取ったからといって、それが売上に直結したかというとそうではないと仰っている経営者が大半、と言いますかほぼ全員でした。
自分たちが生み出した武器を知財で「守る」ことが最大の目的であって、「攻め」の考えで取得していない。だから売上が上がったとは考えられないと仰ってましたね。
ただし、知財を取得してなければ模倣されてしまい、経営的なダメージ(売上減少)を受けてしまう可能性もあったことを考えれば、そこはプラスだったかもしれないという声もありました。
また、長期的なビジョンの実現のためには、知財を取得しブランディングを強化させることは必須であるという考えから、「投資」していると仰っている経営者も。
直接的には実感がなくても、間接的には何かしらのプラス要因はあると考えられていらっしゃいましたね。
3:取得以上に運営がキツイ
知財を取得したからそれですべてが終わりというわけではなく、むしろ取得後が重要であると考えられている経営者も多かったです。
「知財を取れば取るほど訴えられることも多い」
「逆に模倣されたときにどうするかによっては相当なパワーを要する」
「世界に目を向けたときに、いかにして知財を守っていくかが難しい」
運営に関して大きな課題感を持たれておりました。
大手みたいに専属部署があればまだしも、少数精鋭でやっている中小企業にとっては、詳しい人を兼務させるか、経営者自らが対応するケースがほとんど。そうなったときによほどの覚悟がなければ難しいと声を大にして話されていたのが印象的です。
お金もかかるし労力も使う。それでも知財を取得するのは会社の永続とビジョン実現のため
3つの共通項だけ見たら、一言で大変そうです。
それでも取得しているのは、繰り返しですが企業を永続させるために自分たちを守る、そして未来のビジョンを実現させるためであると仰っていた経営者が割合としては多かったです。
目先のことも考えながら、自分たちの未来のために、中長期的視点も持たれて挑戦されていらっしゃる点は素晴らしいと思いましたし、とても勉強になりました。
これは知財だけの話ではないかもしれませんね。そして現場の声を聞く大切さを改めて実感させられました。今後も積極的に現場の声を聞きながら、今後に活かしていきたいと思います。
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