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嵐 アルバム収録曲「Love Situation」と「Sugar」の魅力について

2020年11月3日。嵐ファンにとって特別な一日だった。

当初、5月に予定されていた新国立競技場でのコンサート、『嵐フェス2020』。しかし、猛威を振るうウイルスの状況を鑑みて延期となり、デビュー日である11月3日に無観客でのライブ配信を執り行うことになった。

生で見たかった、というのが本音だが、『嵐フェス2020』開催は2日間のみ。ファンクラブの人数を考えると当選確率のほうが圧倒的に低いわけで、見れるだけでもありがたい、そう思うことにした。

そもそも『嵐フェス』とは、ファンが好きな曲を投票し、上位にランクインした曲を嵐が歌って踊ってくれる、ファンと嵐が一体型になって作り上げるコンサート。アルバム、カップリング曲を歌ってくれるという点において、しかも本番まで順位がわからないという点でワクワクドキドキが止まらない、そんなコンサートなのである。

コンサートは夕方16:30~はファンクラブ会員向けに、19:30~は一般のファンも見れるような二部構成。第一部をリビングにて全力で楽しんだ私は興奮冷めやらぬまま、第二部も楽しんでいた。その第二部のMCのである一曲が話題に上った。

「「Love Situation」、何がそんなに良いの?」

嵐のリーダー、大野くんが疑問をメンバーにぶつける。もちろん、大野くんをはじめ、他のメンバーはなぜこんなにも人気なのか、あまり腑に落ちていないようだった。

「Love Situation」は2007年に発売したアルバム、『Time』に収録されている曲でCD購入者又はコンサートに参戦したファンのみ(後にDVDを購入したファンのみ)が知る曲だ。
2012年に国立競技場で執り行われた『嵐フェス’12』でファン投票上位にランクインし、披露された。そして翌年の『嵐フェス’13』でも変わらず上位にランクイン。そして今回の『嵐フェス』ではアルバム曲の第2位に食い込んだのである。

【嵐フェス2020アルバム曲ランキング】
1位:5×20
2位:Love Situation
3位:5×10
4位:エナジーソング~絶好調超!!!!~
5位:Sugar

1位と3位の曲は嵐がデビュー10周年、20周年のタイミングで出した曲でファンにとっても、嵐にとっても思い入れのある曲だ。また、4位の曲は2011年に発売したアルバム「Beautiful World」のセブンネット限定盤にのみ収録されていた曲であるが何度もコンサートで披露された盛り上がるナンバーでファンにとっての馴染みのある曲だ。
この並びでいくと確かに「Love Situation」の人気は謎だ。アルバムのリード曲(※アルバムを象徴する曲のことで、テレビで披露することもある)でもなんでもない。

そして5位に入った「Sugar」にも同じことが言える。

「Sugar」は2017年に発売したアルバム、『「untitled」』に収録されている一曲。発売されてから約3年で5位に食い込んできている。最近の曲だから印象に残っているファンが多いというのもあるかもしれないがそれだけで5位に食い込んでくるだろうか。

だけど何を隠そう私も「Love Situation」と「Sugar」に投票したファンの一人。イントロがかかれば嬉しさのあまりに悲鳴をあげてしまうこれらの2曲。どこが魅力的なのかメンバーに伝わってほしいと思う。もちろん、一ファンがSNSに良さをつらつらと述べたところでメンバーに届くわけではないことは重々承知している。結局は伝わる、伝わらないは別として語りたいのである。

ということで前置きがかなり長くなったが、今回の記事では「Love Situation」と「Sugar」の魅力について、共通点を交えながらつらつらと述べていきたいと思う。

※あくまでも見解であることをご了承いただきたい。

期間限定公開『嵐フェス’12』 31:03~「Love Situation」

期間限定公開『「untitled」』 1:04:20~「Sugar」


イントロ

両曲の魅力の1つ目として挙げたいのがイントロだ。
「Love Situation」はピアノのイントロから始まるのだが、そのピアノの音が耳に心地よく響く。そしてそのピアノ演奏の後に「タン! タン! タン! タン! タン!」とメリハリのある音が続く。今から曲が始まるぞ感、来るぞ、来るぞ感がAメロにたどり着くまでに楽しめる。そしてラブリー。冒頭からワクワクさせられるのである。

もちろん、「Sugar」も「Love Situation」同様にイントロに来る来る感がある。テンポよく鳴り響く「タンタンタンタンタンタンタン!!」。その後に続くのは疾走感があるメロディー。「Love Situation」とは打って変わっって疾走感たっぷりで、それでいて落ち着いた雰囲気を醸し出してくるのがたまらない。

歌詞

歌詞がとってもラブリーなのが「Love Situation」。デートに行く男性の気持ちが描かれているのだが、めちゃくちゃかわいい。大好きな人に会いに行く前の高揚感、ぎゅってしたい。街中のすれ違う人に「シアワセ分けてあげたい」気持ち、わかる! だけど実際に会ったら頭が真っ白になって、考えていた計画なんて一瞬で飛んでしまう……。恋する気持ちをドストレートに表現してくれている曲だ。そして男性目線を女性目線に変えるとあら不思議! まるで嵐のコンサートへ参戦するファンの気持ちを歌ったかのような錯覚に陥る、そんな曲にも聞こえてくる。共感度が一気に上る。何度でもリピートして聞きたくなる。

打って変わって「Sugar」は複雑な恋の歌だ。男性目線というところは「Sugar」と同じなのだが男性の立場は弱い。というのも女性にはおそらく他に相手はいるのだ。(2番の歌詞より)だけどクールで魅力的、そしてどこか儚げな女性の魅力から抜け出せられない男性。今、この瞬間だけは自分だけを見てほしいと願う気持ちに心が締め付けられる。戻れなくてもいい。Sugarである彼女と溶け合っていくシアワセを感じている、そんな切ない歌。そんな男性の心情を女性から圧倒的人気がある嵐が歌い上げるギャップが最高。


演出

「Love Situation」は今ではコンサートでは当たり前となっているムービングステージを活かした演出がなされている。ファンの頭上や横を通ることでメンバーを近くに感じることができるムービングステージ。そのステージを左右に分断し、大野・松本組と櫻井・相葉・二宮組の二組に分かれて激しくダンスを行うのがお決まりの演出だ。外周を右周りに動くのステージ上では歌が始まる。左周りに動くステージ上ではキレの良いダンスが始まる。ダンスも見たいけれど歌もみたい。あぁ、どこに目線を持っていけばいいのか! とファンを困らせるような演出になっている。だからこそ、何度も見たい。一回では見きれない。二回、三回……と見たくなる。
「Sugar」は嵐5人が一曲丸々、コンサート会場の中央でダンスをする曲だ。アルバム曲をコンサートで歌うとしても一曲通しでダンスがつくのはレアな部類に入る。コンサートに運良く入ることができたファンだけが見ることができるご褒美のような一曲だ。
また、曲の二番では世界が回転しているような、独特のカメラワーク演出が成される。まるで不思議な世界に迷い込んだような感覚に陥るのだ。そしてソロパートが多いため、カメラによる「抜き」が多く、大好きなメンバーをブレることなくしっかりと映してくれるそんなありがたみもある。コンサートの席が上の方でも、DVDで鑑賞するときでも楽しめる、魅力的な演出だ。

衣装

今年の『嵐フェス』を含めて「Love Situation」の衣装を私は4パターン知っている。正直、素敵! と思ったのは2つ。残り2つは微妙だ。『嵐フェス’13』の王子様のような服装と今回の衣装はラブリーな曲調にぴったり。見とれてしまうような、見ているだけで口角が上がってしまうような素敵な衣装。残りの2つはというと、『Time』ではピンク色の迷彩だった。(ピンク色の迷彩ってどういうこと? と思ってしまう。)『嵐フェス’12』に至ってはライフジャケット風だった。(陸上なのに? なんて。)だけど微妙と思う衣装も独特すぎて記憶に鮮明に焼き付いていて……忘れられない。
一方の「Sugar」は『「untitled」』での衣装にはなまるを出したい。白をベースにカフェオレ色のジャケット。ジャケットには濃茶でベルトやデザインが各々施されていてとってもオシャレ。Sugarの白が女性を表しているとしたら、カフェオレ色は男性を表しているのではないかと思えるくらい。男性なら黒とか紺のほうが……? と思われるかもしれないがこの歌詞の男性のイメージはカフェオレ色がぴったりだと思う。『嵐フェス2020』では黒っぽい衣装だったのがちょっと残念。だけど5人全員がジャケットロング丈だったのは久しぶりなのでそれはそれで◯。(結局は何を着ていても好きな曲なら何でも◯。)

セリフ

Love Situationであれば潤くんの「チカヅキタイ」。
Sugarであればにのちゃんの「There’s nothing I can do.」と翔くんの「so gimme one more kiss」。それぞれファンに「きゃー」という時間を与えてくれる。思い出してにやにやできる幸せがある。

「Love Situation」と「Sugar」の関連性

「Love Situation」が世の中に出てきたのが2007年。大好きな二宮くんは当時24歳。一方「Sugar」が世の中に出てきたのが2017年。大好きな二宮くんは当時34歳。
まだあどけなさが残る24歳から10年経って、(まだまだあどけなさはあるものの)素敵な男性になった。もちろん、他のメンバーも。そしてファンも同じく10年の月日を共に費やしてきたことになる。10年……10年あれば人生に色々な変化がある。

かつて「Love Situation」が好きだったファンは2007年から2012年の嵐フェスにかけて5年大人になり、更に2017年の『「untitled」』発売時には5年大人になった。大人の恋が理解できる年齢に。そうして「Sugar」の歌の意味も理解し、徐々に虜になっていったのではないか。

2007年、24歳だった二宮くんをはじめとする嵐がもし、そのときに「Sugar」を歌ったとしても「Sugar」が持つ大人の世界観を表せていなかったと思う。24歳はそれなりにもう大人だけれど、アイドルとして、まだまだ擦れていてほしくないお年頃。「Sugar」の状況は「Love Situation」の中をキラキラと生きている対象の人では経験できない状況で。(もちろん、Love Situationのように昼間、キラキラと出発し、夜にSugarのようなしたたかさを発揮するというレアなパターンもゼロではないですがここでは一旦その結びつきは置いておこう。)嵐も10年経って、大人の切ない恋をアップテンポに乗せて歌い上げる年齢になったのだ。

結論

「Love Situation」の良さ、そして「Sugar」の良さ。
それはギャップだと思う。

今現在の大人嵐が若嵐のラブリーな「Love Situation」を歌うキュンキュン感、大人気の大人嵐が「Sugar」の従順で切ない男性の心情を表現するドキドキ感。そんな嵐をコンサートで見たい! そんなファンの想いが積もり積もって「Love Situation」と「Sugar」が上位に来たのではないかと考えた。


ここまで書いて約4,000字。誰得でもない。一ファンの備忘録だ。
ここまでお付き合いいただいた方がどれくらいいるのかわからないけれど、いらっしゃったら非常に嬉しい。

ちなみに11月3日の『嵐フェス2020』から書き上がるまでこんなに時間がかかってしまったのは書くかどうか迷ったからだ。そしていざ書くとなると、自分の頭の中の考えが上手くまとめられず書いては消し、書いては繋げを何度も繰り返すことになった。好きな2曲を取り上げるのなら、納得のいくものが書きたい、という思いからだ。
そして今、書き上げることができてちょっとスッキリしている。頭の中に溜め込んでいた想いを放出した、と表現すると伝わるだろうか。だからぜひとも全国の、一人でも多くの嵐ファンに読んでもらえると嬉しい。

ちなみに、私の書いた記事のなかでアクセス数が上位なのがこちら。嵐のアルバム曲、カップリング曲を集めた私のプレイリストが載っている記事だ。


もちろん、アクセス数が上位なのは嵐人気にあやかっているから。それは間違いない。だけどもし、ご興味のある方がいらっしゃるのであればこちらもぜひ読んでいただきたい。

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