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アニメ感想/SF

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SFに分類されると思われるアニメの感想をまとめています。
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#アニメ感想

[アニメ映画感想] 風の谷のナウシカ:植物の発する毒によってじわじわと滅亡していく人類の前に降り立ったひとりの姫様のお話

テレビでも何度も放送されているので見たことのある人も多いかもしれないけれど、これは一度もナウシカを見たこと読んだことがない人向けの記事です。 『風の谷のナウシカ』は宮崎監督の代表作の一つではありますが、ジブリ作品ではありません。 ジブリができる前の作品なんですね。 当時はまだ実績の少なかった宮崎監督の作品として、原作のないものはダメと言われて、先に漫画の連載が始まり、その途中で映画化されました。 この漫画、12年をかけて完結に至り、映画はそのほぼ冒頭の部分と言えるような

[アニメ感想] 未来少年コナン:何十年経っても色あせない、人類はこれでいいのか?という問い

宮崎駿監督が全話の演出を担当した、実質的な監督デビュー作。 その後の監督作品の原型ともいえる要素が満載なのだ。 舞台は最終戦争から20年経った西暦2028年…。 久々に、この物語の設定を確認してびっくり。すごい未来の話かと思ってたんだけど、結構もうすぐじゃん…。 コナンの世界での世界戦争は2008年に勃発している。 そして、コナンは2016年生まれ…なんとうちの息子と同じ歳なのであった。 このアニメが放送された時には2028年なんて超未来って感覚だったのかもしれない。

[アニメ感想] おとなりに銀河:宇宙発のラブコメだけど家族の物語でもある

癒し系のラブコメなのかと思い気楽な気持ちで見始めたら、全く違うところにロックオンしてしまった…。 主人公の久我 一郎は、父親を亡くし、23歳で幼い妹と弟を育てている。母親はいない。 彼は漫画家であり、父の残したアパートのオーナーでもある。 そこへ漫画のアシスタントとして、五色 しおりがやってくる。彼女は腕がよく、しかも美女である…。 で、これだけで物語は成立しそうなんだけど、これはSFなのである。 詳しくは見てのお楽しみ…ということで、軽く説明すると、SF的な理由で久我

[アニメ感想] 大雪海のカイナ:超未来世界の人類が暮らす奇想天外な世界…

超未来の人類。ナウシカっぽい世界観。 未来だけど幻想的なファンタジーのような世界。 なんか全てがツボでした。 主人公のカイナは「軌道樹」という大気圏ギリギリくらいの高さまで伸びた巨木の上の「天膜」で、老人たちと暮らしている。 「天膜」の村にはもう数人の人間しか残っておらず、カイナは人類が残した最後の子供…という認識になっている。 そんなある日、「天膜」で狩りをしていたカイナは、下から浮遊する生物に乗ってやって来たリリハと名乗る女の子と出会う。 彼女は「軌道樹」の根元に張

[アニメ感想] 機動戦士ガンダム 水星の魔女:人間が行きつく究極の狂気を見せられたようだ

私のガンダム歴を簡単に書いておくと、初代ガンダム、Ζガンダム、逆襲のシャアだけ見てます。 なので、ガンダム知識はゼロではないけど、だいぶブランクのある状態で『水星の魔女』を見ました。 そんな私でも、「これはガンダムである」と思えるような世界観だったし、同時にとても新しい感じがしたのがすごかったな。 私が知っているガンダムは、戦争に子供(ティーンズ)が巻き込まれるというテーマが根本にあったように思うんだけど、『水星の魔女』もがっつりそれだったなと思います。 物語の舞台は学

[アニメ感想] 痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。:何事も極振りは美しい…

女子高生の親友二人がVRゲーム(VRMMO)で遊んでいる物語。 彼女がプレイしているのは、剣と魔法のファンタジーな世界観の中で、各地に仕込まれたクエストをこなしてレベルを上げていくというゲームである。 時々個人性やチーム戦のイベントなども開催される。 主人公のメイプル(本名 楓)は、友人のサリー(本名 理沙)に誘われてゲームを始める。 メイプルはゲーム初心者で痛いのが嫌いだったために、防御力に極振りの設定でゲームを進めていく。 元々天然…というか固定概念にとらわれない

[アニメ感想] 勇者、辞めます:魔王城の働き方改革をする勇者の真の目的は…?

ある日、勇者レオによって壊滅的となった魔王の城に、レオ本人が現れる。 なんと彼は、勇者を辞めたから自分を雇ってほしいと申し出る…。 当然ながら、魔王の逆鱗に触れてレオは城を追い出されてしまうのだが、魔王軍四天王にうまいこと取り入って、正体を隠しながら魔王軍へとその身を置くこととなる。 レオは、様々な分野において卓越した知識と技術を持っており、戦闘能力も世界最強…。カリスマ性もある。 まあ、それが勇者ってやつなのかもしれないけど、そんな万能なレオは、魔王軍四天王たちに的確

[アニメ感想] リコリス・リコイル:女子高生が東京を守る?

とてもよかった。アクションも物語も全てがよかった。 『リコリス・リコイル』の舞台はおそらく近未来の架空の東京。 街並みは現実の東京と変わらないが、ぶっ壊れたスカイツリーらしき建造物が負の遺産として保存されている。 その景色にまず好奇心を刺激される。 世界一の治安の良さを誇る東京だが、実はその裏でDAと呼ばれる組織が、孤児の少女たちを集めて特殊な武装訓練を受けさせ、犯罪者たちを暗殺したり組織ごとぶっ潰したりしている。 少女たちはリコリスと呼ばれ、女子高生の制服を着ていて

[アニメ感想] 虫籠のカガステル:絶望の中の生きる道筋

Netflixシリーズ。 『虫籠のカガステル』は、人間が巨大な虫になってしまう病気「カガステル」を発症するようになってしまった近未来の地球が舞台。 人々はかつて人間だった虫たちに怯えながら、また自分や隣人がいつ虫になるかも知れない恐怖と共に生きている。 物語の舞台となるE-05という地区は中東を思わせるような砂漠の街で、荒んでいるが雰囲気とてもよい。 主人公のキドウは、虫を退治して生計を立てている一匹狼的な駆除屋で、ある日、馴染みの旅商人の護衛で街の外に出ているときに

[アニメ感想] EDENS ZERO(エデンズゼロ):みんな友達!! と言い続けると一種の悟りになるのかも

『EDENS ZERO(エデンズゼロ)』は、宇宙を舞台にした冒険活劇。 動画配信で生計を立てている(ユーチューバー的な) レベッカはある日、ネタを探しにロボットだけが暮らしている惑星グランベルにやって来る。 そこで暮していた唯一の人間 シキと出会うことで物語が始まる。 わりと王道少年漫画って感じで、子供向けだったか…? と思いながら見進めていたけれど、物語の構造はそんなに単純ではなく、思いのほか複雑で奥深さのあるストーリーだ。 ロボットたちによって育てられたシキは、いろ

[アニメ感想] 東京24区:性質の全く異なる三人の青年が辿る道とは…?

『東京24区』の舞台は2021年東京だけど、現実世界とは異なる歴史をたどって来たと思われる世界。 戦争で特別地区となった東京湾に浮かぶ人工島『東京24区』は東京に返還直前で、政治やらビジネスやらいろいろな駆け引きが行われてる場所となっている。 そこに暮らす青年三人がこの物語の主人公なんだけど、何となく、ちょっと古臭い感じあり。 どこか昭和の香りがするというか。戦後という設定だからなのかな。 この『東京24区』では、治安維持のためにコンピュータを使った犯罪や事故の未然防止

[アニメ感想] takt op.Destiny(タクトオーパス デスティニー):自粛を強いられる人類。現実世界と通じるものがある。

『takt op.(タクトオーパス)』はゲームとアニメが合体したメディアミックスプロジェクトである。 アニメの『takt op.Destiny(タクトオーパス デスティニー)』は、ゲームの世界の前日譚が描かれている。 舞台は西暦2047年。 2020年ごろに地球に飛来した黒い隕石から生み出された怪物 “D2”の脅威にさらされている世界。 怪物たちはなぜか人間の作り出す “音楽” を忌み嫌い襲ってくるために、人類は音楽を捨て何とか文明を保っている状態。 人間たちは対D

[アニメ感想] プランダラ:ギャップフェチにはたまらないし、物語もすごい

『プランダラ』の舞台は、数字に支配された奇妙な世界。 ここでは、生まれつき誰もが身体のどこかに数字が刻まれており、それが、個々の理由によって増えたり減ったりしている。 この不可解な仕組みを持った世界の真相は、後々解って来るんだけど、だいぶ驚きに満ちた世界観がそこにはある。 物語としてのワクワク度はかなり高めだ。 で、その数字がゼロになってしまうと、アビスという地獄的なところへ送られてしまうことになっている。 主人公の陽菜は、カウントがゼロになってしまいアビス送りになっ

[アニメ感想] はたらく細胞:体の中で起こっていることはめちゃSFだった

『はたらく細胞』は、ヒトの体の中にある数十兆個の細胞を擬人化し、体内を一つの都市のように見立てて、身体の仕組みを教えてくれる物語。 赤血球や白血球、血小板、キラーT細胞、マクロファージなどなどが、それぞれの役割に合わせた厨二心をくすぐるキャラクターとなって登場する。 主人公は身体中に酸素を配達する仕事をしている赤血球の女の子と、病原体の駆除を行っている白血球の男性。 人体は日々様々な脅威に晒されており、風邪をひいたり、怪我をしたり、熱中症になったり、病気になったり…そう