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[コラム] 始めて小説を書こうと思っている人へのヒント集

この記事は、小説を書いてみたいけどどうしたらいいかわからない…という人向けに書いてます。

っつても、私もド素人です。

ド素人なりにここ3年くらいWEB小説を書いたり、他の方の小説を読んだりして自分なりに気を付けることができたので、それをまとめたいと思います。

私のような者がノウハウを書くことで、小説を書くことのハードルが下がるかもしれないという思いも込めつつ。
もしかしたら誰かの役にたつかもしれない。

ちなみに、「この世に絶対的正解はない」というのが私のモットーです。
なので、ここに書いていることは、私の経験と感覚に基づくかなり偏った意見であることを何卒ご承知ください。



◎自分のフェチを知ろう、そしてそれをさらけ出そう

物語を書く前には、まず、自分が何が好きなのかを知ることも大切です。
自分が好きな世界を書いた方が楽しいので。

こういう人が好きだな、こういうシチュエーションが好きだな、こんな世界観が好きだな。

などなど、何でもいいので、自分の「好き」を知ると書きたいものも自然と出て来るんじゃないかなと思います。

ちなみに私は、少年が好きで、戦闘能力高めの女性が好きで、AI萌えで、できれば日本刀で戦ってほしくて、くっつきそうでくっつかないのかい!!! な関係に興奮し、仮想現実に憧れています。

小説を書くということは、自分のフェティシズムをさらけ出すことでもあるので、恥ずかしいことかもしれない。
この「恥ずかしい」を克服して、フェチ全開で創作した時に、何かものすごい作品が生まれるのではないかしら、と私は思っています。

いきなりハードルを上げたかもしれませんが、そうなんですよw

あ、必ずしもエロじゃなくていいのですよ。
車が好きとか、料理好きとか、サイコパスが起こした凶悪犯罪を調べちゃう…とか、何でもいいのです。

隠している人も多いですけどね、人類はもれなく全員変態です。だから好きな世界を追求していくのは恥ずかしいことじゃないんです。

まあ、そこまでしなくてもいいのですが、こーゆーの好き!というのが自分でわかってるといいと思います。



◎初めての小説はショートショートがおすすめ

そりゃ、いきなり長編を書くのは敷居が高いです。

ショートショートというのは、明確な定義はないけど、400文字くらいから4,000文字くらいの単発で完結しているお話です。

慣れてくると、短い方が難しかったりするんだけど、最初はこのくらいのボリュームのお話を考えると、ちゃんと完成させられるのではと思います。

短くてもいいので、なにかひとつ完成させることが大切です。

“完成させた” という体験が、その後のモチベーションにも影響していったりますよ。



◎文字数について

小説を書いていると文字数がつきまといます。

文字数というのものは、自由に物語を書く場合はあまり気にしなくていいんだけど、これくらい語ったら何文字くらい…という自分の歩幅というか文字数幅? を把握するクセをつけておくとよいかと思います。

そうすると、自分で気軽に書ける文字数も解って来ると思います。

それから、いろいろな文学の企画では文字数に決まりがあるものも多いので、800文字だったらこのくらい、2,000文字だったらこのくらい…と文字数によって描ける内容や展開、ボリュームを何となく把握できる能力を早いうちに身に着けておくとよいです。

私はこれがヘタなので、800文字って言われて書き始めて、いつも2,000文字くらいになり、泣きながら文字を削除したりしてるんです。

noteの記事などでは、1,000~2,000文字くらいなら、みなさんさっくり読んでくれそうですね。
小説とかだと5,000文字くらいまでならさくっと読めるかな。

WEBで短編小説を書くなら、このくらいの文字数がちょうどいいのかなとは思っています。

といいつつ、私の短編はだいたいいつもの2万字越えです。
私の場合はこのくらいの文字数がないと奥行きのある物語が書けないのです。

この自分にとってちょうどいい文字数って人によって違うと思うので探ってみてください。



◎書きたいジャンルを絞ろう

物語にはジャンルというものがあります。

物語を書きたいと思った時点でこれはもう決まってる場合も多いかもですが、それすら決まってないけど、とにかく書きたい!! という人もいるかな。

ラブストーリー、サスペンス/ミステリー、歴史もの、コメディ、人間ドラマ、SF、ファンタジー、ホラーなどなど。

どんな物語が書きたいのか考えてみましょう。

ラブストーリーや人間ドラマは身近な題材で書きやすい人もいるかもですね。

サスペンス/ミステリー、コメディは高い技術が必要となるジャンルなので、初めての小説ではちょとムズイかもですよ。

歴史ものは、特定の時代にめっちゃ詳しい人などにはおススメのジャンルです。湯水のようにアイディアが湧いてくるはずです。

SF、ファンタジー、ホラーは想像力がものをいうジャンルです。
妄想癖のある人や、これまでこのジャンルの物語に親しんで来た人は書けるでしょう。
そうじゃない場合は、いきなり書くのはちょっと難しい題材です。

さあ、メインのジャンルは決まりましたか?

そしたら次はサブのジャンルを決めてみましょう。
サブジャンルは必ずしも必要なものでもないですが、例えば、SFとラブストリーの組み合わせとか、歴史ものとファンタジーとか、組み合わせると面白いジャンルはいくつもあります。
ミステリーとファンタジーとか、ラブストーリーとホラーなど対極にあるようなジャンルの組み合わせにしてみたりすると面白い発想が生まれたりするかもですよ。



◎キーワードやお題を決めると書きやすい

ジャンルは決めたものの、いきなり「無」から物語を生み出すのは難しいです。
もう書くことが決まっている人はよいですが、「小説書きたいけど何書いていいかわからん!!!」という人は、キーワードやお題を決めると書きやすいです。

昔は辞書をパッと開いて目に入った単語で何か作ったりしたものですが、今、手元に辞書なんてないですよねw

私はよくウィキペディアのランダム表示で出た気になる単語をキーワードにして書いたりしてます。
が、しかし、それでは小説が書けそうなお題はなかなか出ないものです。

そういうときは、このようなサイトでランダムにお題を出してもらうのもよです。

こういうお題を提供してくれるサイトや企画がいっぱいあるのでぜひ利用してみてください。



◎物語の構成を考えよう

書きたいテーマが決まったらいよいよ物語の構成を考えていきます。
いわゆるプロットというやつです。

物語の舞台はどんなところでしょうか。

始めて小説を書く場合は、現代の自分が暮らしている地域を舞台にすることがおすすめです。
何しろいろいろ調べなくても書けますので。

日本語で物語を書く場合は、現代の日本のどこかの街を舞台にすると、余計な説明をしないでも読者は「現代の日本だな」とわかってくれるので小説に書きなれるまではおススメの舞台設定です。

それ以外の場所を舞台をしたい場合は、しっかりと設定を考えておく必要がありちょっとハードルは上がります。

・国や地域はどこ?

物語の舞台となる場所のおおよその地図や見取り図が頭に入っていると、登場人物たちを矛盾なく動かすことができます。
架空の世界である場合は、かなり念入りに世界設定をしないと誰がどこにいるのか読者も著者も迷子になることも多々あります。

・時代はいつ?

場所と同様に時代設定も必ず決めておきたい項目です。
物語の中で必ずしもわからなくてもいい時もありますが、著者はその物語の時代設定を把握していた方がよいと私は考えます。
それによって登場する場所やアイテム、登場人物の様子や言葉遣いなどが決まってきます。

もしも、過去や未来で自分がリアルタイムで知らない時代のことを書く場合はそれなりの取材が必要となってちょいとハードルが上がります。

・どんな登場人物?

人間? 性別、年齢、人種、人格など、出て来る者の情報はできるだけ細かく決めておくと物語を進めやすいです。

・登場人物に何をさせる?

物語の場所、時代、登場人物が決まってきたら、いよいよその舞台で何が行われるのか考えて行きましょう。
この時点でだいたい何のお話なのか決まってると思います。

それに沿って、いつ、だれが、どこで何をどうする? を考え行きます。

よく物語の基本として、起承転結が言われます。

でも起承転結はなくてもいいんです。オチなくてもいいし、転がなくてもいい。
ただ日常の一コマだけでも小説は生まれます。

まあ、でも最初に物語を作るときは、起承転結になぞって作ってみるのがいいかもしれません。

物語の内容については、書き始める前にがっつり構成を作り込む人もいれば、だいたいの大筋を決めて書きながら考える人もいます。

構成をノートなどに書いて構築する方法もあるし、頭の中で組み立てていく方法もあります。

どれがいいのかは個人によって異なります。
自分に合った方法がきっとあるので見つけましょう。

私はわりと思い付きで物語を書き始めて、書きながら話しを練っていく手法です。
ノートなどにメモったりはしません。頭の中でこねくり回して物語を考えています。
その方が意外な展開が出て来ることが多いのです。

私は「転」をいつも意識していて、読んでいる人の想像を超えたいと常に思って物語を考えています。
文字数が少ないとなかなか難しいんですけどね。

そういえば、以前、物語の構成を考えるときの思考をまとめた記事があるのでよかったらこちらも。



◎リアリティを求めて 1:世界観はしっかり定めよう

物語にはリアリティが必要です。

上記項目と被る内容ではありますが、物語の時代設定や国など、なるべく明確に正確に描写した方がリアリティ度が増します。
文章の中で年代を明示するのもアリです。

明確に年代の言及がなくても、例えば登場人物が携帯を持っているのか、それがガラケーなのかスマホなのか、インターネットはあるのか、などなどの描写で読者はおおよその時代を把握できます。
それがブレちゃうと、混乱が生まれます。

例えば、80年代の設定なのに、登場人物が携帯でメールなどしてたりすると、時代がずれてきます。
あえてちょっとずらして、現実の世界線とは違うことを示したりもしますけどね。

細かいことですが、時代設定はかなり意識してやるのが吉です。

そうなってくると、自分がリアルで知らない時代を描くときは下調べが必要になってきます。

中世の人たちは馬車に乗っていた? 庶民も馬車に乗れたのか? どんなものを食べていた?
などなど、物語の中で登場人物たちが暮らす日常をリアルに描くために調べる事がたくさんあります。

・架空の世界の物語を書く時の注意点

これは物語の舞台が架空の世界であるほどにしっかりやらないといけないかと思います。
完全に異世界の物語なのに、登場人物が日本円を使ってるとか、ファンタを飲んでいるとか出てくるとリアリティに欠けてしまうのです。

だからと言って、現実世界の人間が想像しにくい架空の施設やアイテムを何の説明もなく登場させてしまうと、もっとわからなくなります。

↓こんな感じに

ソフィーはバラゾンドの頂に立ち、偶像の領域へと足を踏み入れた。
「結界が消えている。既に誰か先に入ったか?」
延々と続く回廊には人影がなく、コツコツと響くソフィーの靴音がこの場所が無人であるこを告げていた。

この三行で読者は置いてけぼりです。
このように現実世界にないものを語る場合はある程度説明が必要です。

ソフィーはこの世界で一番高い山バラゾンドの頂に立ち、その頂上に佇む “偶像の領域” へと足を踏み入れた。
ここは古の民が信仰していた異教の神々を祭った神殿で特殊な結界が張られ、これまでソフィーの一族は一切足を踏み入れることのできなかった場所なのである。
「結界が消えている。既に誰か先に入ったか?」
ソフィーは “偶像の領域” の長い回廊に進み出ながら独り言ちた。
延々と続く回廊には人影がなく、コツコツと響くソフィーの靴音がこの場所が無人であるこを告げていた。

これで少しは場面が想像できたかな?

架空の世界のものを描写するときにはそれなりに説明が必須なので、文字数制限のある企画などでは扱うのは難しくなってきます。

・異世界転生は便利

それで言ったら、異世界転生ものなどの既にテンプレートの存在する物語を基盤に世界設定をすると、多くの説明を省くことができて便利です。
ただし、秀でたアイディアのセンスが必要となりますが…。


とにかく、現実世界にしろ、異世界にしろ、舞台設定を語るときには、しっかり作り込んで言葉を選んでいく作業となります。
物語の時代や国の設定を作り込み、それにそった生活をさせて、名称や言葉選びを心掛けることでリアリティが生まれます。

↑あえてこれをめちゃくちゃにして物語の要素とする手法もありますが、高度な技なので初めての時はやめときましょうw

リアリティがないと興ざめしてしまって、読者は物語に入っていけません。
登場人物たちがその時代に生きていることを意識して書けるとより楽しいのです。



◎リアリティを求めて 2:登場人物の人格をしっかり定めよう

次にしっかり作り込みたいのは人物です。
物語によっては人間が主人公ではない場合もあるかと思いますが、ここでは何らかの意識を持った生物を全て含めて「人」と言いますね。

意識を持たないものの視点で描く物語もありますが、高度な技術を要するものなので、始めはやめとこう。

物語は人物が動かしていくものと私は考えます。
その場面でその人物がどう動くか、どう思うかによって物語が進行していきます。

その心理や行動にリアリティがないと、物語は薄っぺらくなったり、成立しなくなったりします。

これは、実はとっても重要です。

いろいろな場面でその人格に沿った心の動きや行動をさせることで、物語にリアリティが生まれます。
だから、登場人物の人格設定はとても大事なんです。

例えば… A太のことが好きなB子が押しかけ女房的にやってきて一緒に暮らし始め、A太もまんざらではないはずなのに全く手を出さないために、B子が不意打ちキスしたり一緒に風呂入ったりしはじめて、あれ?いつのまにそういう関係になったのか?と思ってたら、数ヶ月後などに急にベッドシーンが出て来て、B子が急に「はずかしいよ…」とか言い始めて、なんじゃそりゃっ!!! ってなる感じ…。

これがリアリティのない描写の例です。。。

登場人物たちは生きている人間だと意識して書くと、絶対にこうはならないはずです。
こういう場面で実際に人はどのように行動するかな? と考えるのです。

物語の進行に集中してしまうとおろそかになりがちな点です。

文字数制限とかあると心理の変化など書ききれないことも多いんだけどね…。

人間の心理は複雑で、著者の都合通りには動いてくれません。
その複雑さが物語に奥行きを与えて行きます。

逆に人間の心理から著しく外して異常さを描いたりもしますが、それはかなりムズイので最初は自分が共感できる人間を書くのがよいです。

実は私はこのような心理を考慮した行動を描写するのが苦手だったりします。

人間の心理がよくわかってないのです。
だから、割とAIとか人ではない者を好んで書いてしまうんですよね。。

たぶん、私、AIなんだと思います。
人間のことよくわからない。



◎人物の描き分けは難しい

人物のリアリティの次は描き分けのお話です。
これもとても難しいです。

小説だと前後の文章と台詞の言葉遣いで誰が何を言っているのかを把握させないといけません。

人物の人格が定まっていないと、発言にブレが生じて誰が喋ってるのかよくわからなくなって、読者は物語を見失います。

それを回避するために、登場人物たちに独特な口癖(語尾など)を設定したりする場合もあるのだけど、私はこの方法はあまり好きではありません。
極端にやりすぎると台詞にリアリティがなくなってしまうなと思っちゃうのです。

昔は女性の台詞なら「〇〇なのよ」「〇〇だわ」など女言葉をしゃべらせていたけど、今どきはそんな喋り方をする女はいません
私は昭和の女なので、これやっちゃいがちなんだけど、口調だけで男女を区別するのは困難な時代に突入したなと思っています。
さらに言うと、性別や容姿、人種をいちいち描写するのもなんか違和感あったりする場合もあって、難しいんですよ。

最初のうちは、極端に口が悪い奴と、反対にやたらと丁寧な奴を喋らせる…など容易に区別ができる人物を登場させてやってみるのがいいかもしれませんね。



◎カメラはひとつに

これは書いていると意外と気が付かない点かもしれませんが、小説にも撮影カメラがあります。

視点っていうんでしょうかね。読者はそこから物語を見ています。

物語の映像を編集したことがある人は知っているかもしれませんが、カメラワークがめちゃくちゃだと状況を正確に把握できなくなってしまいます。

言葉で説明するのが難しいのですが、例えば向き合っている人を撮る場合に、それぞれを正面から画面の中央に顔が来るようにして交互に映すと、向き合っているように見えず、横並びで立っているかのように見えてしまったりするんです。

このようなことが文章でも起こります。

文章の視点が定まらない描写だと読者は物語を見失います。
主人公の主観で話していたのに、急に別の人の主観になったりするのがその状態です。

↓視点の定まらない文章というのはこういうやつです。

それは突然に湧いて来た怒りだった。
頭に血がかっとのぼって叫ぶ。
「何でお前はいつもそうなんだっ」
睨みつけながら押し殺した声で言う。
「俺は…いつもがまんしてきたんだ。何故それがわからない」
思いがけず反論されて動揺した。腕をつかまれる。
「わかるもんかそんなもの!」
手を振りほどいて走り出したのをただ見送るだけで俺は何もできなかった。

極端な例ですが…。
誰が何を言ってどっちが走り出したのかわかりませんね。

これを文章のカメラを固定して書くとこうなります。

それは太郎の中に突然に湧いて来た怒りだった。
頭に血がかっとのぼって次郎に向かって叫ぶ。
「何でお前はいつもそうなんだっ」
急に怒鳴られた次郎は複雑な表情でこちらを睨むと押し殺した声でこう言った。
「俺は…いつもがまんしてきたんだ。何故それがわからない」
思いがけず反論されて太郎は動揺した。次郎の手が太郎の腕をつかむ。
「わかるもんかそんなもの!」
太郎は叫ぶと、次郎の手を振りほどき走りだした。次郎は追っては来なかった。

ふたりの外側にカメラを固定した結果がこれです。
登場人物に名前を付けることで文章のカメラが固定されます。
さらにどちらかというと太郎側に視点寄せることで、より二人の立ち位置を解りやすくしています。

で、初めて書く場合はどちらかを一人称にするのがおすすめです。
そうするとがっちりカメラが固定されて物語がよりわかりやすくなります。

この例では「太郎」を「俺」にしてみます。

それは俺の中に突然に湧いて来た怒りだった。
頭に血がかっとのぼって次郎に向かって叫ぶ。
「何でお前はいつもそうなんだっ」
急に怒鳴られた次郎は複雑な表情でこちらを睨むと押し殺した声でこう言った。
「俺は…いつもがまんしてきたんだ。何故それがわからない」
思いがけず反論されて俺は動揺した。次郎の手が俺の腕をつかむ。
「わかるもんかそんなもの!」
俺は叫ぶと、次郎の手を振りほどき走りだした。次郎は追っては来なかった。

これで嫌でもカメラは「俺」に固定されます。
一人称を使う際に注意すべき点は一人称を使うのはひとりにすることと、「俺」が必ず主人公であることです。

この手法の難点は「俺」が見ていない場面を書けないことです。
「俺」が見ている世界だけで物語を進行しないといけません。
それができればかなりすっきりした物語ができるのではないでしょうか。

慣れてくれば、カメラを複数に増やしていくことも可能でしょう。
ただし、その際にも常にカメラの位置を気にしつつ、読者が場面を見失わないように気を配って書くのがコツです。



◎状況描写は簡潔でもよい

小説を書こうと思うと、キレイな文章やかっこいい文章を書かなければ…と思いがちですが、私は必ずしもそれは必要ないと考えています。

私は詩も書くのですが、詩を書く時の文章の作り方と、小説を書く時の文章の書き方は完全に分けて考えています。

これは個人によって考え方がいろいろなので、単に私個人の意見として読んでください。

私にとって小説を書くということは “物語を伝える” 作業です。
なので、本来私自身が持っている文学に対する美学をかなぐり捨てて、物語を伝えることに徹底した文章で挑んでいます。

それが正解とは決して思ってはいないのですが、かっこいい文章が書けないから…、美しい文章は書けないから…という理由で小説を諦めることはないぞ! と言いたいのです。

状況を説明できる文章が書けるのであれば、小説は書けると思うのです。

人気のない河川敷。
横たわる身元不明の死体。
その腹に両手を突っ込んで内臓をまさぐっているのは甥っ子のカズだ。
今日はやけに時間がかかっている。
俺は無意識に煙草に火をつけた。
「ジジイ、現場は禁煙だぞ」
顔を上げずにカズが言った。

これは『逆噴射小説大賞2022』に投稿した物語の冒頭なんだけど、かっこいい文章、美しい文章の概念を全て捨てた表現になっています。
これは文字数制限のために極端に描写を削ったためにこうなったんだけど、このような最小限の説明の羅列でも小説は書けます。

これがおそらく、物語を伝える上で最低限の情報です。
文字数制限がなければ、これに装飾を施し、もう少し小説っぽい文章にしていくことも可能です。

文章が書けなくて悩んだときは、このくらい簡潔な文章でまずは語り、後から装飾を付け足していくのもいいのかもしれません。

慣れないうちに、小説っぽいフレーズをやたら入れすぎたりすると、反対に稚拙になってしまうこともなきしもあらずなのでご注意なのです。



◎体裁は自由でよい

さて、これは賛否あることかと思いますが、私の意見を書いておきたいと思います。

私は文章の体裁はマジで何でもいいと思っています。

特に、WEB小説の場合は、スマホで横書きで読まれることが多いです。
この状態に元来の縦書き印刷の体裁ルールを当てはめるのはナンセンスではと思ったりしています。

私は紙の書籍に親しんで来たもので、横書きで小説はとても読みにくいです。
横書きで文字がぎっしりあると読めなかったりします。

活字中毒と思っていた私がこんな状態なので、きっと縦書きと横書きって脳の使うところが違うのかもなと思ったりしています。

スマホで横書きの文章を読む場合の体裁については、まだ定まってない感じがあって、みんな試行錯誤しているんじゃないかなと思います。

私はnoteを何年かやってみて、自分だったらどんな体裁が読みやすいかなといろいろ試してきました。
小説としてはあり得ない体裁で書いてるかもしれません。
そのうえ、途中でいろいろ変わったりするかもですが、迷ってるんだな―程度に思ってください。

あとは、文法とか句読点の位置とか、字下げとか、いろいろと、正しい正しくないって時々論争になったりもしますが、言語は生き物です。
どんどん変わります。

60年前の小学校低学年の教科書を読んでみてください。
読めませんよwww

というわけで、たった数十年で文章の書き方はがらりと変わります。
今は変化のスピードが鬼早いです。そんな流動的な中で、「これが正しい!!」とは私は言えなくなっています。

臨機応変に対応していかんと置いてかられる気配。

そんなこんなで文章に対する決まり事はゆるゆるでいいと私は思っています。

だから、どうぞ、文学の勉強をしてこなかった人も恐れずに小説を書いてみてください。



◎小説は誰でも書いてよい

インターネットのおかげで、誰でも気軽に自分の作品を世に送り出せるようになりました。

これは小説に限らず、全ての表現活動において言えることです。

もしも何かをつくって誰かに見てもらいたかったら、バンバンやっていいと私は考えます。
そこに例えば技術が伴っていなくても、好きにやっていいと思うのです。

へたくそだから…基本がわかってないから…そんな理由でやってはいけないということは一切ないのでは、と私は思います。

荒削りのものを出した時に、なんやかんやと言ってくる人がいて気持ちをそがれることがあるかもしれないけど、そんなものはただの一つの誰かの物差しに過ぎません。
参考になる意見は取り入れればいい、くらいの気持ちでやっちゃいましょう。



◎他人の評価を気にしすぎない習慣を

何かを発表すると当然評価が気になりますよね。

WEB小説って書いてもなかなか読んでもらえないものです。
満を持してアップしても誰からも反応ナシ…ってこともあるかもしれません。
私も最初のころはそうでした。

いや、いまだにカクヨムとか反応全くない方が多い。

たとえ読んでもらったとしても、評価されないこともあります。

それらの全ての他人の評価を過度に気にしないメンタルはもしかしたら必要になってくるかもしれません。

やっぱり反応が薄いと寂しいですけどね、こればっかりはしかたないのですが、評価されないからと言ってやめる必要はありません。
それでモチベーションが下がってやる気が無くなってしまったらしょうがないですけど、小説書くのが楽しかったら評価されてもされなくても続けていいんだと思います。

企画に参加すると割と反応をもらえたりするので、寂しい場合はそういうのにも挑戦してみるといいかもです。

ちなみに、ある程度の認知度が出ないとなかなかアンチは来ない…はずです。



◎それでもアイディアが全く出てこない!! という人

そういう場合は、とにかく多くの小説や漫画を読んだり、映画やドラマ、アニメなどを見まくるのです。

できればアマチュア作品やニッチな作品だけでなく、商業的に成功している作品もたくさん取得してください。

引き出しが多ければ多いほどいろいろな物語を思いつけるようになります。
そして、たくさんの物語に触れることによって、この世の物語にはある程度のパターンがあることがわかってくるはずです。

それらのパターンをジグソーパズルのように組み合わせて自分独自の物語を生み出していく技も習得できちゃうかも。


なんかどえらい文字数になってしまったけど、必要な人に必要な部分だけ読んでもらえればいいかなと思い書きました。

とにかく、気軽に小説書いたりいろいろ創作活動をみんなにしてほしいんだ私!!!!

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