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処処啼鳥 夜来風雨

今週は日曜日の作曲はお休みします。

その代わりと言っては何ですが、私がボーカルをやってるGENZ(ゲンズ)というユニットの曲を聴いてもらえるようにしたいと思います。

★フリー素材ではございません。


処処啼鳥 夜来風雨

GENZ:Vo.Chiyo/Gt.和田アツシ

Songwriting:GENZ
Sound design:NOBU


◎歌詞について

この歌の歌詞は、二つの古い詩を混ぜ込んだ言葉遊びになっている。

ひとつは、「天地の歌(あめつちのうた)」という平安時代初期に作られたとされている一種のパングラムである。
パングラムというのは、全ての文字(ひらがな)を使って意味のある文章にする言葉遊びで、日本の代表的なものには、「いろは歌」がある。

手習い歌ってやつ。
このような歌は、日本にはいくつかあって、「天地の歌」もその仲間とされている。

こんな歌だ。

天地の歌

天 地 星 空
山 川 峰 谷
雲 霧 室 苔
人 犬 上 末
硫黄 猿
生ふせよ榎の枝を慣れ居て

<よみ>
あめ つち ほし そら
やま かは みね たに
くも きり むろ こけ
ひと いぬ うへ すゑ
ゆわ さる
おふせよ えのえを なれゐて

この最後の一文「生ふせよ~」の部分が現在では意味が失われてしまって、意味不明だそうで。
それが面白いなと思って歌の中で連呼するように作ってみたり。

何かわからないけど、呪文を言ってしまってる…とか。


もう一つの、盛り込んだ詩は漢詩だ。
「春眠暁を覚えず」というフレーズは聞いたことがある人も多いだろうか。
孟浩然という8世紀初めくらいに活躍した中国の詩人によるもの。

この曲とメロディを作った時に、ボンとこの詩の「処処啼鳥 夜来風雨」の部分が浮かんできたもんで、そのまま歌詞にしてしまった…と言う感じだ。
あちこちで鳥が鳴いていて、夕べは嵐がやって来た、って感じの意味。

春暁

春眠暁を覚えず
処処啼鳥を聞く
夜来風雨の声
花落ちること知る多少


とまあ、こんな曲です。
聞いてね~!


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