[コラム] “同じ月を見ている” に寄せ
まずはこちら。
みんなの俳句大会 秋『十六夜杯』のプレ企画。
『同じ月を見ている』
古の太古の昔の昔から
君も見ていた十六夜の月かも
★絵はしちさんです。
▽ここからちょっとコラム
◎ “同じ月を見ている” で思い出す歌
天の原ふりさけ見れば春日なる
三笠の山に出でし月かも
百人一首にも入っているので知ってる人も多いかな。
“同じ月を見ている” で私は真っ先にこの歌を思い出しちゃう。
この歌を詠んだのは阿倍仲麻呂という奈良時代の人。
彼は若くして学問に優れ、19歳で唐(中国)に留学する。
唐でめきめき本領を発揮し、16年間躍進を続け、さて日本へ帰ろうとなった時に船が難破…。当時のベトナムに漂着。
それで何とか唐には戻って来れたものの、内乱が起こったりなんだりして、彼は帰国を断念。
結局日本には戻れずに異国の地にて73歳の生涯を閉じた。
この歌が詠まれたシーンは諸説あって定かではなく、本人が詠んでない説まであるんだけど、彼のこの生涯を想いながら改めて読むとじ~んと来るよね。
月岡芳年の絵がめちゃよいので貼っておくね。
◎ “十六夜” で思い出す歌
十六夜と言ったら、私的には『安里屋ユンタ』なのだ。
これは八重山民謡で二人の馴れ初め的な内容から、結婚式とかでも歌われたりするね。
この歌にはいくつか歌詞のバージョンがあって、十六夜月夜が出て来るのは大和口バージョンのやつだけなのかな??
その歌詞を載せておきます。
この歌はたくんさんの人が歌っている。
どれもよい。
なお、「十六夜」は出てこないバージョンだけど、大工哲弘の安里屋ユンタはすごいのでぜひ聴いてほしい!!!
というわけで、古の太古の昔から人が月を眺めていた歴史にちょっと想いを馳せてみました🌕
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