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プロフィール

文章を書くようになったのは小学校高学年。
癇癪持ちの父から逃げるように早食いで夕飯を終え、
自室に閉じこもる。

得意なことは他人の顔色を窺うこと。

「男だったら良かったのに」
「〇〇は橋の下で拾われてきたんよ」
痩せっぽちで家族の中で浮いていた。

兄姉から待ち望んで生まれてきた妹への、
学年で中心的存在だったいとこへの嫉妬。

父方の叔母が母に向ける陰口への憤り。

学校でも家でも、親戚の集まりでも、
些細なことに気づき、憂い、思うことがたくさんあった。

「〇〇は口から生まれてきた子じゃわ」
よく母方の祖母や叔母に言われた。
妹が生まれる前、大らかに笑う写真の中の私は、
きっとおしゃべりだったんだろう。

誰かへのおしゃべりは、紙とのおしゃべりになった。

銀色夏生に憧れた。
朝露に濡れた植物のような詩集たち。

ネガティブ全開の詩を地方新聞に投稿したこともある。
家族に見つからないように切り抜いてノートに貼った。

たくさんの口に出せないこと。
口にすると誰かが悲しむこと。
でも口にしないと抱えきれないこと。

悲しみ、寂しさ、怒り、妬み、憤り、不安。

苦しみを分かってほしい。
悲しみを分かってほしい。

担任へ打ち明けたこともあった。
彼女の髪がなびく教室のベランダで、
返ってきた言葉にひどく絶望した。

「大人は分かってくれない」

見た目と年齢だけはしっかり大人になった今。
果たして『分かる』大人になったのだろうか。

モヤモヤと湧き立つ思いはいつもある。
今は幸いにも話せる人がいる。

心が苛立つ時。
たいてい感謝を忘れてる。
「分かってほしい」と思春期みたいに拗ねているんだ。

一人、文章を書く。
大好きなビールを飲むよりも、
私を救ってくれる、とっておきの手段。

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