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書籍紹介「ALL ABOUT namco」(電波新聞社刊)

「ALL ABOUT namco」とは

本書は1978年から1985年に発売されたナムコ(現:株式会社バンダイナムコエンターテインメント)のゲーム作品29タイトルの紹介ならびに攻略記事、発売されていた関連商品の情報やグラフィックのドット絵、ゲーム音楽の楽譜が掲載されている、文字通り当時の「ナムコゲームのすべて」が詰まった一冊です。

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▲434ページ、本が立つこのボリューム!!

1985年(いまから35年前!)に電波新聞社発行の雑誌「マイコンBASICマガジン」別冊として初版が発行されており、本書は「令和SP」として現代によみがえったものです。内容は当時とほぼ同じですが、掲載されているスポンサーが異なっているなどの違いがあります。初版本を持っている方は違いを比べて楽しむなどしてみてもいいかも。


目次抜粋

第1章 ナムコゲームのみりょくをさぐる
第2章 世界のスーパー・キャラクター パツクマンとその仲間たち
第3章 ナムコ スペースゲーム大研究
第4章 ナムコ キャラクターゲーム研究
第5章 ナムコ ニュータイプ・ゲーム研究
第6章 パソコンで楽しめるナムコ ゲーム
第7章 ナムコ グッズ総カタログ
第8章 サウンドで楽しむナムコ ゲーム ナムコ ミュージック全集
第9章 ナムコ キャラクター総図鑑


紹介作品

ジービー(1978年)/◎ギャラクシアン(1979年)/◎ボムビー(1979年)/◎キューティQ(1979年)/◎パックマン(1980年)/◎ラリーX(1980年)/◎タンクバタリアン(1980年)/◎キング&バルーン(1980年)/◎ギャラガ(1981年)/◎ニューラリーX(1981年)/◎ワープ&ワープ(1981年)/◎ボスコニアン(1981年)/◎スーパーパックマン(1982年)/◎ゼビウス(1983年)/◎ディグダグ(1982年)/◎マッピー(1983年)/◎フォゾン(1983年)/◎パック&パル(1983年)/◎リブルラブル(1984年)/◎ギャプラス(1984年)/◎パックランド(1984年)/◎ドルアーガの塔(1984年)/◎グロブダー(1984年)/◎ディグダグⅡ(1985年)/◎ドラゴンバスター(1985年)/◎メトロクロス(1985年)/ワープマン(1985年)/バトルシティ(1985年)/ミニゴルフ(1985年)
◎が付いているものは本書で詳しい攻略記事が掲載されているものです。


売れ行き絶好調につき増刷も

この「ALL ABOUT namco」、掲載作品のすべてがいまから35年以上前であるにもかかわらず、一部店舗で行なわれた先行販売分はすべて完売。各書店は軒並み売り切れか在庫わずか。Amazonでは予約完売し、いま見てきたら何とプレミア価格になっています!
(書店での通常販売価格は4,730円)

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このような状況ですので増刷も決定。いま私が持っている第1刷は結構貴重かも。神経質かもと思いつつジュンク堂書店池袋本店で取り寄せ予約しておいて良かったよ!!

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▲ジュンク堂にて一般発売日に購入。本書は電波新聞社刊の雑誌「電子工作マガジン」の別冊という位置づけ。私は電子工作マガジンの夏号と一緒に購入しました。プログラミングや電子工作に興味ある方はこちらも要注目!


コンテンツとしてのナムコゲームの魅力

こんな…というと失礼ですが、いまとなっては見つけることも遊ぶことも難しいゲームばかりを掲載した、それも決して安くない本が、なんでこんなに売れてるんだろう…と、正直思いました。

本書の記事にも書かれているような「ナムコゲームのみりょく」も無論あるのでしょうけれども、ゲーム作品の質的な良さだけでは到底説明が付かないですよねこれ。

これがコンテンツの力ってやつなんだろうね、やっぱし。

ゲームをほとんど遊んだことがなくとも「パックマン」ってだいたいみんな知ってるでしょう?あれのアイデア「ピザから思いついた」は後付けだっていうけど、真相はどうなんだろうね?

ましてやあの当時学生くらいの世代だったら「ゼビウス」って内容知らなくても「あぁあったあった」くらいの記憶はあるでしょう?

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▲PCやファミコンなど様々な機種に移植され、家庭でも多くの人々に楽しまれた「ゼビウス」(写真はシャープのパソコン、X1用に発売されたもの)。こういった移植タイトルや家庭用オリジナルゲームなども本書では紹介されています。


ゲームセンター行ったことなくても、駄菓子屋とかデパート、ホテルのゲームコーナーとかでは?
車が迷路の中を走り回るゲームとか、地中を掘り進んで敵をポンプで破裂させるゲームとか、見た覚えありませんか?

学校行けば「●階の宝箱の出し方が…」「あぁそれはね■■を3匹倒して…」などと60階建ての塔を巡る話をしていたり。

「メトロクロス」なんて、ステージそのものが学校の廊下みたいだったわ!大掃除のワックスかければすぐスリップゾーンになるし。
(▼はファミコン版のパッケージ)

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…ほかにも挙げればキリがないけれど、ナムコ作品はとにかくこの類の思い出に満ちあふれています。
30数年前のガキの頃からゲームにハマって過ごしてきた私みたいな人間はもちろん、そうでない人たちにも共通項のある会話のネタを定期的に提供してきたメーカー、それがナムコだと思っています。


コンテンツの力って、ゲームが面白いとか、キャラ立ちしてるとかだけじゃなくって「そのゲームがあることで、どんな思い出がそこに生じたか」ってことが決定的に大切なんですよ、きっと。

この本を平成以降に生まれたような方々がどれだけ購入してくれているのかは分からないけれども、我々が多感な時期に大きな影響を受けたこれらのコンテンツが、世代を超えて多くの若い人たちにも届けばいいなと思います。

#推薦図書


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