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これカタンなのか?「カタン 人類の夜明け」をプレイしてきました

とあるボードゲームの例会にて、ちょっと珍しいカタンをプレイする機会に恵まれたのでざっくりと紹介してみます。


「カタン 人類の夜明け」

タイトルは「カタン 人類の夜明け」。ジーピーより発売されています。
(英題は「CATAN - Dawn of Humankind」)

アフリカにて誕生した人類の祖先が、文明を発展させながらユーラシア、アメリカ、オセアニアへと進出していく様を描いたボードゲームです。

カタンなので10点先に取ったプレイヤーが勝ちです。
舞台が変わってもそこはカタン(笑)。

<注記>
本記事はプレイした状況やそのとき受けた説明を元に書いていますが、多くは私の記憶が頼りであり、また本作について参考にできそうな資料やサイトなどがほとんど見当たらなかったため、いささか正確さに欠ける部分があるかもしれません。なるべく正しく伝わるように配慮しておりますが、もし間違いなどを見つけられましたら、ご指摘いただければ対応いたします。
ご指摘は「ちとせあーく」のX[Twitter]かコメント欄、または私のメールまでお願いします。( → CQF01770@nifty.ne.jp)

「カタン」ってそもそもどんなゲーム?

まぁそこが分からないと、「カタン」知らない人には何のこっちゃですよねこの記事。

我が家で遊んでる普通のカタン。
盗賊が異形(笑)。

まずは「カタン」についてざっくりと説明すると、無人島の開拓を巡って各プレイヤーが開拓地を作り、ダイスを振って資源を採掘し、道を作り、都市に進化させ、時にはライバルと交易し、また時にはライバルのところに盗賊をけしかけ(笑)、自身の勢力範囲を発展させていって、最終的に一番先に勝利点を10点取ったプレイヤーが勝ちというゲームです。

…おい、ざっくり過ぎだろこの紹介(笑)。

【得点】開拓地ひとつにつき1点、都市ひとつにつき2点、道を一番長く伸ばした人は2点(5個以上)、騎士を一番使った人は2点(3回以上)、その他発展カードによる勝利点ゲットあり。

ちゃんと知りたい方はこの公式による説明動画を見てみてね。

人類の夜明けはアフリカより始まる

さて、「人類の夜明け」に話を戻しましょう。

これが「人類の夜明け」のゲームボード。世界地図を逆さに見ていると思ってください(座った席の関係でそうなってます)。

この図で言うところの右上ら辺がアフリカです。最初はアフリカのエリアにキャンプ(通常カタンでいう開拓地)を置くことになります。ゲームスタート時に2つ置くのは通常のカタンと一緒(置く際の順番も通常カタンと同じで、1-2-3-4-4-3-2-1の順)。ただしアフリカに置いたキャンプは資源を産出するだけで勝利点にはならないんだって。

アフリカを拡大してみました。黄色の土地からは骨、黄緑の土地からは肉、深緑の土地からは皮、黒っぽい土地からは石が資源として出てきます。

各手番のプレイヤーが振ったダイスの目に応じた土地にキャンプを張っているプレイヤーがそこの資源をゲットできるというルールは通常カタンと一緒です。

これが「人類の夜明け」の資源カード。
左から順に、骨、皮、石、骨。
(肉カードは撮りそびれました…)

ただしこの「人類の夜明け」には、通常カタンでいうところの「道」という概念がありません。じゃあどうやって他の土地を開拓していくのかっていうと、キャンプから探検者を出し、その人が別の土地まで歩いて行って新たなキャンプ地を作るのです。

これが探検者コマ。
2隊出すことができるみたいです。

キャンプから探検者を出すのに必要な資源は肉と皮。移動に必要な資源は肉または皮(どちらか一方でOK)。そして新たなキャンプを建てる(探検者をキャンプに変換する)のに必要な資源は骨と皮と石。

チュートリアルの書かれたカード
(写り込んでたのを無理やり拡大💦)

ただし新たなキャンプはゲームボード上にチップが置いてあるところにしか置けません(通常カタンのように他プレイヤーの開拓地や都市と隣接してなければどこにでも建てられるわけではない)。チップはユーラシアから先にしか置いてないので、新たに開拓するためにはどうしたってアフリカから出なくちゃならないってワケです。

豊穣のユーラシア

ということで人類は新天地を求め、ついにユーラシアの地に足を踏み入れることになりました。

ユーラシアら辺を拡大。
(世界地図を逆さに見ていると思って見てね)

土地にたくさんのチップが置いてあるのに注目です。「人類の夜明け」ではこのチップがあるところにのみキャンプを張ることができます。キャンプのコマを置いたところからチップを回収し、このチップが「1点」となります。なお通常カタンでいうところの「都市」の概念はありません。

さぁここで問題です。キャンプの手持ちコマは1人6個しかないので、MAXでキャンプ張っても6点にしかなりません。通常カタンのように開拓地と都市だけでゴリ押し10点とかは出来ないのです(まぁ普通カタンでそんな勝ち方滅多にないと思いますが…)。

じゃあどうするか。
勝利点をゲットするひとつの方法は「狩りに行く」ことです。

ゲームボードの端(海沿い)に注目すると、太古の生き物がたくさんいるのが目に入ります。これらを狩りに行くのです。

マンモス…かなこれは?
(種類の違いがいまひとつ分かりませぬ)

ただし狩りに行くためにはそのマスに書かれた進化条件を満たす必要があります。上の写真にある[1]とか[2]とかの数字がそれにあたるのですが、この条件を満たしていないとその場所に入ることができません。

人類の進化ボード。
(撮影の関係上、上下が逆になっています)

これが人類の進化ボード。狩りをするためにはこの図でいうところの2列目と3列目を上げていく必要があります。進化するためには相応の資源が必要となり、高次元に進化するほど多くの資源を必要とします。

ここで下図の水色のマンモスを狩りたい場合は濃い茶色の進化レベルを1、薄い黄色?の進化レベルを2にしていく必要があるというわけです。

こうして進化した人類はついにマンモスに立ち向かい、これを討伐します。狩ったコマは裏返し、そこに記された指示に従います。私が確認した限り、おおむね次のような効果があるようです。

① その生き物をゲット(勝利点1)
② 盗賊(ネアンデルタール人またはサーベルタイガー)が動く
③ アフリカの資源が出る数字チップをひとつ裏返しにする(砂漠化!)

確かそうだったと思うんだけど…この他にも効果あったら教えてください。

つまり「狩り=ガチャ」って捉えると分かりやすいかも。

①はそのまま勝利点なので当たればラッキー。自分の狩った生き物がこれであるように祈りましょう。勝利点大事。

マンモスゲットだぜ!!

②は盗賊。そう言えばここまで説明してませんでしたが、カタンなので盗賊がいます。7の目が出ると出動する、置かれた土地から資源が産出されなくなる、そこの土地にいる誰かから資源ひとつもらうなどのルールは通常カタンと一緒。今回はエリアによってネアンデルタール人とサーベルタイガーがいますが効果は一緒です(だったと思います…)。

左がネアンデルタール人(アフリカとユーラシアに出没)
右がサーベルタイガー(アメリカとオセアニアに出没)

③がちょっと独特のルールでして、つまり多くのプレイヤーが狩りを行なえば行なうほどアフリカの数字チップがひっくり返され、資源の出ない不毛の地と化していくのです。これは人類をアフリカから早く外に出すためのゲームデザインだと思うのですが、現実の世界とリンクもしているような…。

そこかしこが不毛の土地と化したアフリカ。
なるほどこれがサハラ砂漠の始まりなのか(違)。

いざ、新大陸へ

ユーラシアをひとしきり制した人類が次に向かうのは、そう、憧れの新大陸アメリカ、そしてオセアニアです。

アメリカ、そしてオセアニアへ。
(世界地図を逆さに見ていると思って見てね)

新大陸の地を踏むためには、部族が相応に進化している必要があります。

たとえばアメリカ大陸に渡るためには、

それぞれの色の進化レベルを[3]と[1]に。

オセアニアに渡るためには、

こちらはアメリカと逆で、それぞれの色の進化レベルを[3]と[1]にしておく必要があります。

人類の進化について

ここで、先ほど狩りの話で触れた「人類の進化」についてもう少し詳しく触れましょう。

生まれたばかりの人類が新たな世界を開拓していくには、どうしても進化をしていく必要があります。上の図で言うと左から

「移動力の向上」
「特定の土地に入る条件①」
「特定の土地に入る条件②」
「盗賊を活動させる」

の順に並んでいます。それぞれレベル1~4まであり、プレイヤーは自分の手番に手持ちの資源が許す限り、どのパラメータでも好きなだけ進化することができます(最後のやつは通常カタンで言うところの騎士カードにあたるのかな?)。

進化するにはそのレベルに見合った資源が必要です。

チュートリアルの書かれたカード
(もっとちゃんと撮っとけばよかったよ)

レベル1に進む…石
レベル2に進む…骨
レベル3に進む…骨と石
レベル4に進む…皮と骨と石

なお、どの進化レベルも最も早くレベル4に到達したプレイヤーが勝利点1を獲得します。これも太古の世界において貴重な得点源となるので、なるべく狙っていきたいところです。

勝利を収める勇者は…?

プレイヤーがアメリカやオセアニアに進出し出すと、ゲームは中盤から勢いを増して終盤に入ります。こうなると8~9点を取得しているプレイヤーもぼちぼち出たりします(発展カードのような隠された勝利点がないので、誰が何点ゲットしてるか丸見えです)。

ここまで説明してきた他にも、このゲームは狩りをたくさん行なうことでゲットできる勝利点チップがあったり、それを逆転で取られたりということがあるので(通常カタンでいうところの最長交易路のようなルール)、いま勝利点がある程度あるからといって油断がなりません。

今回は白プレイヤーの勝利でゲームを終えることとなりました(私が最後の勝利点を譲り渡してしまう形となりました💦)。プレイ時間にしてだいたい2時間ちょっと…?人類が誕生してから南アメリカやオセアニアまで進出することができたようなので、まぁ世界は順当に発展を遂げられたということなのでしょう。楽しかったです!!この場を提供してくださった放課後ぼーどげーむ会に深く感謝いたします!!

これってカタン?いやカタンじゃなくね?いやいやでもやっぱりこれカタンだよ!

…実を言うと私はプレイ中、ずっとこのような疑問を心の中で自問自答しておりました(プレイに集中しろよw)。

確かにゲームシステムの大枠はカタンなんですよこれ。

ダイスを2個振って出た目の土地から資源が産出される
土地にキャンプ(開拓地)を建てて得られる資源を増やしていく
プレイヤー間での交易が可能
盗賊(ネアンデルタール人とサーベルタイガー)
10点取ればその時点で勝ち

でも、カタンと異なる点もずいぶんあります。

道を作るという概念がなく、探検者が歩いて行く
「狩り」という概念(ガチャ)
「進化」という概念(これに伴う移動の制限)
キャンプ(開拓地)を都市化することができない
発展カードがない(狩りがこれに相当?)
マップが固定である(アフリカの数字チップのみランダム)
アフリカが砂漠化していくというルール

ざっと整理するとこんな感じでしょうか。

特にアフリカが砂漠化していくルールは秀逸で、かつて自分たちが居た場所からどんどん資源が産出されなくなっていく有り様はリアルな砂漠化を目の当たりにしているような気持ちになりました。

ともあれ私の頭の中では「えぇ?これカタンって言っちゃっていいの?いいの?あぁでも基本はカタンなんだよな確かにそうなんだよな…でもこれカタンじゃなくね?…いやでもやっぱカタンだよなこれ」みたいな思考がずっとグルグルしておりました。

航海者版ならプレイしたことあるんですが、こっちは一部の追加ルールがあるというだけで、感覚的にはほぼカタンだと思います。

カタン航海者版。我が家のプレイの様子。
(盗賊と海賊が異形なのはご愛敬です)

あと私はやったことないけど、こんなのあるらしいです。

この「カタン 人類の夜明け」は、カタンの拡張ではなく、カタンのルールを流用したまったく別のゲームという捉え方をした方がいいかもしれません(下記サイトの説明によれば「独立拡張版」という言い方をしています)。

とは言え基本はカタン。私は少なくともインスト時にそう説明されたし、私だって人に説明するときはそう言います。

ともあれ楽しかったのと、これに関する情報がネットでもほとんど見られなかったのでnoteにて記事にしてみました。またやりたいなぁこれ…。

Amazonで見たら意味分かんない値段になってるし!!
何だよ5万円って!!3Dカタン買えちゃうじゃんよ!!

これはまた、放課後ぼーどげーむ会か、またどちらかのボードゲーム集会でプレイできる機会を待つかなぁ~。

ということでカタンが好きな方であれば楽しくプレイできる良作です!!
ぜひ皆様にオススメしますので、買っちゃったけど遊ぶ人いないよっていう方は私を呼んでくださいませよろしくですっ!!(←乞食)

(了)

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