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おとなとこども

さて,あなたは大人ですか?
先生はたぶん大人です。
成人を迎えたから大人になったのでしょうか?

大学4年生(22歳)の頃は大人とは言えなかった。
教員1年目も実は大人とは言えなかった。
つまり子どものまま先生でいたということです。
大人を演じようと思ったこともあります。
しかし,生徒諸君は敏い。
一生懸命大人を演じたとしてもばれてしまうし,
そこに嘘がある限り,自分の言葉は響かないと思ったのです。
だからその時,大人であることをあきらめて,
子どものまま教師になる道を選びました。


少し話は変わりますが,次のようにも感じていました。

今の仕事は子どもでもできる仕事だ。
皆をまとめられる力があれば,ガキ大将で十分。
一目を置かれる。言うことをある程度聞く。
それだけで困ることはほとんどないじゃないか。
 
「大人としてしっかりと指導しなさい」
諸先輩方はそういうが,
そこに垣根があったら信頼って生まれないのではないか。
完璧な人間を演じても正直リアルじゃない。


今ではそんなこと思いません(笑)
あの当時はいい年こいて「大人」=「完璧」
という構図を本気で信じていたのです。


よくよく考えれば
小,中,高,大と好きな先生は決まって,面白くて怖い先生だった。
授業からも人間性が見える,完璧ではない人たちだった。
あんな人もいるしこんな人もいる。
大人は思っているより完璧じゃないし,
子どもとの違いはそこにあるわけではない。


駄目な大人,カッコいい大人もいる。
やさしい,怖い,様々だからこそ学べる。


いつ大人になるのかはそれぞれですが,
先生は自分の中で「自立した」と思った時がその時だと思います。
たぶん,自分の足で立つことを決めた瞬間に大人になっているのです。


大人になってもわからないことは増えていく一方です。
これ見よがしに世の中に出回るこの方法が正しいよ的な話。
もし,理想の方法があるのであれば誰一人悩むことはないし,
今現在,新しい本が売り出されている事実に疑問を持つべきだと思います。
そう簡単に売れないからこそベストセラーという言葉があり,
そのベストセラーもそのうち読む人は減る。
理想の教育があるのなら,何を理想とするのか定義からまず教えてほしい。

誰一人,正しいかどうかわからない。
それでも,今考えうるベストで行動を続ける。
自ら考えて自らを奮い立たせる。

このようにで大人を定めるのなら,
君たちはすでに大人といえる部分を確かに持っているよね。
さて,あなたは大人ですか?




そういえば,当時教員採用試験で,
「教師にとって大切なものは何ですか?」と言われて,
結局用意していたものを言わずに

「気合い」


と答えて落とされました(笑)


先生は逆にまだまだ子どもな部分がたくさんあるかもしれませんね。
 

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