見出し画像

アメリカンドリームを歌おう

ライムスター宇多丸のアトロク・『ウエスト・サイド・ストーリー』解説を聞いて、旧作のファンとしてはこれは絶対に見に行けなきゃいけないという使命感に燃えて、旦那と無理やり何年ぶりの2人の映画鑑賞。

旧作をLPレコードで(母?姉?が)持っていて、聞きこんで適当ではあるけど空で歌える『ウエスト・サイド・ストーリー』
正直あれを上回る出来なのか?何故今『ウエスト・サイド・ストーリー』なのだろうか?スピルバーグ??と疑いの目で見ていた。

だが、結果として

絶対に映画館に観に行って後悔しない映画だった!!

私は、実は今足が自由ではない。もちろん杖をついて歩くことは可能なのだが、歩行がたどたどしい+コロナ禍、の中にあって、映画館が安全とは知っていても映画を観に行くのに躊躇していた。なので、数年ぶりの映画館での映画鑑賞であった(以前は一人でふらっと観に行っていた)

映画は疑似でその人生を体験できるのがとても好きで、リフレッシュにもなる。特にミュージカル映画等はそうだ。終わってからは頭の中で音楽がぐるぐるしてる。(踊りたくもなっちゃう。脳内でも)

『ウエスト・サイド・ストーリー』は主人公よりも(ごめん)アニータやベルナルドたちシャーク団、またジェット団の歌・踊りが堪らない。特に好きなのはアニータが歌いはじめる「アメリカ」だ。前回は街のゴロツキ?のシャーク団が屋上で踊りはじめる。コミカルでパワフルだ単純にわくわくする音楽だ。

今回は、屋上で無く、初めは洗濯物を干すアニタの独唱から始まり、路上に出て歌うプエルトリコ人移民の女たちと普段の仕事の中での不当な扱いを上げて不満を言う男たちという構図で進む。
「洗濯物を干す」「仕事での差別を言う」(ゴロツキではない。寧ろジェット団の方がゴロツキで仕事をしているか不明)「ボクサーとして成功しているベルナルド」(尊敬される理由はここにある)と生活者としてのプエルトリコ移民が描かれてる。また街で軽やかに踊る女性たちがアメリカンドリームを夢見て努力している姿がよく分かる。(女性が力強く生き生きしている)

この点「生活者としての移民」の描き方が今作の特徴的な所。

だからこそ、どちらの苦悩がより鮮明になっていると思う。

差別されるもの、差別するものでもそれも他から差別される。

『ウエスト・サイド・ストーリー』が何故この時代で描かれたのかが分かった気がする。

憎しみは、分断は何も生まないし、最悪人が死ぬ、そして悲劇を産む。

今偶然ウクライナ戦争と重なってしまったけど、本来は闘う必要のなかった戦争で、プーチンの戦争犯罪だ。

一刻も早くメンツや、理屈は良いので一日も早く戦闘を止めて欲しい。

国際社会も「戦闘を止める」方向で舵をとってるように思える。

今こそ、『ウエスト・サイド・ストーリー』を観て、自由を夢見る「アメリカ」を歌いたい。

West Side Story – Cast 2021 - America (From "West Side Story") - YouTube


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?