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傘がいるかは空次第

MBAの授業ではよくグループワーク(GW)が課される。

GWでは、学生数人でチームを作り、事前準備(議論、資料作成など)をして、授業本番までにケーススタディの提言等をまとめる必要がある。

これがなかなか難しく、たまにとんでもない頑固者や嫌な奴、論点をずらす人とチームを組んでしまうと、何もきまらず時間が浪費されるというまさにGW地獄が待っている。

例えば、「業界弱小ハンバーガー屋さんの成長戦略を考えよ」というテーマのGWで、チームメンバーのAさんが「圧倒的な差別化商品で客を呼ぶ。ピスタチオが流行っていてこれからもブームが続くピスタチオバーガーを出すべき。」という意見に固執してしまった事態。

何を言ってもAさんは意見を変えないし、これ以外戦略オプションは無いと言い張る。この場合の選択肢は、①単位を諦める(ばっくれる)、②成績を諦める(ピスタチオ戦略を受け入れる)、③単位・成績を諦めない(Aさんの説得)、くらいだと思う。

とはいえ、③の実現はハードルが高い。
しかし乗り越えたい。そのためには状況を整理しなければ。つまりここで行うべき論点設定は、「Aさんの何がやばいのか、どんな思考様式がAさんを支配しているのか?」である。

Aさんのやばさを構造化すると、「空雨傘」のフレームワークで、空がないまま雨と傘のスタンスを曲げないことだと思う。
雨(ピスタチオが食材として有望)と傘(ピスタチオバーガー)というロジックは、空次第(ピスタチオの消費動向)で変わりうる。AさんからのFact提示は最後までなかったことから、ただの仮説の域をでなかったと言える。

仮説はあくまでも仮説。きちんと空を見て仮説(雨傘)を語る人間に私はなりたいと改めて思った1日だった。

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