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雑誌探訪「日経トップリーダー2024年4月号」

日経トップリーダー2024年4月号


「サイボク笹﨑静雄の古典ちちんぷいぷい――私を励ましてくれた言葉たち――」「説苑(ぜいえん)」が引用されていました。


テーマは上司のいさめ方。特に次のように「説苑」を紹介しています。

そして、臣下が主君を諫める方法が5つあるという。
①に「正諫(せいかん)」――面と向かって直接主君の過失を戒める。
②に「降諫(こうかん)」――主君の命に一旦は従うが、後からじわじわ少しずつ諫めていく。
③に「忠諫(ちゅうかん)」――主君がやるべき問題は、現場を熟知している部下のほうがよく分かっている。その思いを前面に出し丁寧にかみ砕いて諫言する。
④に「とう諫(かん)」――愚直で拙い言葉であっても、思いのたけを開陳して忠告をする。
⑤に「風諫(ふうかん)」――直接ズバリの忠告は避けて、遠まわしにそれとなく戒め、助言する。

P73

引用されていたのは、説苑の第九編「正諫(君主の正しい諫め方)」からです。


説苑は、中国の前漢の時代に、劉向(りゅうきょう)が編纂したとされる故事説話集です。

中国はかつて、戦乱の世の中多くの思想が生まれた時代がありました。その中で生まれたものに、儒家思想や道家思想といったものがあります。それらを「諸子百家(しょしひゃっか)」というときがあります。

説苑は、これらのさまざまな思想を寄せ集め皇帝の教育に用いたとされる書物です。上下の人間関係に悩んでいた笹崎さんが、ある人から手渡されたといいます。まさに企業経営の中で悩む人にぴったりの書物だったのでしょう。


漢文はビジネスに活かせるものが多いとも言われます。それは、このような政治論の中に経営に活かせるものが多いということかもしれません。

中国思想、中国哲学は日本に影響を与えてきたのみならず、これからの経営のあり方にも示唆を与えてくれるものなのでしょう。

https://www.fujisan.co.jp/product/1281679709/b/2507161/



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