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授業で発言することの大切さその①と②

「とき」の経つのはなんと早いことでしょう。さて、ここで問題です。新幹線は時速300㌔、リニアは時速500㌔で走ります。それでは、「とき」は時速何キロで駆け抜けているのでしょうか…正解はぁ~時速60㌔です。なぜなら、「とき」は「とき」でも、鳥の「とき」だからです!!なんて自分で書いていて恥ずかしくなるぐらいくだらないことはさておき、本題に入ります。(なら、書くな)
 


3学期に力を入れて欲しいこと


私が残りの3ヵ月で子供たちに力を入れていほしいことは、「発言」です。すでに、毎日ノートの目標に「一回の授業で必ず一度は発言する」、「一日に3回以上発言する」といった発言に関する目標を1,2学期から設定している児童は多く見られますが、3学期は特に「発言」に力を入れてもらいたいと思っています。
 
「文章」、「身体」、「絵」などが、自分の考えを伝える手段の一つであるように、「発言」も自分の考えを伝えるための手段の一つです。私は将来的に一つでも自分が強みとする「自分の考えを伝える手段」をもてるようになることが大切だと考えていますが、今回は「なぜ、特に発言に力を入れて欲しいか」を連続投稿で保護者の皆様にお伝えしていきます。お付き合いください。
 


発言すること大切さ その①とその②


①    「言語化」しようとすることで考える
発言は「手段」であり、目的は「考えること」です。自分の頭の中でまだ言葉になっていない感覚や整理されていない情報を相手に分かってもらうためには、言葉という形に表して伝えようとします。それを「言語化」と言います。筑波大学准教授でありメディアアーティストの落合陽一さんは「言語化こそ最高の思考ツール」と言います。「この感覚に一番近い言葉はどれかなぁ」や「自分の考えはどうやったら相手に分かってもらえるかなぁ」と言葉探しや整理する過程で、人間は一番思考をしているということです。
 
教室には価値観や生活経験の違った31人の子供がいます。その人たちに自分の考えを「言語化」して分かってもらうことは、大変難しいことです。思いつくがままにに話してもおそらく伝えたいことの多くは伝わらないでしょう。「どんな言葉で伝えたらいいのか」「どんな順序で話したらいいのか」「具体例を入れた方がいいのか」などをたくさん考える必要があります。児童は伝える相手が多ければ多いほどよりたくさん考えます。発言をゴールにすることで、その過程で一生懸命考える。そこに「発言」の価値の一つがあると私は思います。子供たちを発達の観点から見ていても、「相手の立場になって考える」ことができるようになっている今の時期から、発言に力を入れてもいいと思えています。
 
②学びのミルフィーユ
「学校は何のためにありますか?」と聞かれたら「価値観や考えが違った子が関わり合うための場所」と私は答えます。一人一人が自分の考えをもち、伝え合い、聞き合うことで、自分一人では、広げることのできなかった着想の幅や深みをもたらしてくれます。

学校に行かなくても、勉強はできる
学級で、「学校に来る意味」について考えていたとき、ある子がこう言いました。

でも、一人だとつまらなくない?
その発言に対して別の子が重ねました。

確かに、寂しくなる時もあるよね。だから、教室で質問をしたり、みんなの意見を聞いたりして楽しく勉強するために学校があるのかもね。
また、別の子がこう言いました。

一人の子の「学校に行かなくても、勉強はできる」という発言がきっかけとなり、「一人学習の難しさ」や「一緒に教室で学習することの楽しさ」へとスピード感を保ちながらどんどん話は膨らみ、深まっていきました。このように、一つ一つの発言が層のように重なり合い、「学びのミルフィーユ」はでき上がっていきます。一人一人は一流のパティシエのようでした。
 
今回は、「3学期に力を入れて欲しいことは発言」であり、その理由のその①とその②をお伝えしました。次回も続きます。お楽しみに。         

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