まどろんで、朝ごはん#5ブーランジェリーの文学性
「あなたはいつも疲れた顔をしているね」
そう言われることがある。
いや別に、私はそんなに、疲れているつもりはないんだけどな。
ただちょっと朝が弱くて、人と話すのが苦手で、文章を読んだり書いたりしている方が楽なだけ。
小説もエッセイも書けないと、もやもやしたものが心の底にたまりっぱなし。お仕事が忙しかったりとか、プライベートでやるべきことが多かったりとか、考えなきゃいけないものがあったりとか、そういうもので、いろいろなバランスが傾いてしまう。
傾いたなら、そのまま倒れてしまえばいいのに。
いちばん負荷がかかったところで踏ん張ってしまうのが、私の強さであり、弱さ。
でも、朝は嫌いじゃないんです。
むしろけっこう好き。
だって昨日とは違う自分じゃないですか。
ごく稀に、それでもたまには朝の空気をいっぱい吸って、朝ごはんでも食べに行こうよ。
RITUEL CAFÉ ルミネ新宿店
新宿にはたくさんのお店があるけれど、朝はどこも閉まっている。
洋服屋さん、本屋さん、眼鏡屋さんに、お菓子屋さん。
でも今日は目的のお店に一直線。朝からカフェのパンを食べに来た。
ルミネビルの地下に、ダルネスブルーのおしゃれカフェ。
小説の中に出てきそう?
どちらかと言えば写真とか絵とか、もっと私から遠いものの中に存在していて欲しいお店。
店内には素敵なイラストが。パリジェンヌがテラス席から、パリの日常を羨望する絵。世界はもっと、誰かに優しい。
皆々様にはご存じの通り、最近はめっきり小説を書くのが苦手になりました。
これまでたくさんのお話を書いてきたのが嘘のように、筆が重くなりました。
自分が考えるべきものが、世の中にはたくさんあって、それは他の誰かも同じで、でも他の誰かはちゃんと自分の人生に対して向き合って、定量的な解決策を求めたりしています。
私の文学性なんて、なんてちっぽけなんだろう、と、最近はそう思うことが増えてきました。
好きで書いているんだからいいじゃん、と言われたい。
好きで始めたことを、好きな気持ちを大事に持ったまま続けるのはとても難しいと思う。
始めるのと終えるのは勢い。だけどやっぱり続けるのは、何度も進んで戻っての繰り返し。
皆さんは、どうして小説を書いているの?
「美味しそうだねぇ」
私の向かいに座るあなたは、いつも美味しそうにご飯を食べます。
最近の私は、あなたと食べるご飯のことで、頭がいっぱいになっちゃいます。
美味しい朝ごはんを食べました。
クロワッサンと食パンは見た目の通りのさくさくふわふわで、野菜とたまごとベーコンが、予定調和のように美味しい。
みかんジュースとマーマレードの爽やかさに、7月を実感しました。
あっという間に半年が経った。
何を起点にしているかと言えばそれは、今年一年が始まってからだけれど、それ以上にもっと大きな意味があってほしい。
例えば、私がエッセイを更新しなさ過ぎてはや半年、とか。
Twitterをほったらかしにしてはや半年、とか。
どうして私は小説を書いているんだろう。
その問いに意味を見出す人がいるのだとしたら、それはもっとずっと未来を生きる、いつかの私だったらいいのに。
ケーキもパスタも美味しそうすぎるから絶対またいこ~!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?