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ポーランドで気づいたコミュニケーションの本質

昨年、私は転職をした。原因は人間関係だった。頑張って専門的な話をしても聞いてもらえない。揚げ足をとられる。そんな日々に疲れてしまった。

転職後、しゃべるのが苦手な私の話をいろんな人が聞いてくれる環境を手に入れた。しかし、前職での出来事がフラッシュバックしてしまい、専門的な話をするのが怖かった。

転職して数か月後、私はポーランドを訪れた。
パッケージツアーではなく個人旅行である。個人旅行だから飛行機の手配から食べ物の調達まで全て自分でやる必要がある。最近はインターネットが発達していて、博物館の手配や切符などはスマホで行うことができる。しかし、そうもいかないのはスーパーやトラブル対応である。

私はクラクフというポーランド第二の都市を訪れていた時のことである。明日の着替えがないかもしれないといったプチトラブルに陥っていた。
地図アプリでコインランドリーを探した。訪れると日本で見たことのないシステムだった。使い方がポーランド語と英語で書かれていたので、翻訳アプリを使って読んでいた。

"Do you speek Englesh?"
男性が声をかけてくれた。場所が場所ゆえ日本なら警戒するが、そんな場合じゃない。

"Yes. little."
私はそう答えた。(TOEIC180点なんですけどね)

「ここで洗剤を買う」と、彼は使い方を教えてくれた。
洗剤が2種類あって、どれを選べばいいのかわからなかった。
違いを彼に質問した。私の拙い英語を根気強く聞いてくれた。彼によると、ポーランドでは色物と白で使う洗剤が異なるらしい。
「ここで洗剤を入れて」「ここでお金を払う」「ここでボタンを押すと選択が始まる。」続いて使い方を教えてくれた。

"Thank you"と私は彼にお礼を言った。すると彼は「洗濯なんて簡単だよ」と言っていた。私は無事に翌日の着替えを確保することができた。

私はこの出来事を通して大切なことに気が付いた。
コミュニケーションは伝えようとする気持ちとそれを聴こうとする気持ちで成り立っているということに。

私は疑問を頑張って彼に伝えた、彼の話(英語)を頑張って聞いた。そして彼は私の話を根気強く聞いてくれた、英語が苦手な私でもわかるように全力で説明してくれた。
だから異なる言語でも、コミュニケーションを成り立たせることができたのだろう。
このことに気が付いてから前職の出来事がフラッシュバックすることがなくなった。

日本に帰ってから人と話すときに、①どうすれば伝わるか②相手が伝えたいことは何か。この2つを意識した。すると話すのが少し怖くなくなった。

彼にはすごく感謝している。翌日の着替えにありつけただけでなく、コミュニケーションの本質に気が付くことができた。彼に会うことはできないけど、いいことがたくさんありますように。

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