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たのしんでるかい。たのしめているかい。

なんでも楽しみながら突き進んでる人が結局いちばんいいとわかってはいるけど、自分のこととなるとつい楽しむことを忘れる。ふざけたりあそんだりするんじゃなくて楽しむ。不安になるより楽しんじゃえって下半期のしいたけ。さんにも言われた。見ず知らずのきのこにまで言われる始末。

去年の終わり頃からはじめてのことばかり起こってる気がする。慣れないことをするのは心も体も疲れる。慣れてないくせに慣れてるふりしてる時、絶対腹立つ顔してるだろうし、知ったかぶりしていい事ないので、わからんことはわからんって受け入れるようになった。

困った時は助けてもらえばええわって思えるようになれてよかった。謝罪よりありがとうをたくさん言いたい。つらいやしんどいや不安でいっぱいになるのは癪だから、楽しむ気持ちを忘れたくない。

「いつも」や「また」は、ある程度時間をかけないと生まれない。一回や二回じゃだめで、ある程度の共通の時間が経たないと感じない。
「いつも」や「また」を感じた時、私はうれしくなる。時間の積み重ねを実感する。時間の積み重ねは、思い出と想いの積み重ねでもある。なにかを愛おしく思うとき、人間に生まれてよかったなと思う。

慣れはこわいものだし、同じ事をずっとできない飽き性でもあるけど、全く知らないことや手に負えないことに直面すると、燃えてわくわくするより戸惑いや不安が先にくる。意外と。意外かどうかはしらんけど。

新しいことはいつもへの裏切りでもある。でもなんでもいつか終わるんだよね。はじまって終わらないことなんか無いし、いつか絶対死ぬし、起こることぜんぶにこれでよかったと思いたい。
できれば終わり方を知っていたいのかもしらん。納得さえできていれば、どんな終わり方でもハッピーエンドだもの。

一週間ほど、とある舞台のWSオーディションに参加してた。書類審査に通ってWS選考に残った約50人。二日後にその半分になり、その二日後にまた減り、今日話してた人が次の日行ったら居なくて、誰かが「イカゲームみたいだね」と言った。

イカゲームに参加中、今撮ってる映画の撮影もはじまってて、体力的にも気力的にもギリギリの瞬間が多々あった。なんとか最終的に採用された15人に入れて出演が決まったけど、結果はおまけとしてやり切った自分を褒めたい。がんばってたよあんた〜。

選んでもらうことは当たり前ではないけどラッキーだとも思わない。この作品に必要だと演出家が判断しただけのことだし、私が逆の立場だったら必要じゃない人は呼ばない。うれしい、というより単純にとても光栄なことだと思う。何を求められてるか、私の役割はなにか、一生懸命考えます。

選ばれた人がいるということは同時に選ばれなかった人がいるということでもある。それはいつものことだけど、イカゲームがいつもと違ったのは、選ばれなかった人がどんな声で話すかどんな顔で笑うか知っていること。
悲しんでるのが「誰かさん」と「〇〇さん」では、胸の痛さがまるで違う。世界の裏側と家の中ほど違う。世界中の猫とオリーブとジンジャーは、同じ猫でも全然違う。

勝ち負けに興味がない。全てが違うのだから他者と比べることに意味がない。誰にも勝ってると思わないし誰にも負けてない。なにをもって勝敗をきめるのか。他人に勝ちたくても勝ちようがないし、負けたくても負けようがない。

昔から一番になることより最後まで走れるかが大事で、褒めてもらえるかより自分が納得してるかが大事だった。今もあんま変わってない。
選ばれたのが「勝ち」で、選ばれなかったのが「負け」なんすかね。みんな競争させんのすきだよね。劣等感も優越感も全く要らないのにちょっと芽生えて苦しむ。大っ嫌いな学校みたい。バチェラーなんか企画からしょうもない。気に入らない。

ただ、悪人じゃない。みんな悪人じゃない。だからせめて知りたくなかった。顔も名前もどこの誰かも知らずにいたかった。
知りたくないことばっかりだ。知らないままでいたかったことばかり、私たちは知ってしまうね。

深夜のライブハウスに集まって、次回公演のビジュアル撮影をした。ライブハウスは私にとって遊び場であり自由の象徴でもある。好き勝手にやれよ、私もそうする。

アートディレクションはできるうちは自分でやりたい。できないことをやりたくなったら誰かにお願いしよう。カメラマンの水央ちゃんとは長い付き合いになので、意思疎通がはやくて助かるし信用してる。
見た目がダサい奴の作るものはダサい。おしゃれはたのしんでいたい。かわいいやかっこいいでテンションがあがる。みんなかわいかったしかっこよかった。いい写真が撮れてうれしい。みんなありがとうね。

たのしもう。笑いながら前進しよう。ごーごー。

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