📹「梨泰院クラス」にまんまとハマってしまった

まんまとハマってしまいました…「梨泰院クラス」。

梨泰院クラス | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト

見終わってから結構経ってしまったがやっと書くよお。
一話が平均70分くらいある上、16話あるので結構ボリューミーだった。
連ドラでここまでハマったの「Game of Thrones」以来かも。
半年以上前に流行ったんですよね？友達に話したら「おっっっそ！」って言われた。
（「おっっっそ！」ていうてきた本人見てなかったけど。どない。）
ということで遅ればせながら沼ってきました。

※ネタバレを含みます！！！（回避して書いてたけど無理だった）

■「梨泰院クラス」あらすじ

大都市ソウルの中でもひと際ホットな街で、小さな飲み屋を開店させた前科者の青年とその仲間たち。成功をつかむため、大物相手に無謀ともいえる戦いを仕掛ける。（Netflix より）

え、ネトフリのあらすじ簡素すぎん･･？笑
「前科者の青年」呼ばわりわろた。主人公やぞ。

一言で言えば主人公パク・セロイのサクセスストーリーなんだけど、周りの登場人物がそれぞれ魅力的で面白い。
出てないときも「あいつ今こんな感じかな～」みたいに想像できるくらい人物背景がそれぞれ濃くて、脚本素晴らしいな～～と。
役者さんたちが素晴らしいのももちろんなんだけど。
あと、ここって時に「あ～～～そんなことあったよね～～～～！」って編集入れてくるのもセコイよね。私チョロいから全然泣く。

■キャラクター紹介

パク・セロイ･･･主人公。苦労人。髪型がデトロイト・メタル・シティの根岸。イケメン。
オ・スア･･･美人。闇深め。天涯孤独。ピーチ姫系ヒロイン。
チョ・イソ･･･ソシオパス。現実主義。超優秀。ヨッシー系ヒロイン。
チャン・デヒ･･･ラスボス。権威主義。土下座大好きおじさん。
チャン・グンウォン･･･チャン家の長男。ファザコンクズ。攻撃的。
チャン・グンス･･･チャン家の次男。妾の子で肩身がスキニー。イソが好き♡
マ・ヒョニ･･･トランスジェンダー。視野が広い。ボランチ。優しい常識人。
チェ・スングォン･･･元やくざ。セロイ大好き。コメディパートを一手に担う。
トニー･･･有色人種の韓国人。ギニア出身。

セロイ周りのメインの登場人物はこんな感じなんですけど、捨て役なしって感じで出てくる人みんな重要なんですよね～。ほんとに誰もかぶってないの。
捨て役って「捨て」ってついてるくらいだから本来要らないはずなんですよ。
何らかの理由で入れてるんでしょうけど、要らないなら入れないに越したことないよね。すっきりしてて好き。

■主人公が不憫すぎ

セロイの父さんがむっっっっちゃいい人なんですよ…。
でも物語が始まって間もなく、人生ここからー♪みたいな時にチャン家のバカ長男に轢き殺されます…。

チャン家っていう、一族経営のゼンショーホールディングスみたいな大企業があって。
外食産業シェア率一位、大財閥の大金持ち。だから人を轢き殺しても罰せられないらしい。バカ息子お咎めなし。

父さんを轢き殺した相手がチャン家の長男で、しかも逮捕もされてないと分かったセロイがぼっこぼこにして半殺しにするんですよね。
それで逆に傷害罪で実刑食らって3年刑務所に入ることになります。
父さんも殺され、自分も前科者に。(警察学校に進学が決まっていたのに…)
この出来事がセロイの復讐劇のはじまりでありきっかけになります。

わざわざ面会来て煽って帰る土下座おじさんとか、
わざわざチャン家にお金で飼われることにしましたって報告しにくるヒロインとか、
「もうやめてあげてええ」って描写が続きます。私がセロイだったら尿管結石になってる。

1～2話見た感想は「主人公にストレス与えすぎ」でした。

■令和の復讐劇

セロイ、刑期終えてシャバに出てきます。
刑務所の中でセロイを支えたのは「チャン家に復讐する」という熱意だけ。

本当だったら殺してやりたいはずなんだけど、
セロイは「チャン家を超える会社を作って、社会的にチャン家を潰す」という復讐の仕方を選ぶ。命の取り合いではない復讐劇なんですね。
えらーい！セロイったら令和っ子！

ただやっぱり相手はゼンショーホールディングスですから、超大変なんですよね。自分の開業資金とかね。
そこでまずセロイは出所早々7年間マグロ漁船に乗ります🐟

…どんな主人公やねん！！

でも冷静に考えたらそうなるよね。魔法なんかないからね。
セロイがんばれ…。

■7年後にワープ

ヒロインのオ・スアは、高校生の時にチャン家に金で懐柔されて以来、そのままチャン家に就職して幹部になってます。
（スアがセロイの気持ちを知りながらなんでこんな行動をとるかというのも、スアの出生が起因してて安易に責められないんだなー。まじで設定がうまい。）

スアがセロイのことを忘れかけてた頃、7年かけて億単位の資金をこさえたセロイと運命の再会を果たします。復讐劇がやっとはじまるわけですね。

セロイが7年かけて準備した復讐の舞台が「タンバム」。
梨泰院にオープンさせた小さな飲食店を中心に、この後ストーリーが怒涛の展開で進むわけなのですが、はっきり言って非常に面白い。

■ヒロインがどっちも魅力的

この「梨泰院クラス」にはヒロインが二人います。
オ・スアとチョ・イソのお二人。これがまたどっちもいい…。

セロイの初恋の相手がオ・スアなんですねえ。同級生で、セロイがどんな人生を歩んできたかも知ってて、超絶美人。
「なんだかんだ言っても私たちくっつくでしょ？」って態度で、セロイもそういう関係がまんざらじゃない感じ。
どっちも苦労人だから、お互いのことを深いところで理解してて。他人が介入できない感じ。
「大人になったら迎えに行くから待ってて」って約束して離れた幼馴染みたいな感じ。なんやそれ。

もう一人のヒロイン、チョ・イソは紆余曲折あって「タンバム」のマネージャーになる女の子。すぐ側で支えるけど報われない系ヒロイン。
もともとソシオパス(反社会性パーソナリティ障害)のぶっとんだ迷惑な子って設定で登場するんだけど、
セロイのこと好きになってからはもうまじ甲斐甲斐しいの。
でもセロイはスアが好きだから、全然振り向いてもらえないんですよね…。

スアとイソの対比が良くてねえ…。
スアは「待ってて」って言われたからずっと待ってるんだけど、「待つ」以外のことは一切しないピーチ姫系。
自分の人生が壊れるのが怖いから、セロイの敵であるチャン家に居続けるし、チャン家の人間としての役目も全うする。
セロイがチャン家を壊してくれるのを願って待ってるけど、自分が手伝うことはせず「頑張れ～」って応援だけする感じ。
(そのくせウルウルした目で「いつまで敵でいればいいの？」とか言うのよ！！は！？)

イソは逆で、どんなに「恋愛対象に見れない」って言われてもそばに居続ける雌のヨッシー。
セロイの願いをかなえてあげたい、セロイの役に立ちたいって気持ちが純度100パー。
秀才で仕事もできるから、ビジネスパートナーとしてではあるけど
私が社長を幸せにするんご！ってむっちゃ頑張る。甲斐甲斐しい…。

私は、「ピーチ自分でも逃げようとしろよ」って思っちゃうので、断然イソ派。笑
スアの気持ちと生い立ちを考えると理解はできるし、何にもしてないわけじゃなかったって後で分かるんだけど、それでもイソ派。笑

イソのセリフがね、良いんですよまた。セロイの人生がどんなんだったか知るシーンとか。セロイが全然泣かないから、代わりにイソが泣く感じとか。
イソがタンバムのメンバーと関わってセロイを好きになってから他人を思いやる心を身につけていくのもいいんだよね。好き。

■新しい主人公像

セロイの特徴として、感情を爆発させることがほぼ無い気がする。
怒ったり叫んだり泣いたりすることはするけど、ここぞって時の数回だけ。基本的には飄々としてて、動じない。つかみどころが無いとも言えるかも。

主人公って、なんか喜怒哀楽激しいイメージありません？
あと、最初は弱いけどくじけたり頑張ったりしながら成長していくことで観客が応援したくなる仕組みになってるイメージ。
そのほうがドラマチックだからか、常にどったんばったんしてるような。

「梨泰院クラス」のセロイはあまりそのセオリーにはまらない主人公やなあ、と個人的には感じました。
最初からセロイはセロイで、本人の「当たり前」とか「正義」を貫くだけ。それに感化されて周りの人物が変わっていくような印象。
そこも好きだったな～。フォーカスは常にセロイなんだけど、セロイが変わっていくんじゃなくて周りが変わっていく感じが面白かった。

■韓国でも意外と

トランスジェンダーの人が出てきたり、有色人種の韓国人が出てきたり、ソシオパスが出てきたり、
「他人と違う」ことが否定されるんじゃなくて「個性」と扱われる時代のシナリオだなあ、と思った反面、
中でもトランスジェンダーのマ・ヒョニがSNSで叩かれたり「気持ち悪い」と言われたりする場面には現実を見た。

ここ数年でずいぶんと変わって、普通のこととして扱われるようになったと思ってたけど、韓国でもこんな感じなんか～と。日本と違って先進国のイメージだったので。知らないこと多いね。

■クオリティ高い！

韓国の作品に触れることが少なかったので勉強のつもりで観たんだけど、クオリティの高さに感動！ほんとに面白かった。

脚本、人物設定、演技、衣装やセットのセンス、演出。何をとってもハイクオリティで大満足でした。
韓国特有の言動が激しすぎてついていけないシーンは多々あるんだけど、それは文化の違いということで･･･。笑
（高校生にあんなに土下座求めるおっさんとか、街中で女追い掛け回して顔面殴る男おるんか…？笑）

非常にハイクオリティなエンタメでした。勉強になりました🎥

「細か過ぎて伝わらないモノマネ選手権 2020」でネタにされてたけど、
心の声多すぎてほぼ心の声で会話してるのもだいぶ面白いからそこも観てね。笑

あとドラマ全部観てからこのチームのものまね見て。似てます。笑