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v_2 流布された「幸せのカタチ」が超ハード

このエントリは、Voicyチャンネル 自分の人生を生きよう!by CK にて2021年10月7日に配信された「#0002 流布された「幸せのカタチ」が超ハード」を文章化しています。良かったら音声も、こちらのリンクからチェックしてみてください♪

私たちは育てられる中で、こうすれば幸せになるよ、こうすればいいよ、というガイドラインを、とても強く、主に日本社会から刷り込まれているよねという話と、でもその刷り込まれた価値観を信じていれば報われる社会では、もうなくなってきているよねという話をしたいと思います。

私はこの番組を通じて、みなさんが「自分の人生を生きたい」と気づいたり、(そもそもこの気づくというのがすごく大事なステップだと思っています)気付いてから一歩を踏み出したり、そんなきっかけにこのラジオがなったらいいなと思っていますが、みなさんどうでしょうか。「私は今自分の人生を生きている!」と思いますか。結構難しいことだと思います。なぜか。大きく二つあります。(特に日本ではこの二つがすごく強い)まず一つ目が、「このカテゴリーに属している人はこうあるべし」という規範意識がものすごく強い。二つ目が、みんな同じであるべしという「同質化」を求める力や同調圧力がすごく強い

一つ目の規範について。こうあるべしという社会通念や社会規範というのは例えば、「男児たるものこうあるべき」「女の子らしさってこうあるべきだよね」「女はこうあるべし、母だったらこうするべき、妻としてはこうあるべき」といったように、それぞれに要件があるわけですよね。今はそれぞれの個性を伸ばすとか言われていますが、私たちの時代では、先生がお手本を見せて、その通りにできれば褒められるし、できなければこうしなさいと矯正されるというのが教育でした。

二つ目の同質化について。これは一度海外に出てみると、いかに日本の同質化が強いかというのがとてもよくわかります。日本は基本的には、単一民族、単一言語で、見てくれもだいたいみんな同じですよね。だから、そうではない方がいると、この人は外の人だと誰もがすぐ気づく状況です。

そしてかつ、この一つ目の社会規範の強さと、二つ目の同質化の強さの掛け合わせで、このカテゴリーに属していたらこうあらねばならず、かつそれはみんなこうじゃないといけないというような、なかなかがんじがらめな状態だと思います。ですが、社会規範にしても、みんな同じという同質化にしても、今社会がとても目まぐるしく変わっていっているので、変わってはいます。

同質化を取り巻く状況の変化について。そもそも日本人だけのコミュニティでは生きていけない時代。もうずいぶん前から、日本の国内市場だけで食べていける時代ではなくなってきたから、「グローバル化だ!」とどんどん外に出て行ったり。また逆に、日本は人口が減って働き手を確保できないので、いろんな外の人に来てもらって、働いてもらっていますよね。だからみんな同じという状況ではなくなってきている。でも私たちは子どもの頃から「みんな同じであるべき」と擦り込まれてきているので、大人になってから突然、オリンピックでやれダイバーシティだとか言っても、結局ダイバーシティがなんなのかって、感覚としてやっぱりわからない

社会通念を取り巻く状況の変化について。例えば、私が子どもの頃から社会に出るまでは、基本的には「勉強を頑張っていい大学に行って、いい会社に入れば将来が約束されるし、女の子は、う〜ん、最近だったら頑張った方がいいのかな〜、まぁどっちもいいんじゃない」という感じでした。そういう社会通念の中で育ったわけです。親世代は、(ちなみに私の親世代は団塊世代よりも10歳若いくらいの世代)どんどん経済が右肩上がりで伸びていたから、こうすれば必ず良くなるっていう成功体験を積んでいる。それをもとに純粋に良かれと思ってのアドバイスなんですが、時代が変わったので私が社会に出たら、「あれ??」と戸惑う。親から刷り込まれてきた価値観が社会の実態と一致してないぞっていうふうに戸惑った方も、私の世代だとけっこういるんじゃないかなと思います。

これからは、そういうことがたくさん起きると思います。これまでは「女の子はこっちですよ〜、男の子はそっちですよ〜、こうすれば大丈夫ですよ〜、みんなこうしてますからね〜」って言われてきたのに、あるところで「ちょっとなんか、いろいろ状況が変わってきてるので、え〜っと、こっちに来てもらっても面倒見切れません、解散!」みたいなことがたくさん起こっていくんじゃないかなと思ってます。

例えば既にこれが起きているのが雇用のシステム。終身雇用というのは、会社に尽くしてくれれば(尽くすというのは、必要があれば残業もするし、必要があれば引っ越しもするし、北海道に行けと言われたら北海道に行くし、沖縄に行けと言われたら沖縄に行く、というような)老後まで面倒見るよと会社が言ってくれているという、御恩と奉公の、古き良き時代のものですよね。でも数年前に、あのトヨタですら、ちょっとそれは無理です、となりましたよね。経団連も、この先はもう無理でしょうね、と認めています。私達の世代だと、親や学校に刷り込まれた価値観をたどっていると、急に梯子を外されるようなことが起きやすくなってくるんじゃないかなと思います。

そして大事なポイントとして、寿命が長くなっている。人生100年時代。女性なら、子育てが終わってからの人生もとても長くなります。40歳や50歳のタイミングでもう一度、自分の人生をしっかり設計し直すタイミングが来ます。ただ、寿命が長くなった一方で、変化のスピードは日々上がっている。テクノロジーがものすごい勢いで進化してるので、寿命自体は伸びてるけれども、その変化のスピードやサイクル自体は超高速になっているという、そんな状況だと思っています。

ここで一つお伝えしたいのが、「自分の人生を生きてる人がよい人生を送っていて、そうでない人は惨めな人生だ」と言っているのではありません。私はそのプロフィールから、ものすごく自由奔放に好き勝手に生きている人のように思われることが多いのですが、実は逆なのです。規範とか、こうあるべきとか、属性での役割とか、みんな同じだったら自分もそうしないといけないというのが、私はとても強いタイプです。だからこそ、その苦しさがよくわかります。私自身「ガイドライン」を、自分の中ではなくて外に求め続けて、迷子になってしまったのが20代だったと思っています。場合によっては、模範街道=よしとされている街道を突っ走った後に、取り返しがつかないタイミングで迷子になってしまっていたかもしれません。肩書きとしては「ルワンダでタイ料理屋を開いたシングルマザー」ですけど、「自分らしく生きよう!」と思って行ったわけではなく、血迷った結果、流れ流れて、なぜかルワンダでタイ料理を開いたというパターンですね。そんな人生血迷った経験を、僭越ながら少しでもみなさんのお役に立てることがあれば幸いです。

日本において「自分の人生を生きる」というのはなかなか難しい。ノーベル賞を受賞された真鍋さんの話をニュースで見ました。「日本は協調性や調和を重んじるのがとても大事で、自分は合わなかったので日本を出た」というお話でした。日本を出るか、中で日本式で頑張るかの二択なわけですが、多くの人は後者を選ぶ。日本で「良しとされている人生を頑張って手に入れよう」と。でも、ここで強調したいのが、日本でこうすればいいですよ、ロールモデルですよ、とされているものが、とーっても難易度が高い!例えば今のアラサーアラフォーの女性だと、就職して、結婚して、子ども産んで、夫婦仲良くしながら、仕事も続けて、税金納めて、年金は見通し悪いけど自己資金なんとか貯めて、というように、とっても難しいと思うんです。長いスパンでの経済的な設計としても難しいし、一日中の朝起きてから寝るまでのルーティンを見ても、超ハードワーク。めちゃくちゃ難易度高いことを、みんなやっている。(私も昔やってたけど、どうやってやってたんだ…)また、日本はインフラから何からすべてが完璧すぎる分、減点法になってしまっていると、特にルワンダとの対比で強く思います。「世の中的に良しとされていることを選び続けてここにいるのに、なんだかしんどい」、
またはその逆で「世の中的に良いと言われているものが自分には手に入らなくてしんどい」と思っている方が多い。それはそう、だってとても難しいことをやっていますから。

社会や家族など周りからの期待に応えたいと頑張ってきたけど、「あれ、私、これやりたかったんだっけ…?」という感覚をふっと感じたら、無視せずに向き合うと、何かが少しずつ変わっていって、生きやすくなることもあると思っています。ちょっとした違和感は、無視し続けていると麻痺してきて、そのうち心の声も聞こえなくなるし、問いかけても全然返って来なくなってしまいます。以前の私がそうでした。「私は全然大丈夫」と今は思えていても、自分の心の声に耳を傾ける時間は意識的にとった方がいい。

まとめます。①社会の変化が早いので、社会規範に従順でいても守られるとは限らない。自分を守るのは自分しかいない。②日本で良しとされてるロールモデルは、めちゃくちゃ難易度が高い。ご自身をいたわってくださいね。③違和感は無視せず心の声を聞いてみましょう。以上、今日は総論的にお話ししましたが、今後もエピソードや体験談などの具体例の中で、わかりやすくお伝えしていきたいと思います。

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