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日本に帰れない今、聴いたYUIのTOKYO

YouTubeを観ていたら、YUIのTHE FIRST TAKE FESの動画がたまたま出てきました。

高校生の頃、不機嫌なジーンというドラマが大好きで、リアルタイムでも観て、録画を次の日朝ごはんを食べながらまた観ていました。

その主題歌がYUIのデビュー曲「feel my soul」でした。

そんなわけで、デビュー曲からYUIの曲が好きになり、よく聴いていました。

ルックスも可愛らしくて、女優デビューした映画『タイヨウのうた』も良かったですよね。

この動画で歌っているTOKYOは、なんとなく寂しい歌、というイメージがあります。

この歌がリリースされた当時は、福岡から上京した自分の体験を歌っているのかな、と単純に捉えて聴いていました。

私は台湾に来るまで、ずっと地元から離れたことがありませんでした。

進学先も就職先も、ずっと実家から通えるところでした。

そのため、地元を離れて違う町に引っ越すのって寂しいんだな、と他人事として想像することしかできませんでした。

ドラマや映画でよくある、主人公が夢を追って上京するシーンを観ているような、ただ物語を聞いている気持ちでした。

しかし今は、30代になってから初めて地元を離れて海外にきて、結婚して、きっとこのままここに永住することになるんだろうな、という状況です。

もちろん移住することに不安もありましたが、台湾ならすぐ帰れるし、と自分に言い聞かせて、その不安に蓋をしました。

ところが、コロナが流行り出して、日本に帰る見通しが全く立たなくなりました。

寂しくて、地元が恋しくて、何度も泣きました。

0歳の娘はまだパスポートを持っていません。

もし、コロナ禍の今、両親にもしものことがあっても、私はすぐには帰れません。

大好きな祖母も94歳と高齢です。

「コロナが落ち着いたら会おうね」と地元の家族や友人と言い合いながらも、本当にその日が来るのかなと不安になります。

台湾に住んでいるママ友が、子どもを連れて日本へ帰国するのを聞くと、羨ましくてたまりません。

ママ友が日本で家族と過ごしている写真をSNSで見ては、自分が娘と日本の両親と一緒にいるところを想像します。

父の運転する車に乗って、イオンやロイヤルホストに行って、初めての場所に好奇心いっぱいの目でキョロキョロと周りを見渡す娘の顔が目に浮かびます。

母はきっと、毎日何度も「可愛いねぇ」と娘に言ってくれるでしょう。

娘はLINE電話の画面越しに父があやすのをじっと見て、時々楽しそうに笑うのですが、早く抱っこしながら直接あやしてもらいたいです。

画面越しに見るより迫力がありすぎて、娘がびっくりして怖がらないか少し心配ですが、きっとすぐ慣れますよね。

娘を両親に抱いてもらうこと。

それは、私が1番したかった親孝行です。

どうして、やっと娘を授かることができたのに、一度も両親に会わせられないのでしょう。

コロナのない世界がよかった。

海外に嫁ぐということを、もっとよく考えるべきだった。

でも、嫁いでなかったら、この可愛い娘はいなかったんだけど・・・。

旦那さんも私にぴったりな人だし、専業主婦として娘の世話だけをしていられる暮らしはとても幸せだけれど・・・。

こんなに地元が恋しくなるなら、海外に嫁ぐべきじゃなかった、そもそも最初に台湾に行くと決めたあの時の決断が間違っていたのかな、なんて考えてもしょうがないことを、何度も何度もぐるぐると考えてしまいます。

そんな時に久しぶりに聞いた、YUIのTOKYO。

“答えを探すのはもうやめた 間違いだらけでいい”

地元でよく聞いていた懐かしい曲の歌詞が、何年も経ってから、すっと私の気持ちに寄り添ってくれました。

ただの上京ストーリーとして聞いていた歌詞が、こんなに沁みる日が来るなんて。

台湾に来たことが、正しい選択だったかどうかなんて、誰にもわからない。

今は、「選んだ道を自分で正解にしていくんだ」と発破をかけられるのも、息苦しい。

でも、この選択が間違いだったとしても、いいんだ。

YUIが優しい歌声でそっと歌ってくれるから、頑なになってた私も素直に聞けます。

辛いときこそ音楽を聴いて、今の気持ちに寄り添ってくれる歌を探すのを、すっかり忘れていました。

あなたにも、辛いときに寄り添ってくれた曲がありますか?

おすすめの曲があったら、ぜひ教えてください。

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