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就活と教育実習の両立

1.問題点


 大多数の学校で教育実習は5月下旬〜6月初旬にかけて実施されるため、民間企業の最終面接の時期と非常に被りやすく、それ故に教員免許状は取得したいが、民間企業を志望する学生は教員免許状の取得を諦めるか、それとも就職活動に支障をきたす覚悟で教育実習に挑むかといったジレンマに陥ることになります。

 この選択は教職課程を今まで頑張ってきた過去の自分を裏切り、志望する未来のために民間企業への就職活動に専念するか、将来教師になる道を残すため欲張って二足の草鞋を履き大博打にでるかといったような筆舌に尽くし難い不安のなかで決断をくださなければなりません。

 どちらが正しいというわけではないですが、私は自身の実体験を踏まえて後者を支持します。

2.実体験


 私は時間割に融通が利きにくい教職課程を優先的に履修していたため、自身の学部学科の専門科目の単位数が周りの学生よりも遅れをとっていました。そのため、学業に専念するべく、インターンシップには一切参加しなかったのですが、自己分析には徹底的に力を入れ、自分史の作成やジョハリの窓の作成などを通じて12月には履歴書やOpen ES・マイキャリアBOXに記載する内容を完成させていました。

 授業が終わり始めた大学3年生の2月頃、私は3月の就活解禁に備え、全てオンラインでの開催でしたが、毎日のように様々な企業の説明会に参加していました。気持ち的に就活への危機感が最高潮のこの時期に天変地異のように教育実習の実施期間が告げられました。絶望しました。なぜなら就活に支障をきたすであろう5月下旬〜6月初旬だったからです。ワンチャン9月の秋頃という淡い期待が泡のように消えました。しかも教育実習に参加するかどうかを3月中に決めろとのお達しが出たため一瞬頭が真っ白になりました。直ぐに正気を取り戻し、今後自分に降りかかる災難を頭の中で何パターンかシミレーションし、只管に打開策を考えました。

パターン1
第一志望である民間企業への就職活動に全力で取り組み、かつ、教育実習にも参加し、納得のいく形で就活を終えて教員免許状も取得する。

パターン2
第一志望である民間企業への就職活動に全力で取り組み、かつ、教育実習にも参加するが、就活に失敗し、教員免許状だけが残る。

パターン3
印象が悪くなり、かつ、「なぜ教員にならないの?」という鬼質問に立ち向かう覚悟で民間企業の面接を教育実習を理由にズラしてもらう。

パターン4
民間企業の就活を理由に大学や先生、生徒に多大な迷惑と悪影響を与えてでも教育実習を休ませてもらう。

パターン5
教員免許状を諦めて就活に専念し、納得のいく形で就活を終える。

パターン6
教員免許状を諦めて就活に専念するが、就活に失敗する。


 主にこの6パターンに分類することができます。しかし、数ある選択肢のなかで私が最終的に選択したのは、パターン1を狙いパターン2のリスクを取ることでした。なぜなら、1番の理由は単純明快でリスクは大きいが1番良い結果をもたらす可能性があるからで、2番目の理由は教員免許状を取得するチャンスは恐らく就職してからではなかなか訪れないのではないか、つまり、修繕不可能なことなのではないかと考えたからです。

 結果、私は踠き苦しみながら5月中旬までに納得のいく就活を終えた後、教育実習に参加し、パターン1に収まることができました。

3.教育実習を諦めようとしている人へ


 先ほど述べた第一の理由は自分にとって良い結果かどうかという主観的要素である面で除いた上で、私が重大な選択をする際に、大切にしていることは、そのことが「修繕不可能」なことかどうかです。つまり、後でできないことを先に潰していき、後回しにしてもできることは後回しにしてしまってもいいということです。

ここで唐突ですが、私が好きな有名な話を紹介します。

とある大学の授業で教授は教壇の上に、大きな壺を置き、次に大きな石を取り出し、壺がいっぱいになるまで石を詰め込みました。その後、教授は学生に、問いかけました。

「この壺は、いっぱいになっただろうか?」

1人の学生が「はい。」と答えました。

教授は「いいえ」と答え、砂利を取り出し、大きな石はもう入れることはできませんが、その隙間に小さな砂利を注ぎました。壺に砂利をいっぱいに入れて、再び「この壺は、いっぱいになっただろうか」と学生に問いました。

1人の学生が「いいえ」と答えると教授は「その通りだ」と言い、次に砂を取り出し、砂利はもう入れることはできませんが、その隙間に小さな砂を注ぎました。壺に砂をいっぱいに入れて、教授は再び「この壺は、いっぱいになっただろうか」と学生に問いました。

学生は「いいえ」と答えました。

「そうだ」と答えた教授は次に水を取り出して
砂はもう入れることはできませんが、その隙間に壺がいっぱいになるまで水を注ぎました。

今度こそ、本当に壺がいっぱいになり、教授は「何が言いたいかわかるか」と尋ねました。

1人の学生が「予定がいっぱいでも、努力すれば、詰め込むことができるという意味でしょうか」と言いました。

「違う」と教授は答え、続けて「私が本当に言いたかったのは人生の優先順位だ。この壺は人生を表している。物事には優先順位がある。大きなことから順に入れないと、後から入れようとしても入らない。」と発言した。

つまり、物事には、正しい順番があり、最初に大きな石を入れなければ、砂利や砂、水で満たした後では石を入れる機会は二度と来ない。

自分にとって、大きな石にあたることは何か?
修繕不可能なことは何か?

新卒カードのフル活用も修繕不可能で教育実習も修繕不可能という考え方もできるかもしれません。就活と教育実習の両立で悩んでいる人は自分にとって優先すべきことは何かをこのように考えてみては如何でしょうか?

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